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私は避けられている?

義母の食の好みは保守的で、洋食は食べないわけではないが、あまり好まなかった。
ある時、私と夫で仁寺洞(インサドン)近くで食事しようとしたら、急に義母が合流することになった。夫は私に気を遣って、お袋も一緒に食べてもいいか?と聞いた。私はもちろんいいよと答えた。当初の予定はイタリアンだったが、
「お義母さんは洋食は好きじゃないだろうから」
と、以前に行ったことがある、手頃な値段の、モダンにアレンジされた韓定食の店を提案した。
韓国料理になかなか馴染めなかった私は、その日のイタリアンを楽しみにしていたのだが、それを諦めて私なりの配慮をしたにも関わらず、義母には通じなかった。
料理が出てくると、義母は言った。
「난 이런거 싫어! (私はこういうの嫌いだ!)」
普段牛骨を煮込んだカルビタンばかり注文する義母には、ちゃらちゃらした料理はお気に召さなかったようだ。
(せっかく気を遣ったのに)
という白けた雰囲気が抑えきれずに流れ出してしまった。
それからしばらく後のことだ。子供がまだ幼児の頃だが、VIPSという洋食ビュッフェレストランに入った。席に着いてすぐ、夫の携帯に義母から連絡が入った。近くにいる義母を迎えに行き、一緒に食事することになった。私は「ここを出ようか?」と言った。義母は洋食は好まないのだから、韓国料理の店に移った方がいいだろうと思った。
しかし夫は、以前のことがあったからだろう、
「いや、いいからここで食べてて」
と言い、自分だけ店を出て義母を迎えに行き、外の安いフードコートで義母の好きな物を注文した。
私の方は、せっかくのレストランでの食事だったが、気が引けてゆったりと食事する気になれなかった。またビュッフェとテーブルを何度も往復して子供の食べる物を取ってくる役目もあって、落ち着かない。また、子供が満腹した後は、退屈して「もう帰る」と言い出すのが目に見えていたので、早々に店を出てしまった。
外に出て合流した時、義母はフードコートで、一人で焼き魚定食を食べていた。夫も一緒にいるだろうと思ったが、姿が見えなかった。挨拶して、同じテーブルに着いた。
すると義母は、驚いたことに、下からうかがうような視線で私の顔をじっと見た。私が義母を嫌って同席を避けたのではと疑ったらしい。
今さら何だ、と私は思った。あれ程無神経に、傍若無人に振る舞っておいて、今まで自分が嫌われていない自信があったのか。むしろその方に驚く。

義母が探るような視線で私をじっと見たのは、それ以外に2回ある。
一度は、義母が家を訪れるのと入れ替わりに、私が外出した時だ。もともとその時間に家を出る予定だったのだが、義母が来るや否や私が出ていくということが2週続いたので、2週目に義母は下からうかがうような目でじっと私の顔を見た。避けられているのか、と心配になった様子だった。
その時もまた、私は「今更?」と思っていた。
もう一度は、私がソウルに住む友人に会いに行くと告げた時だった。義母は探るように、また心配そうに、
「その友達は男?女?」
と尋ねた。
「女です」
実際に友人は女だった。しかし「男です」と答えてやったら、義母はどんな顔で何を言うだろうか。言ってやりたい!と、その衝動を抑えるのに苦労したのだった。

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