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消防車と飛行機の共通点/消防士、飛行機パイロットになる



消防車と飛行機は似ている?


消防士もパイロットも、乗り物を使用して仕事しますが、

訓練を始めたことで意外な共通点があることに気がつきました。


ベルヌーイの定理


みなさん、この定理は聞いたことありますか?

もうざっくりと言うと、気圧が低いところに色々なものが持ってかれることです。笑

この定理、消防車を運転する機関員も

飛行機パイロットも一番の基礎で習うものなんです。

なぜ消防車も飛行機もこの定理を学ぶのでしょうか?


ベルヌーイの定理:放水


火災現場に着いて、消防車内のポンプに水を吸い上げて、
圧力を調整しながら放水します。

この放水する時に連結したホースの本数、環境や高さによって、
十分に放水できる水量と圧力が出るように機関員は計算しながら圧力調整します。この時にベルヌーイの定理を理解しておかないと、逆に筒先員(ノズル持ってる消防士)が口径を小さくしたことで流速が上がり、それにより圧力が下がったことが理解できず、急激に圧力操作などすることで事故の原因にもなります。

また、放水するホースの途中からポリタンクに入った消火薬剤を吸液・混入させて放水することがあります。
この時もベルヌーイの定理が使われ、流速が速い=気圧が下がる→ポリタンクに水が逆流することなく、ホース内に消化薬剤を吸液させることができます。

消火隊にとってはかなり身近な定理となります。


ベルヌーイの定理:揚力


次に、なぜパイロットとして身近な定理なのかを説明します。

飛行機の翼の断面を見ると
翼の上面と下面では、形が違います。

翼の上面の方がこんもりと丸くなっています。


これは、翼下面を通る空気の流れより
翼上面を通る空気の流れを速くすることにより

下面より上面の方が気圧が低くなり、
気圧が低い方に機体が持っていかれる=浮く
となります。
これが、揚力となります。

ですので、離陸のためにスピードを上げるのは、
流速によって起こる負圧を利用して飛んでいるから
なんです。


プロペラと翼は同じ!?


この作用は、プロペラ機にも利用されています。

プロペラの断面も翼の断面と同じく、

機体から見て前側は翼上面、後ろ側は翼下面と同じ形状になっています。

つまり、
プロペラを早く回すことにより、プロペラの全面の気圧が低くなり、
前方に持っていかれる
のです。

これが、前に進む力の推力になります。


なので、扇風機みたいに風を後ろに強く押し出して推力を得ているとは言えないのです。

とは言っても、すごく強い風の流れですし、
この影響で自然と左に向いてしまうプロペラ後流などの障害を起こす原因にもなります。

単発プロペラ機を操縦している時(離陸時)に顕著になります。
なので、離陸のためにスラストレバーを前方に押してパワー全開にしつつ右ラダーを踏み込むのですが、、、

このことはまたの機会に。笑


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