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死に急ぐ君へ
まだ若い人達が死に走る。
どうして? まだまだ先は長いよ。
でも生きるのが苦しいんだね。
だけど死ぬのは違う。
どんなに頑張っていようと、死にたくないともがこうと『死』は必ずやって来るんだ。
今、私がそうだ。
生きたいと願い、少しでも長く生きる為に、敢えて抗がん剤治療をする事にしたが故、
毎回吐き気や関節痛、頭痛に苛まれている身からしたら、貪欲に生きて欲しいと願う。
こんな私だってときどき、こんな思いをしてまでってフッと考えてしまうんだ。けれど自分をまた叱咤して、明日を探しているんだ。
そんな時耳にする若者の『死』
お願いだ死に急がないで、誰かを巻き込まないで、死神に身を委ねないでとそう願ってやまない。
実は私の息子も1年と少し前、自死しようとしていた。
私からの毎年誕生日に送るメールに、必ずコメントを返してくれていたのに、あの日だけ何故か既読しかつかず、妙な胸騒ぎを覚えた私は勝手なんだけれど、しつこいくらいメールを送り続けた。そんな私に根負けしたのか半日後返信が返って来て、近くにいるというので急ぎ待ち合わせをした場所に着いた私が目にしたのは、成人式に私が似合うと勧めたスーツをかっちりと着たひどく憔悴した姿と、助手席の足元に置かれた炭と練炭。
口にしなくとも『死』を選ぼうとしている我が息子に私は淡々と、だが洗いざらいを聞き出した。そして私自身の今を伝えた。
別居を選んだ私とは違い父親と祖母と一緒に住んでいた中で生まれた確執、抱えてしまった自身の借金苦、そしてそんな自分が情けなくなったと。
そんな息子に私は言った。
そんなに死にたいなら私と代わってよと。
あと何年生きられるか分からないけど私は死にたくないから今辛くて苦しいけど、抗がん剤治療をしているんだって。
借金だって生きてちゃんと働いて返していけばきちんと無くなる。返す努力を惜しんだらダメだ。死んだらあなたは楽になるのかもしれないけど、残された私やあなたの妹弟たちはどう思うの?
キツイ言葉だったと思う。でも事実だ。
死んでしまったら何も残らないし、できないんだよ?
もがいていたらきっとその先が見つかるかもしれないんだ。
綺麗事だったかもしれない。でもそう話すと、息子の瞳から涙が溢れて暗く澱んでいた瞳には力が戻った気がした。
そうして息子は今私と2人で暮らしている。
毎日クタクタになりながら、必死に仕事をして頑張っている。
今の彼に死神は憑いていない。そう願いたい。
私はラッキーだったんだと思う。たまたまタイミングよく息子を救えた。だがそれが少しでもズレていたら今はきっと後悔ばかりの毎日だったに違いない。
私自身も病魔に負けていたかもしれない。
だからこそ言う。
誰かのSOSに気付ける人でありたいと。
傷ついている人は必ず何かの発信をしているに違いないって言われている。それに気づきたいと。
イジメている輩、誹謗中傷を顔が晒されないからか、面白がっているからなのか分からないが粗を探して書き込む方々。
何でも人のせいにしてる人達。
誰かを追い込むのは楽しいですか?
今一度振り返って欲しい。
今の自分、本当に好きですか? 正々堂々と胸を張っていられますか?
生きることは決して楽しいことばかりではない。
でも生きるのは人それぞれの特権だ。
それを奪う権利は誰にもない。
生を全う出来る世の中にして行こうよ。
それぞれ悔いのない人生の為に。
だから死に急がないで。誰かに話すだけでいい、苦しいんだと発信して下さい。生きる希望を捨てないで。
私はここにいます。
あなたの声を探しています。
あなたの隣りにもきっといるよ。だから、
死ぬ勇気を、生きる勇気に変えよう。