あるのかい?ないのかい? どっちなんだい!?
ども、こんにちは~。
今回はですね、近々日本代表との試合が予定(W杯アジア最終予選)されているサウジアラビア代表についてちょっと書いておきたいと思います。
いや~サウジアラビア代表ですが、9月から始まったW杯最終予選で初戦インドネシアに1-1のドロー、中国とのアウェー戦は1-2の勝利という成績です。
初戦は確かに「えっ?」って思いましたが、初戦が難しいのはよくある話でございます。日本も前回はそれで痛い目を見ています。サウジは元々そんなに点差をつけて勝つチームではないので、あんまり悲観的になる必要はない気がします。
ただね、あるんですよ、ルナール監督にサウジに戻ってきてくれ!という声が。マンチーニ監督も会見でちゃんと理由を説明されているので、気の毒な気がしています。どう考えても監督だけでどうこうできるような話ではありません。
そしてとうとう、Twitter(新X)上でルナール監督が帰ってくるよ~という報道が出てしまい、そのすぐ後にいやいや、それはありませんという打ち消しの報道がありました。(どないやねん)
まぁ、ルナール監督がただ今フリーなため、余計に話が大きくなってる気がしないでもない…(笑)
そんな中、サウジアラビアのニュースサイトに「直接ルナール監督に聞いてみた~」的なインタビューが掲載されました。Q&A方式で訳しやすかったため、一部ですが置いておきます。アラビア語→翻訳機英語→日本語という何とも正確性に欠ける訳ですが、いくつか興味深い返答もありました。よかったらおつまみ代わりにどうぞ。
1問めから、今一番聞きたいことを回答されています。
元記事での質問数は合計21問。私の勝手ながらいくつか飛ばしてます。選手名は元記事ではフルネームですが、ここでは略しています。カタカナの表記揺れはご容赦ください。あくまでもざっくり訳なので、軽い気分でどうぞ。
ソースはこちら↓
質問:01
W杯のアジア予選でサウジ代表チームの説得力のないプレーの後、あなたの名前が取り上げられるようになりました。サウジアラビア代表監督に戻ってくるオファーは届いていますか?
答え:01
私的なことなので、この秘密の質問には答えられません。
02
サウジ代表の試合、特にW杯予選はご覧になっていますか?
僕がサウジを離れたのは2023年の4月ですが、それからもずっと試合をチェックしています。サウジのリーグもね。
03
良い結果にもかかわらず、なぜサウジ代表を去ったのですか?
とても難しい決断でした。でもオリンピック開催を控えた母国フランスを率いるチャンスでした。こんな経験は(一度逃したら)もう二度と訪れないでしょう。それと同時に、サウジアラビアを去りたくはありませんでした。しかし両方のチームの監督はできません。だからこのような決断に至ったのです。
05
サウジ代表で直面した最大の課題は何ですか?
最大の課題は、自分たちの国旗に誇りを持つことの重要性と、国のためにプレーできるのを名誉に思うこと。それと同時に、どの試合にも全力を尽くしなさいと、選手たちに徹底することでした。
06
サウジ代表を率いるにあたって、難しい問題はどのようなものでしたか?
サウジ代表で難しい問題に直面することはありませんでした。会長も連盟のスタッフたちも、僕の仕事がいつもスムーズにいくように動いてくれました。
09
在任期間中に、パフォーマンスに驚かされた選手はいますか?
アルドーサリーとアルファラジはとても印象深かかったし、アブドゥルハミドも素晴らしくて、良い成長をしていると思う。ゴールキーパーのアルオワイスはいつも僕に良くしてくれたし、アルシャハラニの持つチームスピリットも、アルブライヒとアルアムリのファイティングスピリットも、トムバクティの才能も好きだった。そしてアルガンナムもとても良いプレーをする。アルマリキはチームの原動力(エンジン)だ。カンノは特別な才能を持っているが、常に後押しが必要だ。アルムワラドも、アルブライカンもアルシェフリもチームに忠実で、非常に重要なゴールを決めた。このチームは素晴らしく、楽しい時間を過ごしました。
10
アブドゥルハミドのことを誉めておられましたが、彼のローマへの移籍はどのように思いますか?
アブドゥルハミドはヨーロッパの強いチームでプレーするに値する。彼はきっと皆を驚かせるだろう。そしていつかチャンピオンズリーグでプレーできると確信しています。
11
サウジ代表の未来についてどのように思われますか?
リーグは強くなってきているし、サウジの選手には才能がある。未来は明るいと思う。
12
あなたのコーチング哲学はサウジの選手たちにどのような影響を与えましたか?
