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校則でバイトは禁止だけどこっそり働いているお店にクラスメイトがやって来た

〇〇:ありがとうございました〜

店長:〇〇〜、そろそろ休憩入ってね〜

〇〇:分かりました、休憩入ります!

〇〇:ふ〜、疲れた…

とあるカフェでバイトをしている〇〇

バイト先は朝から夕方まではカフェ、夕方からはレストランという珍しい営業スタイルのお店である

店長:そういえば〇〇君って櫻坂高校だよね?

休憩に入ろうとするところ不意に店長から声をかけられる

〇〇:そうです

店長:うちの店からは相当離れているよね?

店長:高校の近くにいいお店とかないの?

〇〇:…いや〜なかなか条件合わなくて…

店長:そうだったんだ…

店長:あっ、今のは別に変な意味はないからね?

店長:うちとしても〇〇君にはずっと働いていて欲しいからさ

〇〇:ありがとうございます

店長:じゃあ休憩入ってね〜

〇〇:はい!

〇〇:(ふ〜焦った…)

〇〇:("バイトのこと"バレたのかと思った)

実は〇〇の通う高校はバイト禁止の高校

バイトをしていた生徒に厳しいことで有名であり過去に何人も退学処分となっている

だが〇〇の家は家庭の事情で〇〇もバイトをしないと家計が厳しい

その為、高校からかなり離れたところで密かにバイトをしているのだ

〇〇:(…絶対バレないように注意しないと)

改めてバイトのことがバレないように気を付けようと決意を新たにした〇〇であった

…………

とある土曜日

この日も〇〇はいつも通りバイトに向かう

〇〇:おはようございます!

店長:おはよう〜今日もよろしくね〜

〇〇:よろしくお願いします!

今日は日中のカフェと夕方からのレストラン、両方にまたがるシフトの日だ

休日ということもありカフェにもレストランにも多くの人がやって来る

〇〇:(今日は疲れるだろな…)

そんなことを考えながら制服に着替える

前のシフトの人から引き継ぎをしていつも通り仕事を始める

少し客足が落ち着いた頃、お店の扉が開く

〇〇:いらっしゃいま…

やって来た人物を見て〇〇は絶句する

??:あれ?〇〇?

〇〇:えっ…向井?

向井:そうだけど〜?

向井:〇〇は…バイト中?

〇〇:…

やって来たのは〇〇のクラスメイトの向井純葉

底なしの明るさとルックスでクラスの人気者だ

〇〇:(ヤバい…同級生にバイトしているところを見られた…)

〇〇:どうぞ…こちらへ…

とりあえず空いている席に彼女を連れていく

向井:ねえ、すごくいいお店だね!

〇〇:まあね…

彼女はバイトしているところを見られ血の気が引いている〇〇を気にせず話しかけてくる

〇〇:…これメニューね

向井:ありがとう〜

向井:わ〜どれも美味しそう!どれにしよう!

彼女は目を輝かせながらメニューを見ている

しばらくすると

向井:決めた!このフロートください!

〇〇:かしこまりました

向井:ねえ〇〇ってこのあともバイト?

〇〇:…うん、一応この後休憩だけど…

向井:じゃあ休憩になったら少しお話しよ?

〇〇:分かった

〇〇:(絶対、バイトのことを言われるじゃん…)

そう思いながらも注文を伝えに店長の元へ

数分後

店長:〇〇、このフロート持っていたらそのまま休憩入ってね

〇〇:分かりました

フロートを持ち彼女の元へ向かう〇〇

〇〇:おまたせしました

向井:わ〜美味しそう!

向井:いただきます!

〇〇:…

向井:う〜ん!美味しい!

〇〇:…

向井:〇〇、もう休憩?

〇〇:そうだよ

向井:じゃあ、純葉の横座って少しお話しようよ〜

〇〇:(…バイトのことどう言おう…)

彼女の隣に座る〇〇

向井:ねえ、〇〇って校則でバイト禁止なの知ってるよね?

〇〇:(やっぱりバイトの話か…)

〇〇:…うん…

向井:純葉がバイトのこと学校で言ったら〇〇は確実に退学だよ?

〇〇:…うん…

向井:純葉、生徒会長とも仲良いしな〜

向井:どうしよっかな〜言っちゃおうかな〜

〇〇:…どうすれば黙っていてくれる?

向井:う〜ん…

少し考える彼女

向井:じゃあ、純葉が今から言う2つの条件を呑んでくれたら黙っていてあげる!

〇〇:2つの条件?

〇〇:(毎月口止め料〜万円払うとかだと厳しいな…)

向井:まず1つ目は、これからは私のことを純葉って呼んで!

向井:2つ目は、これからも純葉が来た時は〇〇が接客して!

〇〇:えっ…?

向井:この2つの条件を守ってくれたらバイトのことは黙っていてあげる!

〇〇:そんなことでいいの?

向井:えっ?純葉が何言うと思ってた?

〇〇:…毎月いくら口止め料払ってとか?

向井:いやいや、そんなこと言わないよ!

彼女はアハハと大きな声で笑う

〇〇:向井、ありがとう!

向井:あれ?苗字で呼んでる?

〇〇:あっ…ありがとう純葉!

純葉:うん…///

〇〇:純葉少し顔赤いけど具合悪い?

純葉:大丈夫…///

純葉:(いきなりの名前呼びは少し攻撃力高いな…///)

〇〇:でも偶然とはいえ、見つかったのが純葉で良かったよ

純葉:だね!他の人だったら危なかったよ!

〇〇:このお店なら学校からかなり離れているから大丈夫だと思ったんだけどな

〇〇:この辺来るのうちの学校だと純葉くらいじゃない?

純葉:そっ…そうかな…?

〇〇:うん

〇〇:何かこの辺で用事あった感じ?

純葉:まっまあね…

純葉:(〇〇がここで働いているの知ってたから来たなんて言えないよ///)

純葉:とにかく!約束はちゃんと守ってね!

〇〇:分かりました

〇〇:あっ、そろそろ休憩終わるから行くね

純葉:うん!バイト頑張ってね!

〇〇:ありがとう

純葉:また来るから、今度シフト教えてね!

そう言って彼女はお会計をして帰っていった

〇〇:(良かった…学校にバレずに済んだ…)

この日以降、純葉は〇〇のシフトの日の度に店を訪れ気が付けば店長とも仲良くなりすっかり常連さんになりました










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