深夜のかりすま名画座:新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に
エヴァンゲリオンにより使徒は全て殲滅されました。
ゼーレの人類補完計画(サードインパクト)遂行を碇ゲンドウが拒否した事を受け、戦略自衛隊によるネルフ本部の武力占拠が始まります。
一方でエヴァンゲリオン初号機パイロット・碇シンジは、魂を抜かれた様に途方に暮れていました。
紛れもなく"凄い作品"ですが。
気持ち悪い、面白い面白くない以前に。
其れはあくまでも感想に過ぎませんが。本作の場合「気持ち悪い」が批評として正確でしょう。
この映像展開を「病人の頭の中」と称したアニメーション監督が居ました。
心の不協和を客観的に、否応なく認知させられている感覚が少なからずありました。
つまり自分がどうだ、という話ではなく。
エヴァンゲリオンの此の側面が人々の根幹に触れ社会現象になったとしたら、本作は「社会の診療録」であると思わざるを得ない。
其の気持ち悪さが自分には我が身と地続きの様に感じられ、その上で最後まで向き合う選択をしたけれど。
例えば「キャラクターが何やら苦しんでいる」という(自らを其処に重ねない)目には、本作が人々の何を惹きつけるかを理解する事が出来ないと想像します。
後のアニメ作品群に与えた影響は計り知れないけれど。これ程センシティブな作品は後にも先にもない。範囲を映画全体に広げたとしても、そう多くはないでしょう。
「面白い」「面白くない」のどちらかしか言えないとしたら、やはり面白くはない。それでも観た人間の心を、良くも悪くも掴むのは事実。
初見だから再び観たいと思う様になるかは分かりませんが取り敢えず、今は二度と観たくない。