婚活パーティ体験記
彼女が欲しくて婚活パーティに参加
9年ほど前に参加した婚活パーティーのお話しです。
40代後半になっていた私は真剣に将来のことを考えていました。
40代前半にうつ病を発症し、社会から離脱。
その後、療養生活を続ける一方で妻との離婚が成立しました。
約2年でうつ病を克服し、社会復帰を果たします。
それから数年は独り気ままに生きてきたわけですが、40代後半になり無性に彼女が欲しくなったのです。
そのひとつの手段として婚活パーティを選びました。
少人数のパーティ
そのパーティは8対8という少人数(今回は女性が一人欠席で8対7)のものでした。
個室で各女性と1対1でお話しができるというのが特徴のパーティ。
男性が女性の個室を順番に回り5分ずつお話をしていきます。
それを2回繰り返し、最終的に気に入った女性をシートに記入(3名まで)
そのシートを係員が集計しカップルが成立していれば個別に報告してくれるという流れになっていました。
実は私、このようなパーティーに参加するのは2回目でした。
1回目では不慣れな部分もあり自分の力を発揮することなく終わってしまいました。
もちろんカップルにはなれず。
そこで今回はリベンジの意味も込めて参加しました。
盛り上がるトークタイム
「もうマニエールさんお腹いたーい。なんでそんなに面白いんですか?今日のメンバーの中でいちばんおもしろいかも〜」
私の話しにゲラゲラと笑ってくれたのは38歳の和美さん(仮名)
足裏マッサージ店に勤務している彼女はアウトドアが大好きなとってもアクティブな女性。
数分間のトークで話はかなり盛り上がりました。
「有村架純さんてどんな方なんですか?」
私のプロフィールカードの好きなタレント欄を見ながらそう聞いてきたのは39歳の由美子さん(仮名)
(初めてのパーティーでは好きなタレントを壇蜜にして少し引かれたために有村架純に修正)
由美子さんは西宮在住の歯科衛生士。
お嬢様っぽい彼女は芸能界のことなど全く知らない様子。
少しバドミントンの潮田玲子に似ていました。
私の有村架純論をうん、うんと何度もうなずきながら聞いてくれました。
ここでも好印象をゲット。
他の女性たちとも概ね話は盛り上がり、かなりの手応えを感じていました。
パーティ係員からの意外なお願い
そのトークタイムが終盤にさしかかった頃。
女性が一人少ないため、私が1回休みの状態になったときのことです。
椅子に座り待機していると係員の綺麗な女性が話しかけてきました。
「マニエール様、実はこのあと16時から同じ形式のパーティーがあるのですが。参加者の方に急遽キャンセルが入ってしまいまして。もしよろしければ参加していただけないでしょうか?」
突然のことに私は「えっ」といったきり次の言葉が出てきませんでした。
係員の女性は続けて言いました。
「もちろん参加費は半額で結構でございます。いかがでしょうか?」
係員の女性は申し訳なさそうな顔で私の返事を待っています。
(なんで俺に声をかけたんだ?)
(男は他に7人もいるではないか)
(俺が一番カップルにならなさそうに見えたのか?)
(もし万が一、カップルになってこのあとお茶でも行って盛り上がってしまったらその彼女に、すいません、このあとまた婚活パーティーがあるんでこのへんで失礼しますとか言わないとだめなのか?)
(いや待てよ。ひょっとしたらこのあとのパーティーのほうがもっと私にふさわしい女性が来ているかもしれないぞ)
色々考えを巡らせました。
そして係員に言いました。
「あなたみたいなキレイな女性に頼まれたら断れるわけないじゃないですか。参加しますよ」
係員の女性は嬉しそうな笑顔を浮かべ私に何度もお礼を言ってきました。
結果発表
そうこうしているうちにすべての女性とのトークタイムが終了。
私は気に入った女性3名の名前の番号をシートに記入し先程の係員に提出しました。
男性陣は結果が出るまで待合室で待機することに。
待つこと10分。
先程の係員の女性が待合室にやってきました。
「3番の番号札の方いらっしゃいますか?」
いきなり私の番号が呼ばれました。
「はい!」
私は元気よく返事し、椅子から立ち上がりました。
その女性係員と別の小部屋に入りました。
(さあ、誰とカップルになったんだ?)
私は自信満々で係員からの言葉を待ちました。
「マニエール様、残念ながら今回はカップルにはなりませんでした」
係員は申し訳ない表情で言いました。
(えーーーー!なんでやねん!?あれだけ盛り上がったやないか!これなんかの間違いちゃうんか?いやいやいやいや考えられへん。和美も由美子もいやや言うたんか?良枝もアカンてか?)
