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かわぐちかいじ様が右翼でも左翼でももはやどっちでもいいんだョ、そうじゃなくてただただセクシーだから読んでるんだよ!
私は昔からジャニーズなどの美少年やらイケメン俳優に興味が無かったんです。
これ、解ってくれる人はいると思う。
つまり不特定多数の異性に魅力を振り撒くのが職業の人=【芸能人】にはいまいちエロスを感じないんですね。
なんか本能的に引いちゃうです。
もっとあからさまに言うとホストとか玄人さんなど、エロスを売る商売の人もダメ。明らかに浮気性の異性もダメ。
でもさ、それ、割とふつうの感覚じゃない?
(この気持ち…少なくとも処○厨の童○系男子あたりにならは、共感してもらえるのではなかろうか?)
だから映画の俳優にドキドキする事があっても…あくまでもスクリーンの上の役柄にドキドキしている訳で、「格好良かったから、またこの人の演じる映画を見たいわ〜」止まり。
「リアルのその俳優に命がけで貢ぐわ!遊びでいいから愛人の1人に入れてもらいたいわ!」的なのめり込み方にはならない。
では、そんな、私のような【芸能界の男性イマイチ苦手女子】は…どんなオトコにドキドキするのか?
ここを考える上で私の人生上、ものすごく目鱗だった作品がある。
と言うのはですね、見た目が自分の好みのタイプから遠い登場人物しか出てこない、しかも一切工口や恋愛をテーマとはしていない作品でありながら、あまりにも登場人物の佇まいが工口過ぎるため猛烈に嵌まってしまったのですよ!
それは…
その作品とは…
ええッとですね、今から言うアホな話に、真面目なかわぐちかいじファンの方、怒らないでスルーして下さいね、このマヨコンヌって人は本物のアホだな〜ってサッと気づいて、サクッと忘れて下さいね、はい、
この作品、すごい悪く言うとですね、いえあくまですごく悪く言うとですよ?
この「沈黙の艦隊」という話は
目のキラキラした髪の毛の薄い天才の童顔のおじさんがひたすら潜水艦に乗って、潜水艦の中で魚雷を発射して、日本の敵と戦う、そーゆー話です。
これ、恋愛模様どころか、そもそも女性がほぼ登場しない漫画です。なのに!
これがもう個人的に工口くて格好良くて格好よくて工口くて工口くて工口工口くて…!
しかも基本的に大半が潜水艦の中という地味にもほどがある画面展開…
そんないつもの潜水艦の中でいつも同じメンバーの変わり映えしない男達が発射ボタンを、ぽち、って押してるだけの!漫画!なんですよ?!?!
なのに!!!
あまりに海江田艦長が最高にセクスィーすぎて一気読みしてしまったんですよ!!!!
読み終わったあと読み終わってしまったあまりの喪失感に耐えられずpixivで同人誌を探して変なモノを読んで読まねばよかったと後悔してしまったり、かわぐちかいじの他の漫画を読み漁ってしまったほどですよ!!!
しかもですね、このかわぐちかいじ先生の描く男性の見た目がですね、いちいち自分の性癖との完全ド真逆なんですよ!!!
…かわぐち先生の絵の男性…なんかイマイチちょっとパッとしない目のキラキラしたほっぺた大きめな…つまりどこか女性的な見た目なんです。
でもそんなのね、読んでたらどうでも良くなるんです!というかむしろ実はその、どこかしら女性的?少年的?な不思議な可愛らしさのあるこのビジュアルがむしろメチャクチャ【いい】んですよ!次第にどんどんと良くなって来るんですよ!ここは後から説明しますね!
とくにこの、主人公の海江田艦長がですね、ビジュアルとしては自分の1番苦手な路線の見た目で!!!
でも!!でも!!!その海江田サマがこの漫画の中で1番格好良い訳ですよ!!!
悪く言うと一休さんを思わせる、目のキラキラした童顔の既婚の丸顔の髪の毛の後退したおじさんなのに!!
あと自分ウヨクでもねえし!
潜水艦に興味も全くねぇし!!
