見出し画像

More than I imagined

私事ではあるが、先日20歳の誕生日を迎えることができた。

今は成人年齢も18歳になり、私たちは中途半端に19歳のときに「はい、あなた達はもう成人ですよ」と言い渡された世代で法律的にはもうすでに成人しているのだが、人生のほとんどを「成人は20歳」として教えられていた身としては、やはりまだ20歳になるということに特別な意味を与えているようだ。成人式もこれからだし。

それでも、まだまだ実感は薄い。本当に不思議だ。この間まで買っても飲んでもいけなかったお酒を堂々と買えるのだ。身分証さえ持っていれば、何食わぬ顔で陳列棚からビールでもカクテルでも焼酎でもなんでも自由に取り出し、レジで購入することができるのだ。私は変なところでまじめすぎる質だから、20歳になるまではお酒の陳列棚に近寄ることすら避けていたのに….。

お酒だけではない。私は煙が苦手なのでたぶん吸わないと思うけれど、タバコだってそう。父が昔やっていた競馬の馬券だって今なら買えてしまうのだ。

本当に不思議だ。


お酒だってタバコだって馬券だって買えてしまうのに、20歳になった私は想像以上に幼いままだ。

親戚の集まりがあれば、手伝いのスピードは必ず年上のいとこに負けてしまうし、今年人生で初めてバイトをしたときに事務の方に口座番号を教えてくださいと言われてどれが口座番号かわからなかったし、かれこれ20年も使ってきた言葉で未だに他人を傷つけてしまう。

二分の一成人式をした10歳だった頃の私に現状を伝えたら、笑われてしまうだろうか….。


20歳になった今は、10歳だった頃に想像していたよりずっと大変だ。

なぜか、手に職をつける職人タイプの人間が多い家系に生まれたのにあれよあれよと大学に来てしまったし(自分が望んだことだから後悔は微塵もないのだけれど)、その大学では人並みに悩んで苦しんでいる。体育会系の根性のある両親のもとに生まれたはずなのに、いわゆる感受性というものが強くてすぐにストレスを受けてダウンしてしまう。

10歳だった頃の私、これからもっとつらいことがあるけど、ごめんね。


10歳の頃想像していたより、幼いし大変なこともあるけれど、それでも、20歳になった私は想像していたよりもずっと恵まれていて、幸せだ。

衣食住に困ることはないし、塾にも、高校では海外留学にも行かせてもらって、良い先生方と出会った。私のためにサプライズで誕生日パーティーをしてくれる友達もいるし、友人たちとキャンパスで会えば、まるで自分の誕生日かのようなテンションでお祝いしてくれる。何より、両親が私のやりたいことにいつも協力的だったのがありがたかった。

結局最後はこんな綺麗ごとか、と思われても良いくらい私は自分自身が恵まれていることを自覚している。


様々なところ、方法で私の誕生日をお祝いしてくださった方、そして私をこれまで支えてくださった方、本当にありがとうございます。図々しいようですが、これからもどうぞよろしくお願いします。


10歳だった頃の私、20歳の誕生日を迎えてもなお、全然大人じゃないし、かなりつらいこともあるけど、大丈夫、私は今、想像以上に幸せです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?