新しい主治医は病弱な僕を助けるために医者になった同級生だった
〇〇:課長…すいません…ちょっと具合悪くて今日は帰ってもいいですか?
課長:おう、気にすんな
課長:ゆっくり休んで体調を万全にしてくれ
〇〇:…いつもすいません…ありがとうございます
〇〇は生まれつき病弱で不定期で体調を崩してしまい、度々会社を休むことがあった
課長:だから気にすんなって、そんなこと百も承知で雇ってんだからさ
課長:いつもの病院の予約は出来てるから早く行ってしっかり休むように
〇〇:いつも何から何まですいません
会社近くのかかりつけの病院で診察を待つ
看護師:〇〇さん〜診察室へどうぞ〜
看護師:あっ〇〇さん今日から主治医の先生が変わりましたので
〇〇:分かりました
〇〇:失礼します
??:どうぞ〜こちらにかけてください
中に入ると女性の先生が椅子に座っていた
??:今日はどうされました?
〇〇:実は小さい頃からずっと体が弱くて、不定期で体がだるくなったり熱が出たりするんです
??今回も、その影響で体のだるさがある感じですか?
〇〇:はい
??:"昔から症状は変わっていないみたいだね"
〇〇:"昔から"って…
??:本当に私のこと覚えていないの?
〇〇:…
〇〇:…もしかして玲?
玲:やっと気が付いた〜〇〇は相変わらず鈍感だね〜
〇〇:玲って医者になったんだ
玲:あれ?もしかして昔、話したこと覚えていない?
〇〇:…昔話したこと?
〇〇:…
〇〇:…マジでごめん、思い出せない…
玲:もう…ほんとに〇〇のマイペースな感じは変わらないね〜
…………
玲と出会ったのは高校2年生の時だった
その頃から体が弱かった〇〇は度々保健室に行っていた
その時保健委員として一緒に保健室まで行ってくれたのが玲だった
〇〇:玲、授業の途中にいつもごめんね…
玲:うんうん、気にしないで!
〇〇:…なんでこんなに体調悪くなるんだろ
玲:ほんとそうだよね…〇〇いつもすごく大変そう…
玲:なんか特効薬とか治療法とかないの?
〇〇:お医者さん曰く特にそういうのはないって
玲:そっか…
〇〇:まあたまに具合悪くなるだけだし、上手く付き合っていくしかないんだろうね…
玲:あっそうだ!
〇〇:どうした?
玲:私が〇〇の万能薬になる!
〇〇:そのセリフどっかの某漫画で聞いたことあるな…
玲:バレた?エヘヘ
玲:…じゃなくて、私が医者になって〇〇の体調を良くする!
〇〇:玲…冗談でも嬉しいよ
玲:私は本気だよ?絶対に〇〇のことを良くしてあげる!
〇〇:ほんとに無理はしないでね…
玲:うん!
…………
玲:どう?思い出した?
〇〇:はい…思い出しました…
玲:というわけで〇〇にはこれから週1回、通院をしながら私が考案した治療を受けてもらいます
〇〇:えっ…それってまさか…
玲:そのまさかだよ!
玲:効果が出るまでは時間がかかるけど直に不定期で体調を崩すことも無くなるよと思うよ!
〇〇:玲が僕の為に頑張ってくれていたのに、色んなことを忘れてしまい大変申し訳ないです…
玲:ほんとだよ!
〇〇:まさか、自分の体が良くなるなんて思いもしなかった
玲:でしょ〜
〇〇:玲、ほんとにありがとね!
玲:どういたしまして!エヘヘ
〇〇:でもどうして僕の為にそこまでしてくれたの?
玲:そっそれは…///
玲:なんでだと思う?
何故かモジモジしながら〇〇を見つめる玲
〇〇:なんでだろ〜
〇〇:分かった!玲の親族の人にも僕と同じような症状の人がいたんでしょ!
玲:…ほんとに〇〇は鈍感だよね
〇〇:あれ?違う?
玲:全然違う!
〇〇:う〜ん、じゃあなんだろ…
〇〇:玲、教えてよ〜
玲:私のことも約束のことも忘れていた〇〇には教えません!
〇〇:え〜気になるじゃん〜
玲:しょうがないな…
玲:ちゃんと体の具合が良くなったら教えてあげる!
〇〇:分かった!じゃあすぐに体調良くして教えてもらおっと
玲:ちゃんと途中で分かったら言ってね!
〇〇:…善処します
こうして玲とともに治療に励むことになった〇〇
玲が医者を目指した理由・玲の気持ちに〇〇が気が付くのはまだまだ先のお話