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編集部から嫌われてしまった事件

まず始めに、私は冷静且つ客観的に見てあまりにも未熟で作品もあまりうみだせていない底辺BL漫画家です。(自己紹介記事参照)

そんな私が、一つの連載を終えて有り難くも別出版社からお声掛け頂き、そちらで3話程描かせて頂くことになったときの話しです。コロナ禍ということもあり、結局最初から最後まで担当さんとはメールオンリーのやりとりでした。




無名の漫画家が扉絵デザイン何度もリテイク出してしまった事件

最近の商業BLは扉絵デザインがとにかくお洒落なのが多い!
私の絵は古くてバタ臭いごってごてな絵柄なので、逆に仕上げのデザインで手書きタイトルとかお洒落になんとか今どきの扉絵にして欲しいなという淡い希望がありました。
担当さんにイラストデータを送りデザイナーさんの手によって私の描いたイラストを拡大なり縮小なりしたりタイトルロゴに合わせて斜めにしたり、タイトルと背景を入れて頂く手筈。
こんなのがいいなぁ、なんておこがましくも大体の仕上がりを想像しながらワクワク待っておりました。

――――がしかし、
返ってきたデザインが思ってたんと違う…大幅に違う…
ひと昔前の私が自分で作りそうなデザインがきてしまった…
さてどうしよう?!!
野暮ったい絵だから野暮ったいデザインに合わせてくれたのか!?ある意味野暮ったさが極まっていて良かったのかもしれない。

今見返すと、そこまで悪いデザインでもないしそもそもタイトルさえ見やすければ何でもOKにするべきでした。
まず自分の描いた漫画を世に出して頂けるだけでも有難いことなのに、デザインのダメ出しなど底辺漫画家がやってはならないことだったのかもしれません。
でもやってしまったんです…当時の私は夢を見過ぎてしまったせいで余程ショックが大きかったのです。
ダメ出しをした時点で編集部内でブラックリスト入りになったかもしれないと思うと後悔と反省で埋まりたくなります…。


まず私の思い描いていた図は、クリスマスがテーマの漫画だったのでタイトル文字がクリスマス仕様で、イラストの影に薄紫が入っているので夜やホワイトクリスマスをイメージした白字でナナメにサンタクロースとトナカイのシルエットと共にタイトルが走ってるような動きのあるようなデザイン。
そんな贅沢な妄想ばかりしていたせいもあって、この事件は起きてしまったのです。
届いたデザインは背景まさかの写真素材で、タイトル文字は普通の明朝チックなフォントにやたらボワボワ多めの茶色のぼかしで縁取られた白文字、配置は左右観音開きに置かれていました。

一部を公開

ギラッギラ!当時の私は全く納得のいかないデザインにショックを受けすぎて散々悩んだ挙句、他の全く違うテイストのデザイン案も見てみたいです、と担当さんに思いきってメールレスをしてしまいました。
ついでにタイトル文字周りの茶色いぼかしがとんでもなく野暮ったいのでぼかし入れたとしてももう少し控えめに、ということも添えて。勿論野暮ったいなど伝えてません。伝えられるわけがない。
とにかく全然違う別のデザイン希望というのを強調して失礼のないように丁寧にレスしました。最初頂いたデザインも褒めちぎった上で。

そして返ってきたデザインが、タイトルのボワボワ多い茶色いぼかしが気持ちほんの〜〜〜り減っただけのものがきました。ぱっと見わからないレベルの減らしで他は何も変化なし。他デザイン案を見たいという私の意見は完全スルー。

ほんのりぼかしが薄まりました(違いわかるかな?笑)

正直、背景もタイトル文字等も一から全部自分でやった方がまだいいと思ってしまい、私は大事な作品の表紙ということで諦めきれず、再度他の案はないかとメールを出しました。
また同じものが届いたら胃が痛くなりそうだったので、例えばこういった感じにイラストも拡大したりして…と5分ぐらいで即席で作ったデザイン例の画像を添付しました。

どんな画像を送ったかというと、自分の描いたリース絵とキャラクター2人の大きさを変えてキャラクターをもっと拡大にしてリースにかかるようにし、背景はグレー一色、白文字にぼかしの縁取りではなく控えめなピンクの細い縁取りで手書き文字風で斜めにタイトル置いた画像。

そして返ってきたデザインが、私が5分で作ったデザインと全く同じ感じに背景グレー一色、タイトルの色が送ったのと違う…これだったらまだ赤の方が良かったと思わせるピンクのぼかし縁取りで(どうしてもぼかしまくりたいらしい)手書き文字風ではない文字一つ一つアンバランスで際どい奇妙なフォント…?

