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スロープカーとはなんぞや?どんな乗物??

スロープカーを知っていますか?

突然ではありますが、みなさんはスロープカーをご存じですか?

「ロープウェイやケーブルカーはなんとなく分かるけど、スロープカーは…」
といった方が多いのではないでしょうか。

日々の営業の中で、お客様から「ロープウェイ」や「ケーブルカー」と言われることが多く、反面スロープカーと言われることは少ないのが現状です。
開業からまもなく20年ですが、未だに「スロープカー」という名前は浸透していません。

スロープカーとは?メーカー嘉穂製作所によるスロープカーの解説

ここでスロープカーの生みの親である嘉穂製作所の解説を見てみましょう。

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「スロープカーは嘉穂製作所が製作する、跨座式斜面走行モノレールです。
ラック&ピニオン駆動方式で最大勾配50°の急傾斜を走行でき、地形に沿った自由度の高いレイアウトが可能で、勾配が変化しても床面は常に水平のまま走行が出来るので、車椅子やベビーカーも安心・快適に乗ることができる人にやさしい乗り物です。エレベータと同様、ボタン一つで自動走行しますので運転士の必要がありません。」

引用:株式会社嘉穂製作所公式ホームページより

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跨座式とは車両の下にレールがあり、跨っている状態のことです。
つまりスロープカーとはレールの上を跨って走るモノレール、つまり一本のレールに跨って走る車両ということになります。
更にかなりの傾斜を自らの力で進むことができ、その上ボタン操作で動くので、運転手も不要ということです。

レールに跨る跨座式のスロープカー

更に他の乗物との違いについて、嘉穂製作所によると以下のように説明しています。

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「ケーブルカーやゴンドラ、チェアーリフトがありますが、これらは、ワイヤーロープに搬器を固定し大型のウィンチを駆動させて走行させる仕組みで索道に分類されます。
~中略~
スロープカーは、搬器内に駆動装置があり電源が常に供給されています以下略。」

引用:株式会社嘉穂製作所公式ホームページより

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簡単に言うと、ロープウェイやケーブルカーなどはワイヤーを巻き上げて引っ張られるように動くのに対して、スロープカーはレールに取り付けられた歯に車体側の歯車を噛ませなが進み、自走(自分で走ること)ができるということです。

スロープカーのレールの歯(ラック)と
車体の歯車(ピニオン)


オレンジ色の線が電線で、下から爪状のものを当てて電気を取り込みます。

つまりスロープカーはロープウェイやケーブルカー、ゴンドラとは違い、ある意味、新しい乗り物といえます。

もう少しスロープカーを深掘りしてみたいと思います。

スロープカーの歴史

スロープカーのルーツは炭鉱内を走るトロッコとして誕生しました。
もともと嘉穂製作所は炭鉱のトロッコを作ったりメンテナンスする会社がルーツで、その頃の構造や技術が現在も踏襲されているそうです。

炭鉱閉山後、作業用トロッコとして山林などで運用された後、平成元年にゴルフ場のカートが上れないような急傾斜に設置されました。
そこで初めて人間を運搬するようになったそうです。

英彦山スロープカーは平成17年に開業し、1年半後に80名乗りの2両編成を導入しましたが、当時としては日本最大級の規模を誇っていました。
そして昨年3月に新型車両に入れ替えられ現在に至っています。

スロープカー最大の特徴「姿勢制御装置」

スロープカーはラック&ピニオン方式で、自走できることから、レールの角度は一定でなくても、問題ありません。

ただ英彦山スロープカーなど、場所ごとの傾斜が差が大きな場合は、「姿勢制御装置」が搭載されおり、傾斜に合わせて、低い方の床が持ち上がり、常に車内の床を一定に保ちます。

英彦山スロープカーでは最大で1mほどの上下動がありますが、コンピュータの制御の下、ほとんど気付かないくらいの静かさで行われるため、姿勢制御をほとんど感じることができません。
ですから、上下動が原因で気分が悪くなった方は一人もいらっしゃいません。

車体下部の黒い部分が、レールの傾斜に合わせて上下動して、水平に保ちます。
英彦山スロープカーは最大で1m上下動します。

まとめ

いかがだったでしょうか?
スロープカーの理解が深まったでしょうか?
目の前に車両があり、乗っていただけたら、もっとわかりやすかったのかもしれません。
上手く表現できず、反省しています。

月並みな表現ではありますが、「乗ればわかる」ので、乗ったことがない方はぜひお越し下さい!!
乗ったことがある方も、今度は車両の構造や姿勢制御について意識を向けてみると、また違った魅力を発見できるかもしれません。

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