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ハーレムとかいう幻想

おはようございます、ぶらっくぱぱです。
前々回までは、看護師を目指すことになった経緯から専門学校入学までのことを書いて、前回の間話?を挟んで今回から専門学校の時の事を書こうと思います。

専門学校時代に印象に強く残っているエピソードはいくつかあるのですが、その中からまずは男性看護師なら共感してくれるんじゃないかなという話から書き始めていきたいと思います。

看護学校に入学した私ですが、まず初めに驚いたというかショックを受けたのは、同級生に男が私だけだったことです。
ある程度予想はしていましたが、入試の時は男性の受験生もそれなりに居たので、他にも誰かいるだろうと考えていたんですが、蓋を開けてみれば私1人。
同じ高校から受験した2人(どちらも女性)は、地元の学校を選んだので、知り合いもおらず、それなりに心細かったのを覚えています。
このことを地元の友達等に話すと「いいなぁ、ハーレムじゃん」と羨ましがられるのですが、その実羨ましがられるようなことはほぼありませんでした。
というより男性としてのアイデンティティを見失いそうになることの方が多かったです。

ある特定の条件を満たした時以外、男性として認知されなくなるのに1ヶ月もかからなかったように感じます。
初めの方は同級生も私が男性であることに気を遣ってくれていました。
ただ、段々と学校生活に慣れてくると男性が教室内に居ることを忘れるというか意識しなくなっていきます。
服装がだらしなくなり、言動も普通男性が居たらそうはならないよなというようなことが増えていきました。
先生方ですらだんだん認識が薄れていきます。
授業中にちょっと際どい話になった際、初めは笑いながら反応を返していた同級生が私の周りから徐々に静かになっていったんですが、先生がその気配を察知して続けたんです。

「何ウブな雰囲気出して、男子がいるわけでもないのに」

その言葉を発したあと、私に向けられる視線で気づく先生。

「あっ・・・ぶらっくぱぱ、ごめん。」

こんな風なやりとりは数える程でしたが、数えなくて済むようになったのは、そう言ったやりとりがなくなったからではなく、もはや私の存在を気にしなくなって私が居ようが居まいが関係なくなったからでした。

そんな中、私が男性として認識される特定の条件は主に2つ。
1.力仕事
2.看護技術の演習
1については、どこでもあることですよね。授業の準備等で何か重いものを運ぶ必要があるとかそう言ったときは必ずと言っていいほど声がかかります。
2.については、仕方のないことなんです。
看護技術は、直接患者の身体に触れることばかりですので、その練習をするとなると学生同士でやることになるのは当たり前で、男性に看護技術の練習とはいえ触れられたくないというのはまぁ当たり前の話です。
授業としては初めの方にある、フィジカルアセスメント(問診・視診・触診・打診・聴診などの身体検査を用いて患者さんの全身の情報を収集・評価し、一人ひとりの患者さんに適した対応を判断すること)の授業で聴診を拒まれた時には、もう対人でやるのは諦めました。
フィジカルアセスメントでそんな感じなので、清潔ケアなんかはもってのほか、こちらとしても清潔ケアの練習を対同級生でやるなんて下心がどうとかの前に気まずすぎてできませんけどね。
授業では、初めに先生が説明しながらデモ人形を使用してお手本を見せてくれて、その後、先生が付いてくれて私だけデモ人形を使って1度練習したらあとは教室で自習(演習の授業は演習室でありました。)というのがいつもの流れでした。
それも仕方のないことなので、当人的には諦めていましたし、自習とは言っても自習課題があるわけでもなく教室で1人で放置されているだけなので、正直サボっていても何の問題もなかったので楽だったのも事実です。
ただ、きつかったこともあって、それは先輩方の気遣いでした。
教室で1人、自習しているとたまたま前を通った先輩方が声をかけてくださったんです。