(軍服や制服は愛国的な意味でなく純粋に不純な工口的な服として好きではあるが)
なのに!なのに!!
な、な、なんだこれ!!!!
読んでるうちにウッカリですね、
「自分、深町洋になって、海江田艦長の盾になって4にたい!!
(しかも海江田艦長の嫁には全然なりたくない)」
みたいな訳の解らない清浄かつ完全異常なプラトニック情動が無限に湧き上がってくるんですよ!!
しかもその忠誠心というか男の友情というか軍人精神とおうかウヨな情念というか武士道的な情念…が!
なんと。
トンデモ不謹慎なことに、
明らかに己の子宮から湧き上がってくるのが解るんですね。ビンビンと。そこを掘り下げると
世界のために殉じたい
↑
国の為に戦いたい
↑
友
↑
群れ
↑
仲間
↑
家族
↑
自分のオンナ
↑
自分の子供
↑
自分自身
つまり、元来社会奉仕的な要素もウヨク的要素もないはずの自分なのに、かわぐちかいじマジックにより、私の内側に存在した、ただのエゴイスティックな自己保存本能&性欲に過ぎないナニカが、
「深町洋になりかわって海江田艦長の為に4んで日本を救いてぇ!!」
みたいな訳のわからん忠君愛国的自己犠牲へと増幅&変換されて昇華されてしまうのです!!!
なんだこれ!海江田艦長…!海江田艦長かっこええ!!
(ちなみにややネタバレですけど、海江田艦長は大義のために深町洋を死なせたりはせんのですよ、むしろ深町洋を遺してリーダーである自分が犠牲になるのですよ、文句言いまくりつつも内心では殉じたいと思っていた存在にあべこべに殉じられて護られてしまった…深町洋はいかほど無念だったろうか!永遠の無念!そんな甘くも熱い悔恨を永遠に与えながら我々を守って永遠にさってゆく海江田艦長はますます工口いんだ!!その後もこの続きの作品が後出しジャンケン的に出たりまぁいろいろあるけど本作そのものはそんな感じで終わる!)
しかも不思議なことに!
かわぐちかいじの男と女の恋愛が出てくる漫画を読んだ時なんかより沈黙の艦隊を読んだ時のほうが100倍も私の子宮は震えるのですよ!実際に読み比べて
「えっ……?!」
みたいな意外な気持ちになりましたが、そうなんです。
男と女の恋愛模様なんかよりも、
世界を救うために4のうとする男達、
友のために4のうとする男達を描く時、
かわぐちかいじのエロティシズムは100倍も華麗に花開くのです。
だってその辺のパッとしない女ひとりを護るために4ぬ恋愛劇では、護られるのはその辺のパッとしない女たったひとりか、せいぜいで、その女のこどもだけでしかないけど、
日本を、地球を、絶望から救う為に4ぬなら!なにしろ日本には無数の女が、ついでに男も住んでますからそれ全部を救うんだから、工口さが1億人分に増えますので、つまり工口さが1億倍に増幅されるのです!
それは当然なんですよ。
そして日本をただ絶望から救うだけでなく!それを確かにやり遂げる事ができるストイックで可憐な唯一無二のリーダー=海江田艦長を守り海江田艦長に殉じて彼の為に4ぬる方が!さらにスケールがデカいエロティシズムが発動する訳ですよ!
このかわぐちかいじのマジックによって、同じ自己犠牲系タイプの雄の滅びのエロス…例えば谷崎潤一郎の刺青とか痴人の愛なんか消し飛ぶほどの、爆弾級のエロティシズムがここに爆誕するワケです!原潜だけに!やだ爆発したら大変じゃない!やだもうずるい!
だから!かわぐちかいじに出てくるリーダーはおっさんでありながらも、日本中のこどもたちやら女性たち…俺たちが護るべき可憐なもの全てを象徴する存在でもあるんです、だからこそ、かわぐちかいじの描く男達の顔面にはどこか少年や女性を連想させる可憐なかわいらしさがあり、だからこそ最高に魅力的なんです!
あの愛らしさだからこそ、対比で、原潜やら戦艦やらの硬派な絵がいっそうバエバエに格好良く映えるし、だから俺たちはますます海江田艦長に殉じたく、守りたくなるんです!
