ヴィンテージ復刻の乗せ智について

50年代のアメリカンヴィンテージに見られる合い口がずれている仕様がここ数年で復刻にも取り入れられるようになり
マニアックなギミックですが、オリジナルが好きな方は合い口のカッティングの角度などにもこだわるはずです。

特に合い口はずれていないJD-04ですが、OTEマークが使えた初期復刻のフロントの合い口のほうがよりカッティングの角度が
深かった感じがします。今思えばやはりフロントにサイズ刻印は欲しかった感じです。

乗せ智ですが、最近ポツポツでるようになったヴィンテージ復刻物の合い口ですがあえて段差を設けて乗せている感じを受けます。


ヴィンテージはフロント側のカッティング角度は大胆にバスンと切られてから角を落としたくらいのナチュラルな感じを受けます。

いくつかある復刻モノのずれ方は意図的にずらして乗せた感じで綺麗な感じがあります。

ヴィンテージはなにかこう「そんなとこどうでもいい」感じに個体差でずれてるイメージがあります。

ヴィンテージは「ずれてる」

復刻ものはずれているより「乗ってる」感じがします。
意図してずらした感じがこのへんから漂うものです。

ヴィンテージの合い口はフロント側のカッティングが復刻系よりわずかに深い感じというか
そういう意味では、かつてのごく少量出回ったスーパーレプリカの接合部の雰囲気はテンプル側も丸みを帯びており、再現度が高かった気がします。

当時のホーンリムの外側にヒューっと逃げていく感じは山ほど出回っている50年代系モチーフの現代のフレームでほとんどが再現できていない部分な感じがします。印象を大きく左右する部分があの智の部分だと思います。

接合部のずれは、おおらかな米国人気質も感じられ、なにか素朴で温かく
ずれてるのにそれが絵になってしまうのは大きな魅力の一つと思います。

現代では人によっては、なんかずれてる、不良品だ!と判断すると思います。

実は自分も生まれて初めてヴィンテージのアーネルを手に取りいろいろ観察してみたとき
ふとある日に

「なんかずれてるな」不良品なのではないかと疑ったものです。
今より全然インターネット上にもヴィンテージに関する情報が少なかった気もしますし
なにより日本製の綺麗な合い口が当たり前として見慣れていたので

「なんかずれてる」と気づいた時の思い出は今でもはっきり記憶しています。

当時のものがずれているのが普通らしいとようやくわかったのは、そのあと数本のヴィンテージアーネルや
アメリカンオプティカルなどのヴィンテージを購入してからでしたが

以外に皆語らないのがテンプルの折り畳みが、日本の眼鏡と逆で普通左から折りたたむのがおさまりが良いですが
アーネルなどは右からたたむほうがおさまりがよく

なにからなにまで現代のアイウエアと違う感じがどんどんわかってきたものでした。

アメリカが大量生産大量消費の時代に入るまで、アメリカンシェイプのデザインは輸出することなど考えていない気もします。
東洋人の顔に乗ることなど当時はまず考えていないこと考えると
50年代のあれらのフレームデザインを米国人よりかっこよく顔に乗せることは相当なことなのではないかと今改めて思うものです。



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