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友とG。キンチョールよりも強烈。

先日、友が夕飯を食べに来た。
ここのところ、私が残業続きだったので
約一か月ぶりの私のごはん。
友はキャッキャ言って
食卓に並んだあれやこれやを口いっぱいにほおばり
「おいしいねぇ、おいしいよ~」と、
止まることなくモグモグしていた。
(リスか?)

お腹一杯にご飯を食べた友は、
「はぁぁぅ。よう食べた。」と、トロンとした顔で言いながら
下っ腹をさすり満足そうである。
(赤ちゃんか?)

そこまではよかった。


私の家は古いのでこの時期はアレが出る。
そう、Gという頭文字のアレ。

友はGを見ると、まるで世界の終わりかのような叫び声を上げるので、
Gの存在に気付いた私は事前に小さくお知らせをした。

「友よ、今おぬしの後ろにGがおるぞ。慌てずこっちにおいでなさい」

私はそう言って立ち上がり、キンチョールを手にしてGに近づいた。
友はといえば、さっきのリスや赤ちゃんのような可愛さから打って変って
一気に老け込み、とてつもなくへんちきりんな顔をして
そろそろとGから距離を取った。

私はタイミングを見計らってGに大量のキンチョールを振りかける。
G、飛ぶ。
友「ぎゃー」

私振りかける
G、飛ぶ。
友「ぎゃー」
・・・・・

それを三度ほどくり返したところで
私は気が付いた。

友が「ぎゃー」と叫ぶたびに聞こえた
「ブッ!」という擬音に。

そう、友はぎゃーと言いながら屁をこいていたのだ。

友は恐怖を感じると屁が出るタイプなのか?

友は自分の失態に気づき、
「ひぃぃぃぃ!屁こいてしまった!ブッ!」を二回くり返し、
一人で爆笑していた。
(Gへの恐怖もどこへやら、である。)

私はキンチョールよりもクサイ友の屁のにおいをかがされ、
臨終したGをティシュでくるみつつ、友につられて大爆笑をしながら

恐怖に怯えながらも屁をふれる友の精神力を見習いたいと思った。



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