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一つの判断、一つの行動/消防士、飛行機パイロットになる

みなさん、こんにちは。今日もお疲れさまです。

みなさんが学校や仕事で大切にしているものってありますか?
学生時代から目標を持って授業に挑むってなかなか難しかったりしますけどね。笑




消防学校入校時代


消防士を拝命されると消防学校に半年間入校し、消防の基礎を叩き込まれます。

整列や部隊行進などの礼式から、消防に関する基礎知識の学習
ホース延長、梯子操法などの訓練
効果測定や体力テストなど
その年に採用された県内の消防士が集まって、
6人1部屋で寮生活を行います。

1日数百回の腕立てをやったり、激しい訓練後に5km走ったり、
部屋対抗のソフトボール大会などもあったり
自己研鑽としてすごく充実した毎日を過ごしていました。


一つの判断、行動が、人の命を左右する


その訓練を通じて、いつも感じていたのが、
「一つの判断、一つの行動が、人の命を左右する」
ということです。

これは、傷病者や要救助者に限ったことではなくて、
一緒に活動する隊員や自分の命にも直結します。

普通では逃げるような状況の中で、
小さな判断や行動が、生きるか死ぬかの問題になることに
重大な責任感を感じていました。

たとえば、
住宅の火災現場で、逃げ遅れた人を救出すべく屋内検索している状況で
「助けて」という声が聞こえて、逃げ遅れた住民を発見した直後、
隊員や自分の命に危険が迫り緊急脱出の命令が出された時、
逃げ遅れた人が手に届く距離にいたらどうしますか?
あなたはその逃げ遅れた人を残して退出できますか?

この判断はものすごく悩まされる部分であったりします。
しかし、命の危機が迫っている時に
その状況に対する優先順位とリスク管理を適切にマネジメントできるか
また、その逃げ遅れ者や後続隊のためにすべきことは何か

ここに、一つの判断と行動が要救助者だけでなく、
隊員や自分の命までも左右することになる大きな理由です。


ただ、このプレッシャーをやりがいに変える考えを持っていました。

1つの知識や技術を会得するたびに、1人の命を救うことができる


そのプログラムごとにある効果測定(テスト)に向けて、
膨大な知識を詰め込んでいました。
授業が終わった部屋で、暗記するように覚えていく日々、、、

そこでは、効果測定を乗り越えるだけの勉強をしていた感じです。
つまり、実践には活用されていない知識ばかりがついていました。


ある効果測定のために部屋で出題範囲の内容を一字一句覚えるかのように
唱えながら暗記していた時、
「これって何のために勉強してるんだっけ?」という疑問を持ちました。

市民の生命、身体、財産を守るために勉強しているのに
結局は効果測定をパスしたい自分のために勉強しているんじゃないかと

自分のためばかりでなく
これからそのような状況に立った時に、
その人のために判断、行動できるように学んでいるんだ。

そう感じるようになってから、
学ぶ意義を見つけてより深く学べるようになりました。


本当の意味での「自分事を他人事のようにできること」


他人事を自分事のようにできることって、
仕事のみならず人間としても大切なスキルです。

過去の事例から
自分だったらどのように判断し行動するか
まるで自分が経験したかのように学び共有することは大切なスキルです。

そのスキルを実践的にするには、
いかに他人を巻き込んで考え、行動できるか
だと思います。

効果測定のための目的で勉強していたなら、
その効果測定が終わった時点で忘れてしまいます。

でも、
これから災害現場で遭遇する要救助者のため、傷病者のため、仲間のため、自分のために
その一つ一つの状況や1人1人の命を救うために学んでいます。

良い意味で
自分事を他人事のようにできること

これは消防士にもパイロットにも通じる考え方だと感じています。

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