紅葉についてのあれこれ
ちょっと他の名所とは違う英彦山の紅葉
紅葉シーズンとなり、多くの方がご来場されています。
この時期多くなるのが、紅葉についてのお問い合わせです。
英彦山の紅葉は他の場所とは違い、ちょっと独特な面があります。
その辺りを解説したいと思います。
・紅葉している場所
通常の紅葉の名所は1カ所ですが、英彦山は山頂1200mから麓の標高200mまでの約1000mの標高差があります。
紅葉は寒い所から順に色付き始めますので、当然山頂と麓ではタイムラグが発生します。
ざっくりと平年の紅葉のピークとなる時期は以下の通りです。
・山頂付近(標高1200m) 10月終わり~11月初旬
・豊前坊・高住神社(標高850m) 11月上旬
・英彦山神宮・英彦山スロープカー周辺(標高700m) 11月15日前後
*英彦山大権現(標高450m)も11月15日~20日くらいです。
同じ英彦山でも約半月のズレが発生します。
ですので、例えば11月中旬に山頂に行っても紅葉ありませんし、10月後半には英彦山神宮周辺はまだ紅葉していません。
ちなみに英彦山スロープカーと英彦山大権現では標高差が約150mありますが、大権現の方が川に近いせいか、ほぼ同じくらいの時期から少し遅れる程度となっています。
紅葉情報では一言で「英彦山」としていますが、どこが紅葉しているかは探さないといけません。
ここが他の紅葉の名所と異なるところです。ですから、お電話などでお問い合わせをいただいた際、「英彦山スロープカー周辺では~」といった感じ、ご案内しています。
・紅葉している樹木の種類
英彦山の紅葉は植樹されたものではなく自然に自生しているものがメインとなり、時期によって紅葉している樹木が異なります。
こちらもざっくりと順番を説明します。
データは標高600m付近の英彦山スロープカー周辺の物です。
・10月後半 桜、ドウダンツツジなど
・11月上旬 ケヤキ・ヒメシャラなど
・11月中旬 モミジ・イチョウなど
このように樹木によって時期は違いますが、英彦山スロープカー周辺はモミジがこぼれ種で発芽しますので、モミジの生育が良く、モミジが多い傾向が強いです。
また数は少ないですが、大きなイチョウが点在していることから、英彦山スロープカーでは11月中旬の「モミジ・イチョウ」の時期、特にイチョウがきれいに黄色くなる時期を「見頃」とご案内しています。
・紅葉がきれいな年の特徴
「一昨年はきれいだった」とか「去年はイマイチ…」などと紅葉の良し悪しを言われることがありますが、違いはなんでしょう?
答えはどれだけ多くの植物の紅葉が重なっていたかということになります。
10月後半の桜や11月前半のケヤキなどが長持ちして、イチョウやモミジの時期まで残ると紅葉の鮮やかなグラデーションができ、とてもきれいです。
10月後半から11月前半にしっかり冷え込み、雨や強風がないことが条件となります。
・今年の紅葉は?
今年の紅葉は10月から続く高温の影響で、スタートは遅れています。
また10月後半雨が続いたため、桜やケヤキが落葉しており過去最高の紅葉とはなりそうにありません。
ただイチョウやモミジは台風が少なかったこともあり、葉の量は例年より多いようです。
あとはしっかり冷え込んで色が付けば、十分楽しめるのではないでしょうか。
・まとめ
いかがだったでしょうか?
今回の内容は今年だけでなく、来年以降も使えますので、ぜひ参考にして下さい。
紅葉散策のツールになればと思っております。