作者名は変わらず右上にドデンッ

ホラーですか?!『えるもの』の無理矢理押し込んだ感!
なんじゃこれは!と更に悪化した状態になっていて気づいたのです。
デザイナーさんの方でなんの工夫も見受けられない…言われるがまま適当にやった感……これはデザイナーさん、もう最初のダメ出しくらった時点で完全にやる気ゼロになったんだな、と。考えることをやめていらっしゃる…。

けれどそれに気づいた頃には、時すでに遅し

申し訳ない気持ちでいっぱいの状態で担当さんからのメールで、
これ以上のデザイン案要求は予算オーバーしてしまうのでこれでラスト!
と釘を刺されてしまいました。
焦った私はぶっちゃけ大したデザイン案もくれずにどういうことなんだって思いを飲み込んで、褒めに褒めまくってお世辞並べてその嫌々やった感凄いデザインのまま決定させてもらいました。

これはデザイナーさんに相当不快な思いをさせてしまったと思います。
本当に猛省しております…。
デザインしてくれただけでも有難い!感謝しなくてはと私は気持ちを切り替えて本文を仕上げていきました。

ツイッター(X)での無視事件

無名の新人が扉絵デザインのリテイクを数回に渡って出したことが原因なのかなんなのか、こちらがXで漫画配信の宣伝をしても一度も編集部のアカウントでRPして貰えませんでした。
因みに他の作家さんの宣伝やイラストは隈なくたくさんRPされていた状況で、ピンポイントで私だけ……

編集部アカウントからの公式宣伝も、私の漫画の宣伝だけ紹介文章にハートがなく、他の方々はハートがあり(笑)我ながら細かいところ見つけてしまったことの己への嫌悪感と、たかがハート有無で動揺しまくってる自分の器の小ささに嘆きました。

とにかく当時は凹みました…凹んだと同時に再び猛省しました。
ただハートの有無はともかく宣伝RPに関しては、ピンポイントで一人の作家の宣伝ポストだけをRPしないのは編集部アカウントとしてどうなんだろうか?それは今でもどうかと思います。宣伝してなんぼでは…?
始終ショック80、苛立ち20で常にモヤっとしながらそこでの連載を終わらせ、最後までXで自分だけ無視されてるなんてこと担当さんに言えるはずもなく…(おそらく担当さんとX担当さんは別人)
連載が終わると同時にほぼほぼ編集部との関係は切れたと思います。
次のお仕事の話も勿論出ません。

この二つの事件を経たあと、読者からの頂き物を編集部から転送して頂いたのですが、開けたら全く違う作者宛てのお手紙とプレゼントでした。
これは単なる編集部のミスなのに二事件のモヤモヤで完全に心が狭く澱んでいた私は、郵便局で編集部に荷物を送り返す際に郵便局側から中身は何ですか?ときかれて、手紙の宛名しか確認してないので見てない!知らん!としか言いようがなく、なんとなくそれが決め手でもうここでは描きたくないと思ってしまいました。

ただ、勘違いをしてます私は。
そんなこと言える立場ではない!!

そもそもはっきり言って編集部の方が私のような作家は願い下げという形で、底辺BL漫画家の私がここでは描きたくないなどと勘違いも甚だしくて我ながら恥ずかしいです。

もし今その編集部から依頼があったらどうするのか?

もちろん!受けます!!
そして同じ過ちは二度としない。
とにかく扉絵デザインは一発 OK!!


余談ですが、今現在連載中の扉絵デザインは、最初担当さんが
「手書き風文字でオシャレなタイトルにしましょう!」といくつかかなりオシャレな商業BL表紙サンプルまで添付して提案して下さったので、これはついに私もいまどきの手書きタイトルオシャレ扉絵デビュー出来ちゃう!?と期待しておりました。
そうして届いたのがこちら

て……手書き文字…????
?????文字と文字の繋ぎ目も微妙に見えるし妙なグラデーションが…
片やハートの上にタイトルきてて片やハートの下にタイトルがきてて…?ん…?

いや、同じ轍は踏まない!

勿論一発即OK!可愛いく仕上げて下さって有難うございます!!ということでね…

今回で本当の本当に学びました…………
扉絵デザインは絶対期待するな!!

以上!

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