IBMやMeta、東京大学やSONYも参加するAIコンソーシアム 「AI Alliance」が業界を変える?
IBMやMetaなど、大手IT企業やAIスタートアップ、教育機関ら50以上の組織と共同で責任あるAI推進に向けて新団体「AI Alliance(AIアライアンス)」を発足しました。これは「オープンで安全で責任あるAI」の推進に焦点を当てた「コミュニティ」だとしている。IBM Newsroom の記事を参考に今回はこれについて詳しく見ていきたいと思います。
「AI Allianceは、行動志向かつ国際的な枠組みであり、社会のニーズや複雑性を反映する方法でAIの進化を形作ることができる多様な機関を通じて、あらゆる場所で機会を創出することを目的としています。」*引用
AIの急速な進歩により、人々の働き方、生活、学習、相互交流の方法を改善できる新たな機会があらゆる場所に生み出されています。
しかしAI Allianceでは、安全性やセキュリティ、多様性、経済的な競争力を確保しつつオープンコミュニティをつくり、主要な開発者や科学者、学術機関、企業、その他のイノベーターが結集することで、開発者や研究者がAI分野において責任ある革新をもたらせることを目指すという。
可能な限り幅広いAI研究者、構築者、導入者に力を与えるオープンで透明なイノベーションが必要だと語っています。
AI Allianceは、AIシステムの責任ある開発と利用を支援するために、安全性や信頼性を検証するツールのカタログ作成などのプロジェクトを推進します。
-多言語モデルやマルチモーダルモデルのエコシステム
-AIハードウェアアクセラレーターの育成
-グローバルなAIスキルの構築
-教育資源の開発
-オープンなAI開発の促進
など、幅広い活動を行います。これらは、AIの有益な利用を進める責任ある方法を提案し、促進することを目的としています。
この連合は、AIベンチマーク作成者、大学、ハードウェア開発者、ソフトウェアフレームワーク支持者、およびオープンモデルのクリエイターから成り立っており、創設メンバーには、Intel、AMD、ソニー、ソフトバンクなどの大手の他、Stability AI、Hugging Faceやsakana.aiなどの新興企業、ダートマス大学、東京大学、慶応大学などの大学が上がっています。しかし、Microsoftとその出資先のOpenAI、Google、Anthropicは参加していないようです。
IBMとMeta社は、産業界、政府機関、学界をリードする組織と共にAI Allianceを発足します。現時点でのパートナーおよび協力組織は以下の通りです。
Agency for Science, Technology and Research (A*STAR、シンガポール科学技術研究庁)
Aitomatic社
AMD社
Anyscale社
Cerebras社
CERN(欧州合同原子核研究所)
Cleveland Clinic
Cornell University(コーネル大学)
Dartmouth(ダートマス大学)
Dell Technologies社
Ecole Polytechnique Federale de Lausanne (スイス連邦工科大学ローザンヌ校)
ETH Zurich(スイス連邦工科大学チューリッヒ校)
Fast.ai
Fenrir, Inc.社
FPT Software社
Hebrew University of Jerusalem (エルサレム・ヘブライ大学)
Hugging Face
IBM
Imperial College London(インペリアル・カレッジ・ロンドン)
Indian Institute of Technology Bombay(インド工科大学ボンベイ校)
Abdus Salam International Centre for Theoretical Physics(ICTP、国際理論物理学センター)
Institute for Computer Science, Artificial Intelligence (コンピューター科学・AI・技術研究所)
Intel社
慶應義塾大学
LangChain
LlamaIndex
Linux Foundation
Mass Open Cloud Alliance, operated by Boston University and Harvard
Meta社
Mohamed bin Zayed University of Artificial Intelligence(モハメド・ビン・ザイード人工知能大学)
MLCommons
National Aeronautics and Space Administration(NASA、米国航空宇宙局)
National Science Foundation (NSF、米国国立科学財団)
New York University(ニューヨーク大学)
NumFOCUS
OpenTeams社
Oracle社
Partnership on AI
Quansight社
Red Hat社
Rensselaer Polytechnic Institute(レンセラー工科大学)
Roadzen社
Sakana AI社
SB Intuitions株式会社
ServiceNow社
Silo AI社
Simons Foundation(サイモンズ財団)
ソニーグループ株式会社
Stability AI社
Together AI社
TU Munich (ミュンヘン工科大学)
UC Berkeley College of Computing, Data Science, and Society (カリフォルニア大学バークレー校)
University of Illinois Urbana- Champaign(イリノイ大学アーバナシャンペーン校)
The University of Notre Dame(ノートルダム大学)
The University of Texas at Austin(テキサス大学オースティン校)
東京大学
Yale University (イェール大学)
AI Allianceの参加メンバーは記事でのコメントでAIのオープンイノベーションの重要性を強調しています。
IBMのアービンド・クリシュナCEOは、AIの進歩がコミュニティのコラボレーションの成果であると述べ、Metaのニック・クレッグ氏はAIのオープン開発が革新と安全性を促進すると信じています。
慶應義塾の伊藤公平氏、ソニーの北野宏明氏、東京大学の相原博昭教授も、それぞれの組織がAI Allianceを通じて貢献できることを歓迎しています。
AI領域の主要な開発者、科学者、教授、学生、ビジネス・リーダーが結集し、AI分野において有益で、AI Allianceと整合性の高い活動を行っている政府、非営利団体、市民社会組織の重要な進行中の取り組みとの連携を計画しているそうなので今後の活動に注目ですね!