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Notion✖️ChatGPTで顧客分析を自動化させる方法


1. Notion(ノーション)ってどんなツール?

Notionは、ドキュメントやデータベース、タスク管理などを一元化できるオールインワンのワークスペースです。

  • ドキュメント管理:マークダウンが書きやすく、テキストや画像、リンクなどを自由に組み合わせることが可能。

  • データベース管理:表形式のデータベースを作成し、タグや担当者、ステータスなどを管理できる。

  • コラボレーション:チームやクライアントとも共有が簡単にできる。

いわゆる「メモアプリ+データベース+Wiki」が合体したようなイメージで、個人からビジネスまでさまざまな場面で活用されています。今回は、そのNotionに蓄積された“顧客データ”をエクスポートして、ChatGPTを使って分析する方法について見ていきましょう。


2. ChatGPTでデータ分析をする際の流れ

Notionからデータをエクスポートする方法

1.Notionで分析したいページを開く
まずは顧客情報が格納されているページやデータベースを開きます。特に表形式でまとめている場合は、エクスポートもしやすいです。

2.「Export」機能を使う
Notionページ右上の「…」メニュー(または左サイドバーの「…」)をクリックし、Export(エクスポート)を選択します。


3.エクスポート形式にCSVを選びます。

  • CSV形式なら、Excel・スプレッドシート・他のDBアプリケーションでも扱えるので汎用性が高いです。

  • Notionから直接PDFやHTMLなどでもエクスポート可能ですが、ChatGPTによる分析にはCSVが扱いやすいのでおすすめです。

ファイルを保存
指定した場所にCSVファイルがダウンロードされます

エクスポート形式にCSVを選びます。

2.2 個人情報取り扱いの注意点

顧客データをエクスポートしたままの形で外部サービス(この場合はChatGPT)にアップロードすると、個人名や電話番号、住所などの個人情報が含まれている可能性があります。日本において個人情報を取り扱う場合は、以下の点に十分注意しましょう。

  • 個人情報をマスキングまたは削除する
    名前や電話番号、生年月日などが必要なければ削除する。必要な場合でもIDなどに置き換えて加工するなどで、直接的に個人を特定できないようにしましょう。

  • アカウントや管理者の責任
    CSVファイルをアップロードすることで漏洩リスクがないかをチェックし、どうしても必要な分析以外は公開しない。

2.3 ChatGPTにファイルをアップロードする手順

ChatGPTにはアップロード機能が備わっているバージョンや拡張機能が存在する場合もあります(たとえばChatGPT Pluginsや一部のサービス連携機能など)。しかし、標準のブラウザ版ChatGPT(OpenAI公式サイト)では、現在は直接ファイルをアップロードする機能が一般ユーザー向けには提供されていないことが多いです。

  1. 分析したいCSVをアップロード

    • 個人情報を除いたファイルを選択し、アップロード。

  2. ファイルを読み込ませる指示をする

    • ChatGPTに「アップロードしたCSVを読み込んで」と伝え、続けて具体的な分析指示を出す。

2.4 うまくいかない場合の対処法(テキストコピー&ペースト)

現状、多くのユーザーが「ファイルを直接ChatGPTに読み込ませる」よりも、テキストをコピー&ペーストで貼り付けて分析させることが多いです。

  • CSVファイルをテキストエディタで開き、全部コピーしてChatGPTのプロンプト欄に貼り付ける。

  • ただし、行数が膨大な場合はトークン数オーバーになる可能性があるので注意。

  • その際も、個人情報は必ずマスキング(加工)してから貼り付けましょう。


3. ChatGPTに指示を出すためのプロンプト例

ここでは、実際にChatGPTへ投げるプロンプトの一例をご紹介します。データを貼り付けたり、ファイルをアップロードしたりした後、以下のような文面で指示を出すとスムーズです。分析項目は後述する5つの観点(担当者別、地域別など)を含めた形で書いています。

【サンプルプロンプト】
あなたは優秀なデータアナリストです。以下のCSVデータを分析してください。
■やりたい分析内容担当者別売上・件数どの担当者が何件受注し、合計いくらの売上を上げているか担当者ごとの平均単価や高単価工事の分布地域(市町村)ごとの件数・売上どのエリアに依頼が集中しているか地域別に見ると平均単価がどう変わるのか支払い方法ごとの売上比率「現金」「クレジット」「オンライン決済」「請求書」など、それぞれ何件・いくらの売上か全体の中でどれくらいの割合を占めるか依頼経路(工事業者)ごとの集客状況「暮らし」「LINE」「HP」「タース」「トラスト」などの経路別1件あたりの平均売上やリピーターが多い経路はどれか工事内容の割合「エアコン関連(取付・取外し・クリーニングなど)」「洗濯槽クリーニング」「水まわり(トイレ・浴室など)」「ハウスクリーニング」「その他」の内訳各カテゴリの全体に占める割合口コミ・LINE誘導の状況口コミを書いてもらえた件数LINEへの誘導を実施した案件の比率や単価、リピート率分析結果を簡潔かつわかりやすく要約し、全体の傾向や改善のヒントがあれば指摘してください。

