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【おすすめ散策コース】羽田空港第3ターミナルで知る、空港のあれこれ

今回は、12月に開催予定の、「まいまい東京」で開催される、羽田空港をめぐるツアーの見どころを紹介する記事の後半部分になります。(前回の記事はこちら) 前半戦は、京急の穴守稲荷駅からスタートし、昔の羽田の街を歩き、羽田空港まで歩くコースを紹介しました。今回は、羽田空港第3ターミナルの中での楽しみ方を紹介したいと思います。

■羽田空港第3ターミナルとは?

羽田空港第3ターミナルは、2010年に開業したターミナルビルで、国際線が発着します。最近まで「国際線ターミナル」と呼ばれていましたが、第2ターミナルからも国際線が発着するようになってからは、「第3ターミナル」に改称されています。

羽田空港第3ターミナルの全景をGoogleマップより。
2010年に完成してから、増築等が進み、今の姿になりました。

■ターミナルビルの紹介

第3ターミナルの3階が、出発ロビーがあり、海外に出国する人たちが多く集まるスペースです。最近は円安の影響もあってか、海外の方が日本から帰国する姿のほうが多い気がします。

第3ターミナルの3階出発ロビー

ちなみに、2022年に撮影したのが、こちら。この時はほとんど人がいない状態でした。海外への渡航がコロナ禍以降にまだ自由でなかった時期。今はもう大昔のように感じてしまう風景です。

こちら、2022年に撮影した様子です。フロアにほとんど人がいないターミナル。

■京急の地下駅

このターミナルビルにアクセスするための、2つの駅を紹介します。まずは京急の駅です。

まずは、京急の駅。
この駅は、開削工法で作られた地下トンネルを掘り起こし、
両側に駅のホームの部分を付け足す工事をしてできました。

京急の第3ターミナル駅の線路や中柱のある部分は、第3ターミナルが作られる前からある部分です。そして、ホームがある部分が、第3ターミナルが作られた際に追加された部分です。

結構広々とした改札口です。
地下から3階の出発ロビーまで直結するエスカレーター。

京急の駅は、1番線(第1・第2ターミナル方面行き)のホームは、基本的に羽田に到着した人が行く先である、出発ロビー(3階)にアクセスしやすく、また、到着ロビー(2階)に着いた人が、2番線(都心・横浜方面)にアクセスしやすい動線になっています。

2番線に向かう通路には、「ようこそ日本へ」のような案内も。
台湾の台鐵とは、友好協定を結んでいます。

台湾の台鐵との協定のことは、実はたまたま昨年台湾に行ったときに知りました。台北の松山空港に近い、「松山駅」に、同じような展示がありました。

■東京モノレールの高架駅

一方、東京モノレールの駅は・・、

3階、出発ロビーに直結の改札口。
まどごしに、カーブして入線するモノレールが見学できます。

東京モノレールは、羽田空港の沖合展開の際に高架構造でこの周辺の区間は走っていました。ターミナルビルができる際に、まっすぐ走る線路を迂回させてこの駅を経由するルートに変更されました。そのため、S字カーブを描いてこの駅に到着するモノレールを見ることができます。

ちなみに、2階の到着ロビーからは、浜松町方面に行くホームにのみアクセスできる構造になっています。京急・モノレールとも、結構機能的な駅のつくりになっていると思います。

■展望デッキから空港施設を眺める

5階にある、展望デッキ。見送りに来ている人たちももちろんいるでしょうが、意外と多いのが、家族連れやグループで遊びに来ていそうな人たち。みんな思い思いに飛行機などを眺めて楽しんでいます。

とても楽しそうな雰囲気の展望デッキ。
中国南方航空の広州行きが出発するようです。
飛行機を押してバックさせる、トーイングトラクターが準備中。

第3ターミナルは、第1・2ターミナルよりも都心にほんの少し近いのが特徴なのと、何といっても、海外のエアラインの飛行機が見られることが魅力です。

そんな場所ですが、ちょっと土木屋っぽい見方をしたら、本当に眺めていても飽きない場所でもあります。少しだけポイントを解説したいと思います。

ちなみに、空港の駐機場(エプロンと呼ばれます)の舗装は、耐久性にすぐれている、コンクリート舗装が多用されます。駐機場から滑走路に向かう誘導路や、滑走路の舗装は、補修が容易なアスファルト舗装が多用されます。舗装に着目して展望台から眺めるのも、なかなか楽しめるかも知れません。

こちらは、出発を待つJAL便。

空港には、GSE(Ground Support Equipment)と呼ばれる、色々な車両が行き来しています。この写真を見ても、給油をするための車両や、コンテナリフトローダーとよばれる、荷物を飛行機に積み込むための車両などが見えます。実は、エプロンの舗装の下には、「ハイドラントシステム」と呼ばれる、給油のためのパイプラインが地下を走っています。写真に見える車両は、こちらのリンクの説明にある、「サービサー」と呼ばれる給油のための車両です。地下のパイプライン経由で給油されるため、羽田空港のターミナル内では、あまりタンクローリー車を見かけないと思います。

もう一つのパイプラインである、「AGP」とよばれるパイプラインが、活躍しています。こちらは、エンジンを停止した旅客機が、電源供給や空調などの動力を得るためのパイプライン。空港で旅客機が駐機するのには欠かせないシステムです。

このように、航空機を眺めるのも良いですが、その周囲にある裏方のシステムを眺めるのも、なかなか面白いと思います。

■第3ターミナルにある、「日本橋」

第3ターミナルに、「日本橋」があります。ターミナルビルを観光スポットとして楽しむのも、なかなか良いと思いますので、紹介します。

展望デッキのすぐ脇には、就航している航空会社を紹介するコーナーが。
このコーナーも、何だかハマると離れられない場所(笑)。
本当に色とりどりの各国の航空会社が乗り入れていますね。
時期によって、色んな装飾がされる、4階の通路部分。
6月には、アジサイの花が咲いていましたが・・、
11月は、紅葉でした(笑)。
そして、5階にあるのが、「はねだ日本橋」。
この橋、江戸時代に架かっていた日本橋のミニチュアだそうです。
現物の日本橋は、近代的な橋になったので、
江戸時代の橋は、実はここしか見られないかも。

はねだ日本橋は、恐らく海外から羽田を訪れる観光客のために作られた施設でしょうが、意外と土木的にもとても貴重で興味深い施設だと言えるでしょう。是非第3ターミナルを訪れた際は見ておきたい場所です。

■終わりに

羽田空港第3ターミナルは、勿論海外旅行に行くときに訪れる場所であるのですが、普通にふらっと街歩き感覚で訪れてもとても楽しい場所です。展望デッキや商業施設も充実しているので、一日中楽しむこともできると思います。土木的にもとても楽しい場所なので、是非訪れてみてはと思います。

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