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【バブル崩壊へカウントダウン】パティソン兄弟の豪遊ライフ《パティソン事件②》

■パティソン事件とは

こちらがとてもわかりやすい説明なので、引用します!

1899年。 パティソン事件(Pattison affair)が起こり、業界全体の危機を引き起こした。エジンバラのブレンダーのパティソン兄弟は、強気一方、相当あくどい商法で売り上げを伸ばしたが、資金繰りに窮して帳簿操作で切り抜けようとしたが倒産、多くの蒸溜所や関係会社が連鎖倒産に追い込まれた。兄弟は裁判で有罪となり服役刑に処せられた。
稲富博士のスコッチノート 第101章

稲富博士のスコッチノート 第101章 バランタイン・ウイスキーの話-その2.バークレー・マッキンレーからハイラム・ウォーカー(スコットランド)の時代 (ballantines.ne.jp)

このパティソンズ社は、ブレンディッド・ウイスキーを手がけるブレンド会社の中で新興勢力でした。(詳しくは前回記事を↓)

【バブル崩壊前夜】 ブレンディッド・ウイスキー全盛時代《パティソン事件①》 | 記事編集 | note

パティソンズ社は、ブレンディッド・ウイスキーの売上を急激に伸ばすとともに、その羽振りの良い(成金的な?)行動が話題となっていましたので、いくつか事例をご紹介したいと思います。


■パティソン兄弟の豪遊ライフ

《武勇伝①》豪華な宮殿のような施設

エジンバラにオフィスを構え、各地に土地を所有したりと、「宮殿のような施設など、彼らの金遣いの荒いビジネスは業界の話題の種」!
とても豪華な暮らしぶりをしていたそうで、プライベートルームは「本物の芸術絵画」のようだったと記されています。

[チャーリーコメント]
ただこの成金趣味は、当時も評判が悪かったそうです・・・
スコッチウイスキーの歴史 P196.199 国書刊行会


《武勇伝②》直営&資金貸付による特約パブのチェーン展開

「1890年代初期にパティソンズ社を訪れたアルフレッド・バーナード(※)は、これらの商品の販売規模に驚いた。『リースにはパティソン社の国内販売部門に関係しているパブばかり』

[チャーリーコメント]
自社製品を販売するパブをチェーン展開とは、やり手ですね。
スコッチウイスキーの歴史 P195 国書刊行会

※ アルフレッド・バーナード
ジャーナリスト。スコットランド、アイルランド、イングランドのほぼ全蒸溜所(スコットランド129ケ所[うちキャンベルタウン20ケ所・ローランド37ケ所]、アイルランド28ケ所、イングランド4ケ所)を回って『英国のウイスキー蒸溜所』(初版1887年、各蒸溜所の詳細情報が記されている)を出版したことで有名。


《武勇伝③》莫大な広告費の投下 & 業界最多の販売員

莫大な印刷広告に加え、競合のDCL社(今の業界最大手ディアジオへ繋がる会社)よりもはるかに多い150人の販売員を雇用していたそうです。

[チャーリーコメント]
思いっきり「攻めの経営」ですね。
Wikipedia英語版 パティソンズウイスキー

パティソンズウイスキー-ウィキペディア (wikipedia.org)


《武勇伝④》広告用に訓練されたオウム500羽を配布

“Pattisons Whisky is Best!‘’“Buy Pattisons Whisky!‘’といったフレーズを繰り返すように訓練された500羽の灰色のオウムを業者に配布した」そうです。

[チャーリーコメント]
アイデアマンであることは認めますが、今なら動物愛護団体から袋叩きにされそうですね・・・
Wikipedia英語版 パティソンズウイスキー


《武勇伝⑤》投機目的でウイスキー原酒を共同購入

「蒸留会社、ブレンダーやブローカーと値上がりを見込んウイスキーを共同購入する『ジョイント・ベンチャー』も行っていた」

[チャーリーコメント]
実に怪しいですね、これ。
スコッチウイスキーの歴史 P195 国書刊行会

結果的にパティソンズ社は破産して、蒸留会社が支払い金額を受け取ることはなかったそうです。 ひどい話・・・

そりゃ納入業者である蒸留会社も、お金を払ってもらえなければ連鎖倒産しますよ。


そして、世界的にウイスキー価格が高騰している現在も、一部で同様なこと(投機目的でモルト原酒を売買)が行われています。

特に閉鎖蒸溜所の原酒などは、貴重なので『1樽=1億円以上』で取引されることもあります。
ただ、厳しい言い方をすると、閉鎖蒸溜所は、その当時「人気がなくて、売れなかったから」閉鎖したわけです。

蒸溜所が閉鎖された「ウイスキー不況」の当時は、その原酒樽は「場所をとって邪魔だから捨てて来て!」というレベルの扱いを受けていました。
せっかく天塩にかけて育ててきた原酒に対して、悲しく寂しい扱いですが、それが歴史的事実です。

それが今や、超高額で取引をされているという現実。

スコッチも、バーボンも、ジャパニーズウイスキーも、アイリッシュも、カナディアンも、5大ウイスキーはどれも、歴史的にずっとアップトレンドとダウントレンドを繰り返して来ました。

ブームには『波』があります。
その点には、くれぐれもので注意が必要だと思います。


■そしてついにバブルが弾けます!

次回に続きます!

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