上記のように、ChatGPTへ「あなたは○○な立場です」と伝えることで、データ分析者としての視点で回答を期待しやすくなります。そして「やりたい分析内容」を箇条書きで明示することで、欲しい情報をもらい漏れなく指示できます。


4. 具体的にどんな分析ができる?(分析項目例)

続いて、実際にどんな項目を分析するのか、もう少し詳しく見ていきましょう。上記サンプルプロンプトと連動しています。

4.1 担当者別売上・件数

  • 受注件数トップは誰?
    「Aさんが10件受注して累計売上100万円」「Bさんが8件で50万円」など、数と金額を明確に把握できる。

  • 平均単価はどれくらい?
    担当者別に平均単価を出すと、高単価案件を扱っている担当者が見えてくる。

  • 高単価工事の分布
    単価が一定金額以上の案件が全体の何%か、といった分析も可能。

4.2 地域(市町村)ごとの件数・売上

  • どのエリアに依頼が集中している?
    地域ごとに件数や売上を集計することで、優先的に力を入れるべきエリアが見えてくる。

  • 地域別の平均単価
    地域ごとに物価や工事の内容が違う場合、単価も変わるケースがあるため興味深い指標になる。

4.3 支払い方法ごとの売上比率

  • 支払い方法の内訳
    「現金」「クレジット」「オンライン決済」「請求書」などで、利用件数・売上がどう分布しているかを確認できる。

  • 割合が多い支払い方法
    多数の顧客が選んでいる方法を把握することで、新しい決済手段導入の検討材料になるかもしれません。

4.4 依頼経路(工事業者)ごとの集客状況

  • どの経路から依頼が多い?
    複数経路を比較し、一番効果的な集客方法を見極める。

  • リピーターが多い経路はどこ?
    1件あたりの平均売上やリピート率を比べることで、長期的な顧客獲得に有効な経路を特定。

4.5 工事内容の割合

  • カテゴリごとの内訳
    「エアコン関連」「洗濯槽クリーニング」「水まわり」「ハウスクリーニング」「その他」といったカテゴリに対し、件数や売上を集計。(これはワタたちH.R.D株式会社のサービス)

  • 需要が多い分野を把握
    最も件数が多いカテゴリの強化や、逆に少ないカテゴリのテコ入れを行う際の指針になる。

4.6 口コミ・LINE誘導の状況

  • 口コミをもらえた件数
    口コミを書いてもらえると、新規顧客の獲得につながる。どのくらい口コミが増えているかを把握する。

  • LINE誘導の実施率や効果
    LINEで案内するとリピート率が上がるのか、単価が上がるのか、といった指標を確認。今後の販促施策に活用できます。


5. まとめ

Notionで蓄積している顧客データは、うまく活用すればマーケティング施策や営業戦略の改善に大いに役立ちます。ただし、個人情報や機密情報を慎重に扱うことを忘れないようにしましょう。

  • Notionからエクスポートする際にはCSV形式が便利。

  • 個人情報は必ずマスキングする。

  • ChatGPTに渡す時は、直接ファイルアップロードか、テキストコピー&ペースト。

  • 分析したいポイントをプロンプトでしっかり指示すると、より的確な回答を得られる。

ぜひ、上記の手順とサンプルプロンプトを参考に、ChatGPTでの分析を試してみてください。担当者別の売上や地域ごとの売れ筋、支払い方法の傾向などが視覚化・数値化できれば、経営判断や新規施策の検討がスピーディになるはずです。

最後に、もう一度サンプルプロンプトを載せておきます。皆さんのビジネスのデータ分析に役立てていただければ幸いです。


もう一度!サンプルプロンプト例(コピーして使ってください)

あなたは優秀なデータアナリストです。
以下のCSVデータを分析してください。 
■やりたい分析内容 
1. 担当者別売上・件数 - どの担当者が何件受注し、合計いくらの売上を上げているか 
- 担当者ごとの平均単価や高単価工事の分布 
2. 地域(市町村)ごとの件数・売上 - どのエリアに依頼が集中しているか 
- 地域別に見ると平均単価がどう変わるのか 
3. 支払い方法ごとの売上比率 - 「現金」「クレジット」「オンライン決済」「請求書」など、
それぞれ何件・いくらの売上か - 全体の中でどれくらいの割合を占めるか 
4. 依頼経路(工事業者)ごとの集客状況 - 「暮らし」や「LINE」「HP」「タース」「トラスト」など
、どの経路からの依頼が多いか - 1件あたりの平均売上やリピーターが多い経路はどれか 
5. 工事内容の割合 - 「エアコン関連(取付・取外し・クリーニングなど)」「洗濯槽クリーニング」
「水まわり(トイレ・浴室など)」「ハウスクリーニング」「その他」の内訳 
- どのカテゴリが全体の何割を占めるか 
6. 口コミ・LINE誘導などの状況 - 口コミを書いてもらえた件数はどのくらいか 
- LINEへの誘導を実施した案件の比率や、単価の違い・リピート率などの傾向 分析結果を簡潔かつわかりやすく要約し、全体の傾向や改善のヒントがあれば指摘してください。

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