インタビュー:三井哲次さん (京都ワイズメンズクラブ)

※2023年2月発行「Charming Times No.23」の「Network」より抜粋


インタビュー:三井哲次さん (京都ワイズメンズクラブ)

CHARMと関わりのある個人/団体・組織について紹介する当コーナー。今回は多文化キャンプで大変お世話になっている京都ワイズメンズクラブの「PONさん」こと三井哲次さんにお話をうかがいました。

●京都ワイズメンズクラブについて教えてください。

ワイズメンズクラブは元々YMCAを支援するためのクラブです。YMCAを通して地域を支援します。互いに切磋琢磨する中で勉強しています。例会は月1〜2回コミュニケーションをとりながら色々な事業をします。

●CHARMの多文化キャンプでのご支援について教えてください。

(質問) CHARMの多文化キャンプの会場となっている京都YMCAリトリートセンターとのつながりはいつからですか?

あそこは茶畑だったところをYMCAの会員が自分たちで耕し、整備して作ったという歴史があります。会員が使っていましたが、予備校経営が盛んになった頃からリトリートセンターは必要とされなくなり、寂れていきました。
30年前、ワイズメンズクラブの会長の時リトリートセンターの管理人さんからお話を伺い、非常に熱意を感じました。
それでYMCAとしては休眠状態だったセンターをワイズメンズクラブ独自で再興し始めました。そのうちにみんながリトリートセンターの存在に改めて気づき始めました。

(質問) 多文化キャンプを2007年から2019年までの12回利用させていただきましたが、協力を始めたきっかけはなんですか?

2007年頃に世界YMCA/YWCAが国際規模の課題としてHIV/AIDSに取り組むこととなり、その講演会に榎本てる子さんを呼んでともに学びました。その後の講座では青木さんと白野さんがいらっしゃいましたね。
その時に「私たちに何ができますか?」の問いに対して、榎本さんが「キャンプをしたい」と答えがありました。すぐその場でワイズメンズの方々が話をされて、琵琶湖畔かリトリートセンターかという話になり、その日のうちにリトリートセンターでのキャンプが決まり、最終的にYMCAも巻き込んでYMCAの考え方で協力が始まりました。

(質問) 多文化キャンプに際し、具体的には何をしてくださいましたか?

宿泊されるにあたって、参加者の皆で集まってゆっくり話をする機会をなるべくたくさん取ってほしいと思いました。それを目的に食事を提供し、参加者には夕食ぐらいは何も準備せずに食事だけし、片付けも何もせずにすぐにプログラムに戻れるようにサポートしました。
私たちは美味しいものを作るのが好きだし、ただそれをしただけです。(多文化キャンプの)他にも留学生プログラムもありましたので慣れています。ただ自分たちも楽しめるのが大事です。

(質問) どんな食事を提供されましたか?

メンバーがコストコでお肉の塊を買ってきて、それで分厚いステーキを焼いたり、鮭のチャンチャン焼きが得意な方もいました。
参加者の皆さんが「美味しい」と言ってくれることが楽しいです。人間は達成感が一番楽しみを感じると思います。楽しいのではなく、何かをやり遂げることを楽しむんです。

楽しい時間を提供することで、自分たちも楽しむ。

(質問) サポートする中で大切にされていることとはなんですか?

チームで問題になるのは「交流したがる」というのが多いことです。何のためにやっているのかが大事です。この場合、余計なことをしないで、交流は必要ありません。
京都ワイズメンズクラブのメンバーの構成はばらばらですが、どちらかというと自営業が多く、多文化キャンプの食事提供にはいつも10人ぐらいのメンバーが参加しています。
ちゃんとサポートの目的を理解している人が3人いれば、後の人たちを引っ張ることができます。残りは気づかないで、ハマっていけます(笑)。

(質問) 多文化キャンプの印象・感想を教えてください。

特に何かということはないですが、食事の時、皆さんが明るかったです。楽しそうにお話をされていましたね。
僕はあまり交流しないで、ひたすら料理をしていました。

●ご自身が京都ワイズメンズクラブに関わったきっかけを教えてください。

26歳の時、YMCAに社交ダンスを習いに行ったのが始めでした。30歳過ぎに自分の結婚式の司会を先輩にお願いしたところ、ワイズメンズクラブに入会したら司会をしてあげると言われまして(笑)。それで入会してダンス以外の活動にも関わるようになりました。

40歳代には国際ボランティアのチームを指導したこともあります。ワイズメンズクラブがYMCAの1チームとして関わるのはその当時初めてのことでした。若者が育っていって、海外の子も含め今でも連絡があります。
リーダー名は「たぬき」ですから「PON」になりました。今でも彼らにとって僕はPONなんです。現在YMCAの理事をしていますが、リーダーが気安くPONって呼ぶものだから総主事がびっくりしていました。
30年間活動していますが、長いようで短かったですね。会長は一年交代ですが、会長もしました。

●活動される中で、モチベーションになっているものや大切にされていることはなんですか?

モチベーションとかの特別なものはなく、元々クリスチャンということもありますし、そんなに真面目な理由はありません。牧師に教会には来なくていいから活動してくださいと言われたこともあります(笑)。

大切にしていることは、相手の団体を尊重することです。
例えば、ある視覚障がいの方が交差点に立っていると渡らせてくれる人がいる。親切にされたら断れない。立っているとまた誰かが渡らせてくれる。で、方向がわからなくなってしまった。食卓の塩を取ってほしい時は、見えないので塩を取ることだけ手伝ってほしい。できないことだけ助けてもらえればいい。親切の押し売りには気をつけないといけない。断れない立場の人もいますので、自己満足で終わらないように彼らが求めることで、自分たちができることをすればいい。

三井さん、インタビューのお時間、ありがとうございました。活動、特にボランティアで活動をするにあたり、基本になる大切なことをたくさん教えていただきました。今後もCHARMと繋がっていただけましたら嬉しいです。

(聞き手:青木、ポップ  記録:前田)