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家に帰ると何故か幼馴染がキッチンで料理を作っていた

20:00

同僚:〇〇、今日も残業か〜

〇〇:しょうがないだろ、仕事終わらないんだもん

〇〇は溜まった仕事に悪戦苦闘中であった

同僚:にしてもこれで1ヶ月毎日残業だな

〇〇:そうなんだよ

同僚:うちの部署の連続残業記録超えるんじゃない?

〇〇:なんも嬉しくないわ

同僚:とにかく無理だけはすんなよ

〇〇:そういうお前だってこの時間まで居るじゃん

同僚:細かいことは気にするなって

そう言い残し同僚は帰っていった

23:00

〇〇:…とりあえず一段落したし帰るか…

家に着く頃には日付が変わっていた

〇〇:今から夕飯か…何食べよ

そんなことを考えながら鍵を開けようとするとなんと鍵が開いていた

〇〇:あれ?今日絶対鍵閉めたよな…

〇〇:もしかして空き巣?

音を立てないように扉を開けるとリビングの明かりがついていた

〇〇:(朝、電気も全部消したよな…)

〇〇:(…もしかしてマジで空き巣?)

〇〇は慎重にリビングへ向かう

リビングに入ると電気がついているのみで特に人影は無い

〇〇:(ほんとになんだこの現象は)

未知の状況に困惑しながらもリビングの奥にあるキッチンへと向かう

するとキッチンに何やら人影が

〇〇:(マジで人いるじゃん…)

人影に慎重に近づくと、どうやら何か作業中のようだった

鼻歌を歌いながら何やらフライパンを動かしている

〇〇:(何か料理をしている…?)

正体を確認しようと後ろから近づく〇〇

〇〇は聞こえる鼻歌の声に聞き覚えがあった

〇〇:"保乃"、人の家で何やってんの?

〇〇に目の前にいたのは保乃こと田村保乃

〇〇と保乃は大学まで同じで就職で初めて別々の道を歩むことに

保乃:うん?

〇〇:人の家で何してんの?

保乃:おかえり〜〇〇〜

保乃:なんでそんなに驚いてんの?

〇〇:そりゃ驚くでしょ、ここ俺の家だし

保乃:思たよりはよ帰ってきたな!

何やら慌て始める保乃

〇〇:なんで料理してんの?

保乃:〇〇の帰りが遅いって大家さんから聞ぃたんや!

保乃:どうせ〇〇のことやからちゃんとした食事とってへんと思 て料理をしに来よったん!

〇〇:…色々聞きたいことはあるけど心配してくれてることは分かったよ

こうして保乃は急ぎ料理の仕上げに入る

〇〇も手伝ったことで料理は思いのほか早く出来上がった

保乃:出来よったで!

テーブルには肉じゃが、野菜の肉巻き、玉子焼きが並んでいる

〇〇:まさか日付変わってからこんなバランスのいい食事を食べれるなんて思わなかった

保乃:そうやろ!保乃に感謝してよね!

〇〇:はいはい…

〇〇・保乃:頂きます

〇〇:この玉子焼き美味しい…

保乃:そうやろ!実はうどんだしをつこてんねん!

〇〇:へえ〜料理って奥深いな

こうしてあっという間に完食

〇〇:ご馳走様でした

保乃:お粗末様でした

ここで〇〇はずっと気になっていたことを保乃に聞くことに

〇〇:…料理美味しかったから忘れていたけど、保乃はどうして俺の家の場所を知ってるの?

保乃:実は大家さんが保乃の親戚で前入居者の名簿見してもろた時に〇〇を見つけたんや〜♪

〇〇:…そんなことある?

〇〇:確か、親戚にサッカー選手とかもいたよな…どうなってるんだ保乃の一族は…

保乃:まあまあ…細かいことは気にせんでええで

〇〇:そういうもん?

保乃:せやで

〇〇:ってことは最近帰りが遅いのも大家さんから聞いた感じ?

保乃:せやで〜

〇〇:次にどうやって家の鍵を入手したんだ?

保乃:そらもう分かると思うけど大家さんからもろたよ〜

〇〇:いくら親戚とはいえ勝手に鍵貸すのはアウトだろ…

〇〇:大家さんに一体なんて言ったんだ?

すると保乃は体をモジモジさせながら

保乃:実は…〇〇は保乃の彼氏って言うて貸してもろた///

と小さな声で呟いた

〇〇:はい?

保乃:そやから!ウチの彼氏ってことにして貸してもろた!

保乃:何度も言わせへんでよ…///

顔を真っ赤にさせながら俯く保乃

保乃:…ねえ…〇〇は保乃の料理美味しいって言うてくれたよね?

〇〇:まあ言ったね

保乃:なら実際ウチが彼女になるのってアリやんな?

〇〇:…

保乃:保乃はずっと〇〇のことが好きだってん?

保乃:じゃなきゃずっと同じ進路にしぃひんわ

〇〇:保乃…

〇〇:ほんとに僕でいいの?

保乃:当たり前やん!

〇〇:…僕で良ければ…

保乃:やっと〇〇と付き合えた!

〇〇:そこまで喜んでくれるとは思わなかった…

保乃:これからは保乃もここに住むから!

保乃:保乃ゆう彼女がおるからこれからは残業禁止やからな!

〇〇:…極力注意します…

翌日以降、残業の常連である〇〇が急に残業をしなくなった為、社内で大きな話題となるのであった




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