見出し画像

自分の作品に自信が持てないことは悪?

こんにちは、私はしがない底辺BL漫画家です。
まず最初の挨拶の一文からしてどうなんだ、と思うことでしょう。
たとえ本当のことでも、そうわざわざ卑下して書く必要なくない?「そんなことないよ!」って言われ待ちなの?と思われがち。

いいですか…どう思われようが知ったこっちゃない、そんなことないよとフォローされたところで納得しません。自分が一番よく知ってるんです。
そう書かざるを得ない状況にまで陥った敗北者だと。
そしてそうやって己を卑下していくことによってある程度心の安寧を保っているのです。
もっと自分を大事に扱おう?自分を褒めよう??違うんです、誰よりも自分のことしか考えてないし、誰よりも自分はもっといけるんだ!と思っているからこそなのです。
理解出来ない方はそういう人種と思って頂ければ幸いです。
勿論自分が売れっ子BL漫画家だったらこんな出だしの一文書いてません。


最近は、自分の作品大好き!だって当たり前だよね自分の作品は自分の癖を詰め込んでいるんだもの最高!と自信たっぷりのポジティブな発言が多く見られ、ネガティブな発言は好まれない傾向にありますね。
私は全ての発言がネガティブなワケではないけれど、自分の作品大好き!最高!と言えたことが一度もありません。
何故か?
実際そう思えたことが一度もないからです。
私はこれを悪いことだとは思いません。
何故なら、ちゃんと目は肥えていて現状に満足していない分、伸びしろがあると思っているからです。今はこれで完成だけれど、近い将来これよりもっと良いものを生み出してやる!という野望を胸に抱きながら完成作品を見つめています。
大好き!最高!というわけではありませんが、お気に入りの作品ならあるので息苦しさはないんです。

自分の作品が一番!最高!と思えるのは大変美徳ではありますが、ときどき見ていて痛々しく思えてしまうことが最近多くなったなと感じてます。
私の知り合いに、自分の生み出す作品が世の中で一番だ!と毎回キラキラ輝いているナルシストな絵描きがいます。毎度その姿勢が輝いていて羨ましくもあり妬んだりもしますが、彼女のようになりたいとは一度も思ったことがありません。
何故なら、彼女は現状に満足しているせいでここ何年も作品のクオリティが上がっていないからです。
勿論、自分の作品が最高!と言っていても己を奮い立たせるための発言だったりマインドコントロールの一環だったりと戦略的言動で生み出し続けていき作品のクオリティがどんどん上がっていく人もたくさんいるのでこれは一部の極端な例として挙げさせて頂いてますのであしからず。
そんなナルシストな彼女は、自己満足の範囲で好きな絵を描いているだけだと主張してますが、本当にそれだけだったら私も彼女の作品のクオリティが上がってるかどうかなんてまず見ません。
でも彼女は自信があるだけに、自分についた数字の評価と周りの絵描きについた評価を比べて自分の方が低いと理解出来ないと嘆いているのです。
それは人間ですから…自己満足で描いてるだけとは言っても時間かけてつくりあげた作品がどう評価されるか誰だって気になります。ましてや絵なんて見られてなんぼの世界。
他人の評価が気になることはいいことですが、それで結果に嘆くからにはまず色んな作品に触れ自分の目を肥やしていってから、自分の作品をもう一度冷静に見つめなおして欲しいなと思います。


それでもやっぱり自信持てるに越したことはありません。

私は自分の写植入り完成データのチェック作業が一番苦手です。
何故なら興奮して描いていたときの自分と違ってチェック作業に当たる自分は一回り成長してる上に冷静な目で見るので、見返すことが出来ない程頭を抱えること9割…。
1ページ…2ページ………トイレ、2ページ……3ぺ…トイレ……現実逃避
というようなことを何度も繰り返し、やっとのことで終えます。

このことを話したら、とある漫画家さんから長い長い説教をくらいました。
そんなものを世に出すなんて読者に失礼だ!漫画家としての自覚がない!
と…
ど正論パンチ!!オーバーキル!
本当にその通りです。ぐうの音も出ない。
その通り!と思うものの、だからといってスムーズに完成データチェック作業が出来たことはやっぱり一度もないのです。
そもそも読者に失礼だというような作品作りをしてきているワケではないんです。作品への愛がないワケでも、いい加減に仕上げたワケでもないんです。
今の自分ならもっとより良い形で出せるとは思っていてもきっと今同じ漫画を描いても同じものが出来上がるので、自分はまだまだだなと…より自分の未熟さを感じて受け止めなければならない作業…これは自分以外の人には見えない自分との戦いなのです。

言い訳のようになってしまいましたが、これはもうそういう性格というか性質だからとしか言い様がありません。
今の自分のスタイルとは向き合っていく気満々ですが、私も自信を持てるような人生でありたかったです。
自信を持って作品を世に出せたらなんて素敵なことでしょう。
一度しかない人生、いい思いが出来れば出来る程勝ち組です。
自分が自分の思う理想の形に辿りつくこと、限りなく近づけることはある意味究極の幸福だと私は思います。


まとめ

自分の作品に自信持てないのは良くないことだ思い込む必要はありません。
自信持てないのなら、じゃあ次はどうだ?今よりマシに出来るか?と自分に問いながら少しずつでも自分を磨き上げていくことで自分を納得させましょう!

要するに、
私のような人間は、とにかく描くしかないんです。
あーだこーだ言う必要のないくらい満足に近いものを生み出すことに専念して、達成してから他人の評価と自己評価の差異を見極めて改めて底辺かどうかまた報告に上がりたいと思います。
果たしてそんな日がくるのか…!
引き続き、損な性格と付き合いながら精進します。


いいなと思ったら応援しよう!