どこで働いていても、僕は選手たちに常にチームのために全力を尽くすよう求めています。代表チームの選手たちはチームスピリットが最も重要です。
13
あなたがサッカー選手に求める要素とは何ですか?
僕が求めるのは技術とスピード、それに良いチームスピリットを持っていることです。
15
将来、具体的にどのようなチームの監督に就きたいですか?
監督として常に勝つことが望みです。なので、それが叶えられるチームです。
17
これまでチームを率いて得てきた、一番大切な教訓は何ですか?
いつも自分の国に誇りを持つこと。
18
若手選手の育成にはどのように取り組まれていましたか?
いつも将来のことを考え、必要になときに備えて準備してきました。ガリーブ、アルハムダン、ナセル・アルドーサリー、アルハルビ、ラディーフ。彼らは辛抱が必要だ。
20
男子選手と女子選手ではコーチングに違いはありますか?
管理の面だけでも大きな違いがある。
21
トレーニングの外ではどのように過ごされていますか?
家族と一緒に試合を観たり、スポーツをしているよ。
たぶん、対面でのインタビューではなくて、メールか何か文字上でのやりとりっぽく感じます。初っ端の質問が直球ど真ん中ですね(笑)
もし「ええ、オファーは届いていますよ」と答えると、方々で大変なことになる。「そんなオファーは届いていません」と答えると、それはそれでややこしいことになる。結局は「答えられない」という回答が最適だということでしょう。
質問の内容はサウジアラビアでのご自身の経験が主ですね。今のマンチーニ監督について、あれやこれやと外から口を挟むのはルナール監督らしくないし、以前にご自身でもそういう監督は嫌いと仰ってます。マンチーニ監督の邪魔だけはしたくないという意図を薄っすら感じました。
回答の中に「全力を尽くせ」とよく出てきますが、私もその点をサウジのチームから感じていました。ずっと試合を追っていましたが、多少の波はあっても、チームとしてあらかさまに手を抜いた試合はなかったように思います。サウジはとても誠実でした。
これは余談になりますが、某国で監督されていた時、明らかに手を抜いた試合がありました。結果はもちろん勝ったのですが、ルナール監督は笑顔になるどころか完全に怒り狂っていました。その頃はまだ私もサッカーについて知識が浅くて「勝ったのに、なんで監督はこんなに怒ってるんだ?」と思いました。でも今はその気持ちがよく分かります。対戦相手への敬意を欠いてはいけないのです。
上の訳したもの以外にも、「サウジ在任中に転換点となった瞬間はありましたか?」という質問がありました。ルナール監督は2019年11月の対ウズベキスタン戦を挙げておられました。アウェーの寒空の中、2-1でウズベキスタンリードまま時間が進み、このまま終わりかと思われた85分でアルファラジキャプテンが同点弾を決めて2-2になり、さらに90分のギリギリでアルドーサリーたんが勝ち越し弾を決めて2-3となり、サウジの勝利で終えた熱い試合です。この時私もリアルタイムで見ていて、彼らが好きになる切っ掛けとなった試合です。今でもはっきりと思い出せます。
ハイライト置いときますね(時間に注目)↓
ルナール監督はこの試合を「成功の鍵」と語っておられます。何か手応えを感じられたのかもしれません。
いや~、まさか私とチョイスがかぶるとはこの上ない幸せです。生きていたらたまにはいいこともあるもんですね。
これからまだまだ続くW杯アジア最終予選ですが、サウジならきっと日本とともに通過してくれると信じています。その時ベンチにどの監督がいるのか、それは別の話です。またW杯で世界を驚かせて欲しい。純粋に応援しています。
さて、ルナール監督が再びサウジアラビア代表の座に就くのか今のところは分かりません。実際にオファーはあったのかどうか、それすらも分からない。
キャリアを振り返ると、ザンビア以外で2度目の就任というのはありません。そのうち別の国からオファーがあるかもしれないし、予想が全くつかないのもルナール監督らしいところです。とりあえず状況を見守りましょう。
ルナール監督へのこういう「ウチに来て!」というラブコールについて私がいつも思うのは、お声がかかるだけでもありがたいということです。忘れないでいてくれてるということですからね。人気商売とまでは言いませんが、あちこちから声がかかるうちが華ですよ。
代表の監督は自国で何とかするのがベスト(ルナール監督も実はその考え)という声が増えてる中、まだまだ必要としている国があるのも事実。
私はルナール監督の次の就職先を楽しみにしています。
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