もし海江田艦長の顔面が福本伸行先生のカイジとか水木しげる先生の漫画に出て来るメガネの三等兵みたいのだったらこれほどまでには萌えません!
海江田艦長がドウェインジョンソンとか蝶野正洋みたいなオトコオトコした顔面や筋肉でもきっと意外とイマイチです!
あの利発な少年みたいな中性的で可憐な童顔がむしろいいんです!あの愛らしい顔面が自衛隊の制帽をキュッ♡と被って世界を股にかけてメチャクチャトリッキーな戦術を堂々繰り広げるのが格好いいんですよ!
自分がライバルの深町洋(いかついニヒルなイケおじ)ならそんな海江田サマをみたら心臓がトゥンクしちゃうよ!絶対!
ただしこれは決してBLでもゲイの話でもないのです。
だから海江田サマが本物の美少年とか美少女ではダメなのです!
海江田サマは可愛らしい少年顔だけど、ちゃんと妻子もいるおじさんでなければなりません!
なぜならば、これはBLやゲイストーリー(=つまり個人的なたった2名の愛の物語にすぎないモノ)なんかではないからです!
海江田サマと深町洋ふたりのキーマンが日本の国民をまとめて巻き込んで無限過剰増幅された無数の愛の物語である事を明確にするためにも、海江田サマのおぐしはズバッと後退しているアレで正しいのです!!!
海江田と深町は別に変なことをしたりする必要はないし、むしろそんなつまらん事は絶対にしてはいけないんです!!!!
つまりこの崇高なプラトニックなエロティシズムはどこかで発散される事は永遠にないのです!
そして!永遠に発散されないからこそ!
このふたりを中心とするエロティシズムは
ふつふつと渦巻きながら無限に増幅される永久機関として永久に昇華し続けるんです!!
つまり海江田艦長の持つエロティシズムとは、例えばジャンヌ・ダルクの魅力です!
永遠に誰のものでもない処女の美少女にして、国を憂い、行動し、そして犠牲となり俺たちを救う為に4んだ…誰の嫁でも誰の母親でもないがでも俺たち全員の永遠の天使であり聖母…
そんな、国を救う救世主!
たぶんこれが!このポイントが!!
男なるもののエロティシズムの根幹であり最高峰であり本質なんだ!!
しまった!ジャンヌダルク少女だったっけ!まぁいいか。
あーもー海江田艦長格好いい格好いい格好いい格好いい…深町洋も格好いい…
かわぐちかいじマジック、おそるべし。
(ちなみに速水君はどんなかわぐちかいじ漫画の美女よりも圧倒的に異常なまでに美しい絶世の美青年だけども沈黙の艦隊を構成するエロティシズム的にはじつは居なくても大丈夫なアレです…アレはなんつうか延々と潜水艦とおじさんしか出てこなくてさすがに胸焼けした時に食べるかもしれないけど食べなくても特に問題のないステーキの鉄板の隅っこにあるどうでもいいクレソンみたいなモノとして、どうしてもおじさんを見つめ続けるのが生理的に苦手な人のために念のために用意されている保険的なマグロの横のカイワレ大根です)
ちなみに個人的な思想的にはどんな市民もワケワカラン他者のために4ぬなんてそんな自己犠牲的な事はしなくてイイと思うし強制する気ももちろんないし徴兵制にも反対ですヨッ?!
私はあくまでもあくまでも政治的な意味合いゼロに、恋愛やら家族愛やら友情やらを強烈に拡大増幅した【究極の愛と自己犠牲の物語】として「こういうシチュエーションのオトコって最高にカッコよくてえっちいですよね〜ウヒウヒウヒヒッ」ってドキドキして喜んでるだけであります!
