1.3人前の生活

私はムック。30歳、無職、金なし。

なんだか今日は眠れない。
パートナーも同じみたいである。本当は精神衛生上夜更かしは良くないが、今日は何の予定もない。たまにはいいか。

昨日は私の中学の友達が来てくれて、数年ぶりにじっくり会えて、心の底から楽しかった。そしてほんとに歩きすぎた。
私自身、過重労働とモラハラから逃げて来たとはいえ、社会生活からの離脱は、コミュニケーションの衰えと体力の低下を招いていた。その分の疲れと高揚感でよりあまり寝れない。

私を心配してか、パートナーの寝つきも悪く、深夜に起きて来たので少し話をした。私が起きると眠剤がどんなに効いていても起きるパートナー。なんて忠誠心の高い。だからこそ、不眠気味は間違いなくよくなかった。改めて福岡での生活に不安はないかなど、ちょっと普段聞きにくいことをあえて聞いてみた。

すると、私や福岡の生活は悪くないが、「友達が欲しい」との思いが見えて来た。そりゃあそうだ。パートナーには、我が家の近くに10年来の親友がいるが、それ以外、特にこの地にまだ繋がりがない。精神的な十分な安定は、いくつか依存先を持つことで成り立つ。そんなきちんと専門知識があるくせに、鬱という名目で、パートナーを友達のない地に呼びつけたのだ。本当に耳が痛かった。

でも、パートナーも前とは違った。多少なりLGBTコミニティセンターやLGBTアプリにも関心をもっていた。鬱に入りかけなのに、これはいい傾向だと思った。ゆっくりやろうね、と話した。

問題はまだまだたんまり。
1月分の出費はなんとか貯金で払えたが、お互い無職がたたり、2月の生活費がついに底を潰えた。散々パートナーに甘やかしてもらった私だが、これだけはどうにもならなかった。

そこでたまたまハローワークで相談したパートナーから、雇用保険の給付が入社日までもらえるとの情報が入った。それを逆手にとって、入社日を遅らせる交渉をしてもらった。これでしばらくしのげる。

恥ずかしいが、先月は確実に私が働けなかった。1ヶ月パートナーに助けてもらい、食い潰させてもらった。その分うつ状態は明らかによくなってきている。だが、手元の資金がない。特にパートナーの自動車学校のお金。パートナーは自動車学校のお金まで生活費を補填していた。

悔しかったが久しぶりにキャッシングをした。一生キャッシングはしないと20代前半で誓ったが、これ以上の負担はさせられないし、方法がなかった。お互い家族もこれ以上頼りたくない。そしてパートナーには自動車学校も卒業してもらわなきゃ困る。期限の5月までなんてあっという間だ。パートナーにはヘルニアの手術もある。
…とはいえ、私の罪悪感と言われればそれだけかもしれないが。

パートナーは2月からの内定をいくつか手に入れている。よくもまぁ、あんなに仕事を変えて、内定が出るものだ。パートナーはその中から現状を考えて正社員の仕事を選ぼうとしていた。でも、どうしてもやりたいバイトが気になっているようだった。

そこで、私はこんな話をした。「年齢的にできるやりたい仕事の最後のチャンスなんでしょ、アルバイトでもいいじゃない。私たちは2人で【1.3人分】ぐらいの生活を目指そう」と。

1.3に別になんの根拠もない。でも、彼のいない5年間、私自身は一人じゃ生活できなかった。貯金も潰えたし、家事なども含めて生活が成り立たっていなかった。パートナーも1人で自立している、とはなかなか言い難い。でも、そんな二人が一緒にいると決めた以上、支え合うしかもう道はない。だけど、支え合えば1人前以上の生活だって夢じゃないと思った。とはいえ、お互い頑張りすぎない。そのための1.3だった。

私自身も就活を続けて来たが、社会生活から離れるうちに、フルタイムでの正社員は今すぐ難しいなぁ、と改めて思ったりもした。それもその1.3には隠されている。
パートナーがindeedで週3のバイト探してくれてたり、友達からタイミーがいいって聞くこともできた。もう少し自分でも探して、2月3月で週3ぐらいで働いて社会生活適応のためにリズムを戻したい。無理は禁物。お互い共倒れは避けたい。私自身家事も二人生活から慣れて来たし、続けたい。パートナーを助けるなら自分も余裕がないといけない。私も折れられるところは折れないと。

そして、また別件だが、たまたまこのタイミングでパートナーの【人から(私からを除き)の借金】が消えた。その借金は大きな対人トラブルも孕んでいたが、それが昨日完済された。安心した。パートナーは5年かけてそのお金を返済しつづけ、ついに完済したのだ。すごいことだ。様々な事情もあっただろうが、「自分の尻が自分で拭ける」ことは大人として素晴らしいことだと私は思う。自分のことのように嬉しかった。あとはパートナーには債務整理したいくばくかの借金があり、これもしばらく払っていく必要がある。少しずつだな。

とはいえ、特にこの「対人トラブルを孕んだ借金」は、私がパートナーを実家に帰すきっかけとなり、5年間も一人で生活を送らざるを得なくなったことを後悔し続けた元凶だった。そのため、この「対人トラブルを抱えた借金」だけでもなくなって、ちょっと自分の思いもすっきりした。

その完済に際し、パートナーから「成年後見制度」の利用の提案があった。今まで自分のお金を見せたりするのは嫌がることも多かったが、躁の時期に使いすぎてしまうことや、危ないことに手を出してお金を手に入れようとしてしまうことが怖いとのことだった(ここでは書けないことも要因としてあった)。彼なりに一生懸命考えたのだろう。

それに対して、私が成年後見制度を使って、全てお金を管理、じゃなくて、パートナーと一緒に都度見せあって、考える管理の仕方にしよう、と話をした。どうせ一緒に暮らして、私も含めた生計を修正していかないとなのだ、その方が間違いなくいい。
筆者は成年後見をするための資格は持っているが(社会福祉士とか精神保健福祉士とか)、実際実務として一切やったことがない。これはまずはたくさん調べてからだな。

一難さってまた一難。のんびり構えていこう。

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