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三島由紀夫の話をしよう
うしろで旦那が床掃除をしています。掃除が終わったの「コーヒー淹れて―」と頼んだ鬼嫁は私です。
さて、あなたは三島由紀夫が好きですか?
何を読んだことある?
私は、Teenのころは、どっちかというと極左寄り
しかし、極右(武闘派)の大叔父とも仲良しだった。
寺とは最悪で、法要で住職にたたき出されたこともある笑
さて、いいですか?
けっこう三島由紀夫、好きな人いるけど、実際、そのイメージで「好き」って言うている人が多いんよな。
私は、澁澤龍彦様を通じて三島由紀夫に出会った。彼らの共通項は「サド」。澁澤氏が、マルキ・ド・サド選集を出版した時に、まだ一度も面識のない三島に、澁澤が手紙で序文を依頼すると、三島氏は快諾したのだという。三島氏は、極右のように思われているけど(その最期から)、彼は、実は「デカダンス」をこよなく愛するダンディ。だって、澁澤龍彦氏をあれだけわかり合えていた方ですからな。そして澁澤氏は、間違いなく三島由紀夫を友人としてこよなく愛していた。それは、彼が三島由紀夫のために書いた追悼文からもうかがい知ることができる。
それに、澁澤氏は、三島氏がヨーロッパのデカダンスに関する文学的教養を深めるサポートをしたと自負しています。澁澤が20代から30代の後半にかけて、コクトー、サド、ユイスマンス、などを次々に翻訳したのは、三島氏に読んでもらうためだったとか。逆に三島氏からみた澁澤氏はというと
「目のきいたフランス文学者、練達の翻訳家、思想や気質において自分と一脈通ずるものを持っている友人」と澁澤氏ご本人は語っている。
お二人に共通するものとしては、「日本をとても愛している」ということ。
澁澤氏は、フランス文学者なので知らない人からすると「ヨーロッパかぶれ」とか見られているかもしれないけれど、エッセイなどを読むと日本の伝統、文化、魂をこよなく愛しておられるのがわかるのよ。それは三島氏もいっしょで、その気持ちが突き抜けて、あの自決に至ったのだろうと思う。
三島由紀夫氏の処女作ともいえる「花ざかりの森」短編(中編か?)集は、まだ16歳の彼が書き上げた、リルケに影響を受けた作風。いや、16歳とは思えないんやけど、やっぱり天才は天才か。(リルケ・・・いいよね。中学生のとき、リルケにハマって、図書館だよりでリルケの詩を掲載しまくってたわ。)
有名な作品としては「仮面の告白」や「禁色」「金閣寺」それに山口百恵で映画化された「潮騒」、「豊穣の海」など、また数多くの戯曲も書かれているわね。そこに「サド侯爵夫人」もある。これは、芸術大賞も受賞した名作で、投獄されたサドをずっと待ち続けた貞淑な妻ルネを中心とした会話劇。三島氏の日本語の豊かな表現力は、脚本を書いたりする人はぜひとも味わっておくべきだと思うの。
さて、作品が多くてキリがないわけだけどもな。
一つだけ、紹介しておきたい長編(とはいっても文庫のページ数はそれほどでもない)がある。
それは「美しい星」
Wikiから
三島文学の中では異色のSF的な空飛ぶ円盤や宇宙人を取り入れた作品で、執筆当時の東西冷戦時代の核兵器による人類滅亡の不安・世界終末観を背景に、宇宙的観点から見た人間の物語を描いている。読みどころとなっている作中後半の、人類滅亡を願う宇宙人と、滅亡の危機を救おうとする宇宙人との論戦は、ドフトエスキーの『カラマーゾフの兄弟』の「大審問官」の章を意識していたことが、三島の創作ノートに記されている。三島自身が非常に愛着を持っていた小説でもある。
最後の1文に注目して欲しい。ご本人がこの作品に「愛着を持っていた」と。この異色ともいえる作品に。
私は、この「美しい星」を読んで、三島氏はやっぱり澁澤龍彦様のよき友人だったことだろうと実感した。普通に三島作品が好きな方にすれば、「なんでこんなものを書いた?」とも思えるだろうけど、ここに三島氏の本当の気持ちが詰まってるんじゃないかとさえ感じる。
これ、吉田大八監督によって2017年「いきなり」映画化された。なんや吉田監督センスあるやないか。でも、大丈夫?と心配したものだ。まあ、実際のところは、かなり脚色されていたし、三島由紀夫の「美しい星」とは若干?違うかなーとは思ったけど、キャストがイメージ通りだったのがなんかおかしかった。リリー・フランキーが良い味すぎww亀梨くんもいい。
時間あるときに観て