この沈黙の艦隊、登場人物の99%が自衛隊か軍関係者か政治家、政治的な事もいろいろ書いてある、しかも対米従属的な日本を憂いた原潜の艦長が政府の代わりにベェーー国に物申す的な、右(もしくはすでに70年代までのレッドパージでほぼ完全絶滅した昔のガチ本気な反米サヨク)っぽい漫画ですので、いわぬるアメリカ民主党系リベラルとか現代の左寄りの方はいろいろと思想的についていけないでしょうが、左の方もどうかぜひ
要するにガンダムとかエヴァとか愛の嵐と同じ系列の、崇高シンプルなプラトニック・ラブ・エンターテイメントとして、
最高に美しい男達が(戦友と国民への)崇高な愛のためにつまり我々のために世界を変革するために殉じゆくという、この、痺れるような自己犠牲エロスの迸りを傍観しひとときその物語に没入するためだけに、ごくごく無反省〜〜にたのしんで見てはいかがでしょうか!
PS
ここまで書いて、アイドルやらホストやらに嵌まってどうかしちゃってる女性よりむしろ自分の方がよっぽどガンギマリに不健全かしらと気づきました。ええっと、右の方も左の方も、こんな不謹慎でえっちい本音をダダ漏れにを漏らしまして、その、いろいろとすんません。本当に、なんかこう、全方位的にすいませーーーーん。
↑この書評凄く面白かったです。
それまでの作品で言えば、どちらかというとライバル役の深町のようなアウトロータイプが、かわぐちマンガの主人公でした。海江田は、額の広い、のっぺりとしたお坊ちゃん顔で、あんまり主人公っぽくありません。むしろ主人公の行く手を阻む冷徹な高級官僚、みたいな役どころがいかにも似合いそうな、ちょっと感情移入しにくいキャラクターです。
以後、かわぐち作品には、この海江田タイプのヒーローが重要な役どころを演じるようになっていきます。わりと偏差値高めで、ハイスペックな能力を備えた人物が、頭脳戦で勝っていく、という路線です。
その意味で、かわぐち作品のヒーロー像は、大きく変質してしまったとも言えるのですが、その一方で、全く変わっていないところもあります。
要するに彼らはみな“テロリスト”なのです。
そこは全くブレていない。ただ、テロルの戦術が変わっただけです。
【マンガのスコア LEGEND46】
えっ!テッ!?テロり?!すと?!
エッ?!かわぐちかいじサマってなんか自衛隊の中の人たちにまで好かれてるしてっきり「自衛隊大好き爽やか系ウヨおじさん」だと思ってたけどそうではな…い…の?
描くのは「みんなテロリスト?!」ハァッ?!
かといって、
この人が描くのは常に「志半ばで滅ぶテロリスト」であり「滅びゆくアウトロー」であり…
しかも自分自身は全共闘全盛期時代に学生闘争一切せずに大学内で漫画書き続けてるし、
この人、テロリストの味方ですら全然ないぞ!
てゆうか、バブル絶頂期〜崩壊&ペレストロイカの時代に!日本史上最高潮に「アメリカにペコってて本当に良かった!!!」だったあの蜜月の数年間に!こんなギンギンに反米思想そのものな漫画描くとか自殺志願者としか言いようがない行為をやって、なのにそれを大ヒットさせるとかなんという大穴勝負師でしょうか!存在が博徒すぎる!な、な、なんなんだこのひと!
ちなみにこの沈黙の艦隊と並行して
日本の首相と赤軍の女首領が悲恋する、そして政界のドロドロ内側暴露!みたいな荒唐無稽かつ社会派なトンデモネェ漫画を沈黙の艦隊と並行で連載(!宇宙人か!)して居られます(つかどっちの連載も一歩間違えば発禁モノですよ…)ので、つまりやはりかわぐちかいじさまは、
右翼おじさんでも左翼おじさんでもなく
滅びの美学を愛するアウトローセイレーンとかエロテロリストとかなんかそういう部類のいかがわしい妖魔なのかと思われます。
しかし…まぁ…言われてみれば…どいつもこいつもたしかに海江田サマも…テテテロ…確かにそうですね!なーんて迷惑な…!
ああっでもっ、
一貫してじつは全員、物騒な究極のアウトローかもしれない、
かわぐちかいじサマの描く幻想の世界にしか存在し得ない夢幻のセクシーな男達が…やっぱり…しゅきぃっ!!