植物と私 2
ヤマアジサイと私
当時の花園のアジサイはセイヨウアジサイの一品種のみで、単調でウケも良くありませんでした。
そのため新しいアジサイを植えようとなったのですが、そこで決まったのがヤマアジサイでした。
添田町のフォトコンテストの入賞作品の題材になるなど、英彦山に自生するヤマアジサイはとても評判でした。
もちろん当時の私はそんなことも知らず、それどころかヤマアジサイを見たこともありませんでした。
まず私がやったことはヤマアジサイを見に行くことでした。
たまたま6月上旬でヤマアジサイの開花時期だったこともあり、当時の運行部長と自生しているというヤマアジサイを見学に行きました。
ヤマアジサイがない?!師匠に相談。
が、地元の方に聞いた場所に行ってみましたが、ヤマアジサイはありません。
何カ所か回りましたが、全くありません。
困った私は当時、添田町の観光ガイドをされていた早田さんご夫妻に相談しました。
(早田さんご夫妻を私は勝手に、植物と英彦山についての師匠だと思っています。)
早田さん曰く、
「シカが食べてるから、かなり少なくなっている」
とのこと。
そして、もし花園で育てるなら、早田さんのお持ちのヤマアジサイの枝を分けてくれるとまで言ってくれました。
しかし当時の私は
「枝?株じゃないの?」
と思ってしまいました。
人生初めて挿し木
そんな私の無知を見越して、早田さんは丁寧に挿し木のやり方を教えてくれました。
この教えは私にとって目から鱗でした。
植物は種からしか育たないと思っていました。
そんな方法で、かつ同じものができるとは…。
植物の不思議に初めて触れた瞬間でした。
しかし、同時に不埒な発想も浮かびました。
「この先、苗買わなくて良いじゃん!!」
早田さんはそんな不埒な発想すら、見越していたように、
「登録品種といものがあって、やたらめったら挿し木すると捕まるよ。挿し木をする時はきちんと調べてやりなさい」
と諭してくれました。
そうして早田さんに教えてもらいながら、挿したヤマアジサイの挿し木6本を発根するまで、丁寧に面倒をみました。
(とはいえ、水やりだけでしたし、梅雨時期でほとんど水やりも必要ありませんでした。)
3週間後、教えられた通り挿し穂を引っ張ってみると、反発が!
土を掘り返してみると、びっしりと白い根が生えていました。
残りの挿し穂も確認すると、全て発根していました。
「うぉぉおお!!スゴい!!」
この瞬間私は植物の栽培に目覚めました。
植物と私 3に続く
またしても話を終えることができず、その3に続くことになりました。
上手く話をまとめられず、次で終わるか自信がありませんが、お付き合いいただけると幸いです。