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就活中の女子大生の希望職種欄にあなたの奥さんと書いてあった
人生の夏休みと言われている大学生活も3年生になると本格的に就職活動が始まる
〇〇の働く就職センターにも毎年履歴書の添削等で多くの学生が訪れる
今日も開館時間前に昨日訪れた人の相談内容をまとめる作業をしている
〇〇:あ〜忙しい〜
机にもたれ掛かりながらダルそうに呟く〇〇
玲:でも就活は人生の大きな分岐点になるからちゃんと答えてあげてよね?
〇〇の隣の席に座る同期の玲に注意される
〇〇:分かってますよ〜
玲:ほんとに分かってる?
〇〇:分かってるって〜
そうこう言ってるうちにセンターの開館時間に
たちまちセンター内は就活中の学生で混雑し始める
玲:〇〇、初めて来た人から指名入ってるよ〜
〇〇:えっ、そんなことあんの?
玲:確かに…珍しいよね〜
〇〇と玲が驚くの無理は無い
初めて来た人はその時空いている人が担当するのがここのセンターのルールだ
そして2回目以降はアドバイスがブレるといけないので1回目に指導を担当した人が以降その人の担当となる
そんなこともあり指名が入ることは極めて珍しいことなのだ
変な人じゃないといいな〜と思いながらカウンターへ向かうと1人の女性が座っていた
〇〇:お待たせました〜今回担当させて頂く〇〇と言います
??:えっと…私は守屋麗奈と言います…
守屋:就活を始めたいんですけど、何からやればいいか分からなくて…
〇〇:分かります、いきなり就活って言われても困りますからね〜
守屋:そうなんです…
〇〇:もし今の時点で希望の職種があったらこちらの用紙に書いてくれませんか?
〇〇:もし希望の業種があればそれに合わせてこれから対策をしていきましょう!
守屋:分かりました!
そう言うと彼女は迷いなくペンを取り用紙に書き始める
〇〇:(迷いなく書くってことは相当やりたい仕事があるんだろうな…)
〇〇:(ちゃんと守屋さんがやりたいことをやれるように頑張らなきゃ!)
〇〇がそんなことを考えていると
守屋:書けました!
〇〇:ありがとうございます、確認させてもらいますね
〇〇:…??
〇〇はもらった用紙を見て絶句した
用紙には第1希望から第3希望までの希望職種とその理由を書く欄がある
だが書いてもらった用紙は第1希望のみが書かれていた
ここまでは何もおかしいことは無い
むしろやりたい事が決まっているので〇〇としても助かる
…のだが、彼女の第1希望には
「〇〇君さんの奥さん(専業主婦)♡」
と書かれていたのだ
〇〇:…あの…守屋さん?
守屋:はい♪
〇〇:これってどういうことですか?
守屋:〇〇さん、麗奈のこと覚えてないんですか?
〇〇:…どこかでお会いしましたっけ?
守屋:…覚えていなんだ…麗奈悲しい…
〇〇:すいません…守屋さんほど可愛い方なら覚えていると思うんですけど…
守屋:もう…可愛いなんて…///
守屋:前に大学構内で迷っていて麗奈が困っている時に〇〇さんが道を教えてくれたじゃないですか〜
〇〇:…あ〜そんなことがあったような…
守屋:その時にすごく優しくしてくれた〇〇さんに一目惚れしちゃったんです///
守屋:それ以来〇〇さんを探していたらこちらに勤めているのが分かったので来ちゃいました♪
〇〇:…
〇〇:そう言ったもらえるのは嬉しいですけど、就活ってすごく大事なことなのでもう少し真剣にかん…
守屋:麗奈は真剣ですよ?
守屋さんは今日1の真剣な眼差しで〇〇を見つめる
守屋:すごく真剣に考てここに来てるんです
〇〇:…分かりました、それにしても結婚はいきなりなのでまずはお互いを知るところからでいいですか?
守屋:なるほど…まずは付き合ってお互いのことを知るとこらからですね♪
守屋:就活でもまずはインターンシップでその会社のこと知りますからね♪
〇〇:(インターンシップを知ってるなんて守屋さん就活のこと知ってるじゃん…)
〇〇:…あの…守屋さん…いきなり付き合う必要あります?
守屋:えっ…付き合ってくれないんですか?
目をウルウルさせながら〇〇を上目遣いで見つめる守屋さん
〇〇:(…うっ…それはズルい…)
〇〇:分かりました…
こうして守屋さんと付き合うことになった〇〇
守屋:これからよろしくお願いします!"ダーリン"♡
〇〇:その呼び方はまだ早いですって…
就職を助ける立場から就職される立場になった〇〇でした