予想していなかった結果だっただけにショックも半端なく大きかったのです。
しかし表情には全く出さないよう気をつけました。
「そうですか。じゃあ次16時ですよね?」
私は棒読みで係員の女性に言いました。
「マニエール様、私、婚カツに対するカウンセリングもやってるんです。よかったら受けられませんか?今後の婚カツ活動の参考になるかもしれませんよ。もちろん料金はいりませんので」
そう言うと彼女はニッコリと笑いました。
女性係員のカウンセリング
係員の女性桃子さん(仮名)は聡明で話が上手でした。
そしてとてもキレイでエロかったのです。
年齢を聞いてびっくりしました。
もう47歳とのこと。
どこからどう見ても30代前半だと言うととても喜んでくれました。
桃子さんは色々とためになる話をしてくれました。
(これだけの短時間で女性の心をつかむにはどれだけ誠実にそして真剣に結婚のことを考えているかを伝えるべき)
(バツイチで子供がありでも受け入れてくれる女性は必ずいる)
他にも色々と目から鱗的な話しが聞けました。
30分近く話し込んだでしょうか。
途中からは桃子さんを口説いていたほど素敵な女性でした。
一旦会場をあとにしました。
コーヒーを飲みながら16時からの第2戦に備え戦略を考えました。
そして16時前に再び会場入り。
運命の第2回戦スタート
今回も8対8の少人数のものです。
前回と流れは同じでした。
一通り会話を終えたところで女性陣のチェックをしました。
前回よりも私好みの女性が多い感じがしました。
それなりにトークも盛り上がり期待が高まります。
最終的に私は3名の女性に的をしぼることにしました。
由紀子さん(仮名)
42歳。バツイチ。3人の子持ち。
会社の事務員。
かなりの美貌の持ち主。
趣味ドライブ、旅行。
「女優のあの人に似てますよね。あの綺麗系の。あの人。あれ、出てこない。あの人。すっごい綺麗なあの人」
という私の投げ掛けにまんざらでもない様子。
かなえさん(仮名)
40歳。独身。
雑貨店販売員。
不思議ちゃん系。
趣味 読書
最近読んだ本の話しになり、私が「世界から猫が消えたなら」のストーリーのさわりを説明すると「今アタシの頭の中にリアルにイメージできました。アタシもその本読んでみたくなりました。もっとマニエールさんと本の話しがしたいですー」と言って絶賛され、とても気持ちよくなりました。
枝里子さん(仮名)
39歳。バツイチ。子供なし。
アパレル会社勤務。
趣味 旅行
私が昔付き合っていた女性、香(通称かおりん)にくりそつ。
枝里子さん曰く。
「マニエールさんすごいインパクトあります」
2回のトークタイムが終わりタイプの女性3名をシートに記入しました。
誰を第一希望にするかを決めます。
①枝里子さん
②かなえさん
③由紀子さん
この順番で先程の係員桃子さんにシートを提出しました。
そして第1回戦と同じ待合室にて待機。
再び結果発表
10数分後。
係員桃子さんがやって来ました。
「8番の方こちらへどうぞ」
係員の桃子さんが大きめの声でそう言いいました。
私の番号札は2番。
しばらくして桃子さんが戻ってきて次の番号を読み上げます。
「5番の方こちらへどうぞ」
どうやら呼ばれる順番は番号順ではないようです。
緊張感が増してきます。
再び桃子さんが戻ってきて番号を読み上げます。
そのたびに心臓がバクバクと音をたてるのがわかりました。
「2番の方こちらへどうぞ」
私が呼ばれたのは最後から2番目でした。
桃子さんと別室に移ります。
桃子さんが私に顔を近づけて言いました。
「マニエールさん、おめでとうございます!カップル成立しましたよ!」
桃子さんは自分のことのように喜んでくれました。
「女性の方を呼んできますから、ちょっと待っててくださいね」
その女性は枝里子さんでした。
私達は桃子さんにお礼を言い会場をあとにしました。
「よかったらコーヒーを飲みながらお話しでもしませんか?」
私がそう言うと枝里子さんは、はいと言ってくれました。
枝里子さんは身長160センチほどのスレンダー体型。
スタイルは抜群で、タレントの渡辺満里奈に似ていました。
彼女は5年前に離婚。
旦那の女関係で色々と苦労されたようです。
話は尽きることがありませんでした。
40~50分は話し込んだでしょうか。
次は晩御飯を御一緒する約束をし、駅の近くまで彼女を送りました。
私は枝里子さんの後ろ姿が見えなくなるまで見送りました。
衝撃的な結末
その夜、私は今日の出来事を思い出していました。
婚活パーティにダブルヘッダーで参加。
最初のパーティで悔しい思いをしたあと、婚活アドバイザー桃子さんにアドバイスをいただき、第2戦に臨んだ。
そしてその戦いに勝利し、枝里子さんというとても魅力的な女性とカップルになった。
そして彼女とカフェでデート。
今後の進展に期待が高まりワクワクが止まらない。
なんてドラマティックな1日だったんだ。
私はひとりでニヤニヤしながら、有意義な1日を振り返っていました。
そして枝里子さんからもらった連絡先交換カードをカバンから取り出しました。
そこには枝里子さん本人に書いてもらったlineのID番号が記載されています。
私は今日のお礼をしようと枝里子さんのID番号を検索しました。
《該当するユーザーが見つかりませんでした》
それからというもの、私は来る日も来る日も枝里子さんのIDを検索しました。
何かに取り憑かれたように。
しかし、残念ながら彼女と繋がることはありませんでした。
私にとっての婚活ドラマは、まだ始まったばかりだったのです。