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リアコに一度もなったことがないオタクの話

オタクの皆さんは「リアコ」になったことがあるだろうか。少し前は「ガチ恋勢」なんて言われ方もしていたが、今ではすっかり「リアコ」のほうが市民権を得たように思う。

念のために意味を確認しておこう。「リアコ」とは、ある芸能人やアイドルに対して憧れの気持ちを超え、本気で付き合いたい、結婚したいというような感情を持っている人、またはその状態を指す。(参考ページ

そしてタイトル通り、私は小学4年生からの約9年間オタクをしてきたが、リアコになったことも、それを拗らせたこともない。

過去の記事を見てもらうとわかると思うが、今私はTOMORROW X TOGETHERというアイドルグループが好きで、情報を追うためにTwitterもよく見ている。そこでTLを見ていると、やはり彼らがアイドルだからなのか、よくリアコのような人を見かける。そして最近では、推しに対しての母性が爆発しすぎて母親のような感情まで持つ人も少なくない。しかしもう一度言う。私はそれらのどの感情も抱いたことがない。それを友達に言ったら少しおどかれたことがある。よく拗らせないね、と。確かに、キラキラな若いアイドルを推していて嫉妬を一切しないとか、彼らを生んだ記憶があるとかいうことを思わないのは珍しいのかもしれない。

では私は、推し(ほぼTOMORROW X TOGETHER)に対していったいどのような感情を持っているのか、自己分析しながら書き起こしてみようと思う。

これからの文章は、人間である彼らをややフィクションの登場人物のように扱う表現が出てくるので、苦手な人はご注意いただきたい。閲覧はあくまで自己責任で。




まず初めに、私は重度の厨二病なんだと思う。だから彼らの青春を美しく残酷に描くコンセプトが大好きなのだ。彼らのコンセプトや曲のメッセージのすばらしさについては、また別の記事で言及するとしよう。

ここですでに気づいた方もいるかもしれないが、そう、青春の美しさ、残酷さ、苦しさ、そして儚さのなかで生きる彼らが最高に私の趣味に刺さる。青春に囚われている彼らを鑑賞していたい。ゆえに、これまでのコンセプトフォトで好きなのは、EternityのStarboard ver.(セーラー服)、FreezeのWORLD ver.である。そして最近公開されたChaostic WonderlandのZERO ver.も最高に好きだ。一生凍った世界で閉じ込められていてほしいと思うくらいだ。

この感情を自己分析したときに、昔聞いたある話を思い出した。

それはみずがめ座にまつわる話である。

ギリシャ神話の神々たちは酒宴を盛んにしていた。当時お酌をしていた絶世の美女ヘベが結婚することになり、その役目を外されることとなった。しかしお酌をする役目がいないと酒宴が成り立たないため、ゼウスは新しい候補を探すことにし、しばらくすると地上に美しい少年を見つけた。するとゼウスは鷲に姿を変え、その少年を連れ去ってしまう。そして彼を不老不死にし、酒宴で給仕をさせた。

最終的には、息子の失踪をとても心配した少年の両親を思い、少年が給仕をする姿を星にしたと言われている。(諸説あり)

私は思った。このゼウスになりたい。美しい少年を鑑賞し、不老不死にしたい。さすがに両親には同情するので、私だったら返さないという選択肢は選ばないが、最高の美少年を見つけた時のゼウスの気持ちといったら、どれだけ興奮しただろうか。もちろん彼の気持ちを100%理解することはできないのだが、なんとなくでも分かってしまうのだ。

もちろん、現実に存在する推しは年齢を重ねた姿を見るのも楽しみなので、不老不死にしなくてもいいかなと思うが、その代わりに彼らの幸せを不老不死にできたらなと願う自分がいる。

もしかしたら、アイドルの彼らは、この少年と同じなのかもしれない。美少年という運命を背負い、事務所というゼウスに保護され、ステージという名の酒宴で私たちを楽しませてくれる。正直、一般人として生きていたほうが楽なこともあったかもしれない。それでも、彼らは恐ろしいほどの才能と努力を身を削ってまで私たちファンに捧げてくれている。そんな彼らに私たちが与えられるネクタル(不老不死の媚薬)といえば、地道な応援しかないのだろう。


最後は話が脱線してしまったが、おおむね私が推したちに抱いている感情はこんな感じだ。これからも、アイドルとしてコンセプトを消化する彼らに楽しませてもらう。それ以外は、誰とどんなふうに生活していようが、いい意味でどうでもいい。彼らが幸せであるのなら。もし相性が悪くなってしまったら私は自然と離れて他の推しの元へ行くから。彼らは好きなことをして過ごしてほしい。私はまた新しい給仕役を見つけるから。

ずいぶんと情のない表現に見えるだろうが、彼らには本気で幸せになってもらわないと困るくらいは好きだ。なぜなら彼らに感謝しているから。だからこそ、絶対に現実では、もしできたとしても彼らとは関わりたくない。これが私の彼らへの愛のかたち。


リアコではないオタクの皆さんは、他にどんなことを推しに対して思っているのかも気になるので、ぜひこの記事のコメント欄を活用してみてほしい。

最後まで読んでくださったあなたに感謝して、この記事を締めることとする。

今日もよい推し活を。

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