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家に帰ると同期が僕のベッドで寝ていました

〇〇:これで良しっと

優月:〇〇まだ仕事終わっていないの〜?

隣の席に座る同期の優月が声をかけてくる

〇〇:ちょっとトラブルが発生したもんでね

優月:なにか手伝う?

〇〇:大丈夫、そんなにやばいトラブルじゃないし

〇〇:それに優月さっき退勤の手続きしていたしょ?

優月:うん…

〇〇たちの会社では退勤前にいくつか手続きがあり完了後の残業は禁止されている

〇〇:優月も忙しいんだから帰れる時は帰りな?

優月:…なんかごめんね…?

〇〇:気にすんなって

優月:じゃあお先に失礼するね

…………

優月:(〇〇、私が退勤の手続きしてたこと知ってたんだ…)

優月:(あんなに忙しそうなのに私のこと見てくれてたんだ…)

優月:(アレ?私なんでちょっと嬉しいんだろ?)

〇〇が自分のことを気にかけていてくれていた事が嬉しくなっている自分に驚きながら会社の廊下を歩く優月

すると遠くから

??:優月先輩〜

誰かに声をかけられる

優月:あれ?理子ちゃん?

理子:退勤直後にすいません…

慌てて走ってきたのは後輩の理子こと遠藤理子

〇〇と優月にとって初めての後輩であり、〇〇が教育係を務めている

優月:そんなに慌ててどうした?

理子:実は優月先輩に聞きたいことが2つありまして…

優月:なんでも聞いて?

理子:1つ目なんですが、今日って〇〇先輩とかこの後なんか会う予定ありました?

優月:特に約束とかはしてないよ

理子:良かった…

優月:なんかあったの?

理子:実は〇〇先輩が今忙しいのはりーのせいなんです…

優月:そうなの?

理子:はい、りーのミスを〇〇先輩がカバーしてくれているんです…

優月:そうだったんだね

理子:さっきお2人で話をしていたのでもし約束とかしていたら申し訳ないと思って…

優月:うんうん、全然気にしなくて大丈夫だよ

理子:良かった…

理子:じゃあ2つ目の質問です

理子:優月先輩って〇〇先輩のこと好きですか?

優月:えっ?

優月:う〜ん…自分でもよく分からないな…

理子:…

理子:〇〇先輩ってすごく優しいんです

理子:今回のトラブルも本来りーのミスなのに僕がカバーするよって言ってくれたんです

優月:なんか〇〇らしいや

理子:そうなんです、そんな優しい〇〇先輩がりーは大好きなんです

優月:…

理子:…

理子:〇〇先輩と同じくらい優月先輩のことも大好きですけど、りーも負けませんからね!

そう言い理子は自分のデスクへと戻って行った

…………

"〇〇先輩のこと好きですか?"

帰り道も理子の言葉が忘れられない優月

優月:(理子ちゃんに聞かれた時は答えられなかったけど、今ははっきりと答えられる)

優月:(私は〇〇のことが好き)

〇〇への想いを自覚した優月

優月:(私もちゃんと想いを伝えなきゃ!)

そう考えた優月はある場所へと向かっていくのだった

…………

優月が〇〇への気持ちに気が付いた頃

〇〇:やっと終わった〜

理子:〇〇先輩、ほんとにすいませんでした…

〇〇:ミスは誰にだってあるから大丈夫

〇〇:大事なのは次同じミスをしないことだから

理子:ありがとうございます

〇〇:じゃあ帰りますか

理子:はい!

理子:…〇〇先輩、この後一緒にご飯とかどうですか?

〇〇:気持ちは嬉しいけど明日も仕事だから今日はゆっくり休んで仕事が落ち着いたら行こっか

理子:…分かりました

〇〇:必ず行くからさ、そんなにしょげないで

理子:約束ですからね!

〇〇:約束するよ

こうして〇〇と理子は帰宅の途についた

…………

〇〇:あ〜疲れた

家に着いた〇〇はいつものように鍵を開け家に入ろうとする

〇〇:あれ?鍵が開いてる?

