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パワースポットとして感じた広島平和記念資料館

 先週、広島平和記念資料館を訪れました。

 2月にも平和記念公園を訪れたのですが、その時はコロナのまん延防止措置のため、あいにく平和記念資料館は閉鎖されていました。
 
 私は世界で唯一の被爆国にいる人間として一度は訪問すべきと思っていた場所だったことやウクライナの紛争で核の使用が懸念されている中、原子爆弾の被害について肌身で感じたいと思い、初めて訪問しました。

 平和記念資料館で展示されている被爆者の写真や遺品、原子爆弾の破壊力を示す遺物は目に焼き付いて離れないものでしたが、実は私が最も印象に残ったのは記念館を訪れた見学者の真摯な姿勢でした。

 展示品の中には見ていることがどうしようもなく辛くなるような展示品もありますが、老若男女の見学者が一つ一つの展示品に時間をかけて、静かに丁寧に見入っていました。それはまるで原爆で亡くなった方のそれぞれの人生と向き合い、亡くなった方を弔うかのようです。
 
 私は海外含めていろいろな美術館や博物館に行ったことがありますが、ここまで見学者が真剣に展示品と向き合っているのを見るのは初めての経験でした。まるでヨーロッパの荘厳な教会の中で祈りを捧げているような雰囲気です。今回は平日の夕方という時間でたまたまそういった雰囲気だったのかもしれませんが、皆が亡くなった方の死を無駄にしないよう、平和への願いを静かに身を持って感じ取っているように感じました。

 価値観の多様化が進む現在でも、一緒に見学をされている方とは言葉では会話をしないものの、共通した思いを持てるような、希望や共同体感覚を感じます。

 そして一歩外を出て、広島の日常生活が広がっているのを見ると、どんなに辛いことがあっても、前を向いて復興に尽力された人々の驚異的な力強さに尊敬の念を感じます。

 この広島の平和記念資料館は平和を維持することを強く願う場所であると同時に人間の希望や共同体感覚を思い起こさせてくれるパワースポットでもあると思いました。


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