家に帰ると奥さんが僕の好きなところを発表するドラゴンになっていた
〇〇:お先に失礼します〜
係長:〇〇今日は早いな
〇〇:最近中々奥さんとゆっくり出来ていなかったので
係長:いろいろ仕事を任せすぎて悪かった…今日は奥さんとゆっくりしてくれ
〇〇:ありがとうございます
帰りに奥さんの理子が好きなケーキを買い早足で家へと向かう
…………
〇〇:ただいま〜
普段なら玄関で理子が出迎えてくれるのだが今日は出てこない
〇〇:(リビングは電気がついているから家にいるのは確かなんだよな)
そう思いながらリビングへ向かうと
理子:好きな〇〇発表ドラゴンが〜♪
理子:好きな〇〇を発表します〜♪
理子:う〜ん…〇〇の好きなところ多すぎて何から言おうか迷っちゃうな〜
そこには怪獣?のような着ぐるみを着て少し前に流行った歌を口ずさむ可愛い奥さんがいた
〇〇:(可愛いからもうちょっと見てよ)
〇〇が扉の影から見守っていると
理子:そもそも好きな〇〇発表ドラゴンより〇〇の好きなところ発表ドラゴンの方が分かりやすいな〜
理子:でもそれじゃ語呂悪いもんな〜
着ぐるみのまま"う〜ん"と頭を抱える理子
その姿があまりにも可愛い過ぎて
〇〇:…可愛い///
うっかり呟いてしまう〇〇
〇〇:あっ…
慌てて口を塞いで隠れようとしたが遅かった
理子:!!
理子:…〇〇帰ってきてたの?
〇〇:…うん…最近帰り遅かったからさ…久しぶりに理子とゆっくりしたくて定時で帰ってきたんだ
理子:そうだったんだ…
理子:…ねえ、どっから見てた?
〇〇:…歌を口ずさんでいるところからです
理子:…ぅぅ…恥ずかしい…
着ぐるみを着たまま全身を丸くしてうずくまる理子
〇〇:でもすごく可愛かったよ?
理子:そういう問題じゃないの!
理子:最近〇〇忙しそうだったからサプライズで励まそうと思ったのに…
〇〇:理子…その気持ちだけですごく嬉しいよ
理子:…
理子:りー着替えてくる…
サプライズが失敗したことがよほど悔しかったのか理子はリビングから出て行ってしまった
その後私服に着替えて夕飯を食べている時も
〇〇:やっぱり理子のご飯は美味しいな〜
理子:…
〇〇:…理子?大丈夫?
理子:…うん…
心ここに在らずといった感じで終始元気の無い理子
気まずい空気のまま夕食を終える2人
〇〇が片付けていると
理子:りー、お風呂行ってくる
理子は足早に浴室へと向かっていった
〇〇:う〜んこれはまずいな…
理子はだいたい入浴時間は1時間程度
〇〇は理子と仲の良い友人の谷口愛季に電話をすることに
📱
愛季:もしもし〜珍しいじゃん、〇〇から電話がくるなんて
〇〇:いきなりごめん
〇〇:実は理子と……
今日あったことを愛季に話す
愛季:…なるほどね〜それで理子がしょげていて困っていると
〇〇:まあそんなところ
愛季:別に普通に励まそうしてくれてありがとうで大丈夫だと思うよ
〇〇:ほんとに?
愛季:理子もそこまで子供じゃないよ
電話を切ってからしばらくすると
理子:…お先…
戻ってきた理子を後ろから抱きしめる〇〇
〇〇:今日は励まそうとしてくれてありがとね
〇〇:ほんとにすごく嬉しかったよ
理子:…でも…〇〇にバレちゃったし…
〇〇:励まそうっていう気持ちがすごく伝わってきてそれだけで充分だよ
理子:…ぅぅ…〇〇〜
今にも泣きそうな理子を力一杯抱きしめる〇〇
〇〇:そうだ!今日、理子の好きなケーキ買ってきたから僕がお風呂出てきたら一緒に食べよ?
理子:うん!
こうして元気を取り戻した理子とケーキ食べながら久しぶりの会話を楽しむ
〇〇:今日は見れなかったけど今度"好きな〇〇発表ドラゴン"見せてよ
理子:なんかバレてからやるの恥ずかしい…///
理子:そうだ!〇〇もりーの好きなところ発表してよ?
〇〇:えっ…僕もやるの?
理子:もちろん!
〇〇:でも好きな理子発表ドラゴンって語呂悪くない?
理子:確かに…
理子:でっでも、りーも〇〇から好きなところ発表されたい!
〇〇:う〜ん…
〇〇:じゃあ理子のあだ名のえんりこを使って"好きなえんりこ発表ドラゴン"とかにする?
理子:それいいね!
こうして"好きなえんりこ発表ドラゴン"も爆誕し夫婦揃って朝まで関連動画を見ながら歌詞を考える〇〇と理子であった