〇〇:確かに戸締りはしたはずなのに…

慎重に扉を開け中に入ると、リビングの電気がついている

〇〇:(えっ…強盗?)

慎重にリビングに入ると机には料理が並んでいる

〇〇:なんで料理があるんだろ

机に近づくと何やら書き置きが

"〇〇残業大変そうだから晩御飯作っておいたからしっかり食べてね    優月
ps,鍵は前〇〇が風邪ひいた時に貰った合鍵使ったよ"

〇〇:優月…なんか気を遣わせちゃって申し訳ないな…

〇〇:せっかく作ってくれたし早速頂くか

〇〇:いただきます

着替えは後でいいやとスーツのまま晩御飯を食べる〇〇

〇〇:ふ〜美味しかった、明日優月にお礼言わなきゃ

食器を洗い、風呂に入るため着替えを取りに寝室へ向かうと

〇〇:うん?なんで…

なんと寝室の〇〇のベットで優月がラフな格好で寝ていた

〇〇:優月〜起きて〜

優月:う…あっ〇〇おかえり〜

優月:ご飯食べた?

〇〇:うん、すごく美味しかったよ

優月:良かった

〇〇:なんで優月が僕のベッドで寝てるの?

優月:晩御飯作った後に疲れて寝ちゃった…

〇〇:なるほどね…ほら早く起きて帰らないと明日も仕事だよ?

優月:…今日は〇〇の家に泊まる

〇〇:いやいや、着替えとかないでしょ?

優月:1回家帰ってから来たから着替えも明日の服もある

そう言い優月が指さした先には大きなスーツケースが置いてあった

〇〇:…分かったよ、とりあえずお風呂行ってきな?

優月:…分かった…

こうして先に優月、その後〇〇が風呂に入り早めに寝ることに

〇〇:僕はリビングのソファで寝るから優月はベッドで寝てね

優月:…〇〇と一緒に寝たい…

〇〇:でも…

優月:〇〇だから言っているんだよ?

〇〇:…分かったよ

2人でベットに入り優月に背を向けるように横になる〇〇

数十分後

優月:ねえ〇〇起きてる?

〇〇:…

優月:あんだけ残業したしもう寝てるよね

優月:今日ね〇〇が忙しいのに私が退勤の手続きしたことを知っていてくれて凄く嬉しかったの

〇〇:…

優月:なんか〇〇が私のこと気にしてくれてるって思ったんだ

優月:なんでこんなに嬉しいかを私なりに考えて分かったの

優月:私は〇〇のことが好きなんだって

〇〇:…

優月:…だからさ…"今じゃなくていいから返事待ってるからね"

〇〇:?!

優月:おやすみ〇〇

〇〇:(もしかして寝たフリしてるのバレてる?)

…………

翌朝

〇〇:…今何時だ?

〇〇が時計を見ると既に家を出ないと遅刻確定の時間だった

〇〇:ヤバっ遅刻する

〇〇:優月起きて!

優月:う〜ん…ゆつたんまだ眠い…

〇〇:そんなこと言ってないで起きるの!

優月:ゆつたん起きれない…

〇〇:会社遅刻するよ!

優月:うん…?えっ!ヤバい!

〇〇:急いで着替えて!

優月:うん!

バタバタと支度をしていると

優月:…〇〇昨日起きてたでしょ?

いつになく真剣な表情で〇〇に問いかける優月

〇〇:…やっぱりバレてた?

優月:うん、バレバレ

〇〇:ごめん…

優月:…昨日の返事聞かせてよ?

〇〇:それはまた落ち着いたら必ず返事する

〇〇:こんなドタバタしている時じゃなくてちゃんと落ち着いている時に返事したい

優月:…うん、分かった…

〇〇:とりあえず今は急いで会社に行かなきゃ!

なんとか遅刻は回避したが〇〇と優月が一緒に出社したので部署内でちょっとした話題になりました



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