「えっ!?ぶらっくぱぱ1人で何してるの??」

っと言われたので、経緯を説明したら

「えっ!?可哀そう!!」

って言われることがままあったんですよね。
当人としては仕方がないと納得していたことだったので、他人から可哀そうと言われると本当に可哀そうな気分になってくるんですよね。
先輩方は私のことを心配してくれて声をかけてくださっただけで、それがただの善意とはわかっていたものの、惨めな気分になってきつかったです。

他にも先輩からの気遣いでかなり焦ったこともありました。
それも清潔ケアに関することで、私は清潔ケアの大半がデモ人形でしか練習できませんでしたし、練習するのも同級生が演習しない時間にやっていたのですが、他の同級生はお互いに患者役になって練習しあうし、練習時間も先輩方と被らないかくらいしか気にすることはなかったんです。
そんな状況を知った先輩方が全身清拭の練習の患者役を買って出てくれたんですよ。先輩方が演習室を使う時間に空いてるベッドでやれるように時間まで考えてくださって
でも、その先輩方女性なんですよ。
わからない方もいるかもしれないので、補足すると全身清拭というのは、文字通り全身を温めたタオルで拭き取るというものです。
もちろんお心遣いはとてもありがたかったんです。
でも、お互いに何も意識してなかったとしても、それがいくら勉強のためでも同年代の異性の身体をタオルで拭くなんて私の方が気まずくてお願いできませんでしたし、もし患者役を買って出てくれた先輩方に頼んだら頼んだで、後で周りからどんな風に言われるかわかったもんじゃないしで到底頼めるわけもなく。。。
それにその先輩方の代には男性の先輩も複数いたので、頼むなら男性の先輩方に頼めばいいだけのことだったですよね。
結局、先輩方には頼まずデモ人形で練習を重ねることにしたんですが、割とそのことは自分のためになりました。
なぜかと言うと学内で行われる技術テストはそのデモ人形を患者役に使用したからです。
デモ人形での練習を重ねていた私にとっては、なんの苦労もありませんでしたが、デモ人形の扱いに慣れていない同級生はそこそこ苦労していたんです。
看護師になってからも意識がなかったり、動作の協力が得られない患者さんにケアを提供する時もデモ人形での練習は役に立ったと思います。

何だか話がずれてしまいましたが、その当時男友達に話せば羨ましがられるようなことがなかったかと言えば、嘘になります。
ただ、客観的に見れば羨ましがられるようなことだったとしても、それが日常になるともはや当たり前の風景なんですよね。
そのことに関して何も感じなくなってくる、これも男性としてのアイデンティティを見失いそうになる要因のひとつでした。
じゃぁ、男性として認識されるように振る舞えばいいじゃないかと言われそうではありますが、圧倒的少数の中でそんなことしていたら生きづらくて仕方ないので、そんなこともできませんでした。
男性看護師にちょっと女性っぽい感じを受けることが多いのは、そういった影響だと思います。
特に看護学校卒の男性看護師はその傾向が強いように感じます。
大学とは違い、他のコースやサークルなどで同性と関わる機会が持てるとかそういったことも少ないので当然のことかもしれませんね。

という事で看護学校時代状況的には所謂ハーレムという感じでしたが、その事は羨ましがられる事でもなかったという話でした。
今回も最後まで読んでくださってありがとうございます。
今回はいつも以上に長くなってしまいました。次回はもうすこし端的に書けるように頑張ります。
次回も看護学校の時に印象に残っていることについて書こうと思います。

余談…

昨日の晩御飯は、お好み焼きと焼きそばでした。
母親が作ってくれるお好み焼きは関西風で、色味を良くするためにケチャップがかかっていたのですが、ケチャップをかけるのは一般的ではないようで
はじめて外でお好み焼きを食べた時にケチャップがなくてびっくりしたものです。
そういう家庭の料理と一般的な料理が違うって言うのは、よくあることなんですかね。

投稿を読んでくれた知人が料理が美味しそうだから写真を一緒にあげたら?と言ってくれたので、毎回とは言わないですけど、画像も上げていこうかなと思います。


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