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1億総テレビ局時代へ突入!?

個々が小さなテレビ局を持つ時代の幕開け

 2年ほど前に幾つかの会社の方々にこんなことを話しました。
「GGCのYouTubeチャンネルをテレビのように毎週決まった時間に決まった番組が流れるようなものにしたい!」

 流行り病の蔓延が始まった頃だったこともあり、何を言っているんだこいつはという目で見られることが多かったのを今でも覚えています。

 それから2年程が経ち、今やYouTubeがテレビ局化しそうな時代がやってきました。
 この記事では実際にどのような事例があるのかや、何故そうなっていったのか、そして2024年以降どのようになっていくと予想しているのか等について記載できればと思っています。

チャンネルがテレビ局化している事例

 ONE PIECE 公式YouTubeチャンネルでは、2023年10月29日以降全話のアニメ映像を放送し、同時接続者数が20万人を超えることもありました。

 Love Live! シリーズ公式YouTubeチャンネルでは、1週間ごとに各話のアニメ映像を放送し、1週間の間のみアーカイブとして閲覧が可能にしていました。

 Nontitleチャンネルでは、YouTuberの「ヒカル」と「朝倉未来」が主催となり、若者に新しいビジネスを作らせて成功させていくという番組を2 Seasonに渡り投稿。Season 1 では189万回、Season 2 では144万回再生を1話で記録しています。

 THE FIRST TAKEチャンネルでは、アーティストが一発撮りという緊張感の中で自身の曲を歌う動画を投稿しています。「DISH//」の「猫」は2.1億回再生をされる等、非常に多くのユーザーが聞いている音楽番組と言えます。

YouTubeがテレビ局化した背景

YouTubeがテレビに代わる情報収集ツール

 『Z世代はテレビ離れをしている』という言葉を良く聞きます。
 実際Z世代よりは少し上の世代ですが、私自身もテレビを見る機会は子供の頃に比べるとここ数年でかなり減りました。
 しかしながら実に面白い記事があります。
 記事によるとZ世代はテレビを見ないわけではなく視聴時間が減っていたり、テレビを見る目的が異なっていたりするというのです。

 上記の記事の中にもありますがZ世代にとっての情報収集ツールはSNSです。
 これはインターネットとスマートフォンの普及と浸透により、一番身近なアイテムになっている為と言えます。
 昔はテレビやラジオが普及し、情報収集にはテレビやラジオを見聞きすれば良いという流れでした。
 今の若者は常時スマートフォンを持っているので、家にいるときや外出時、移動中なんかもスマートフォンで簡単に情報収集が出来てしまいます。

図1:スマートフォンの普及率
図2:主なSNSの利用率
図3:YouTubeの年齢別ユーザー数 男女別

 スマートフォンと共に普及したSNSの中で、Z世代が主に使うSNSはLINEとYouTubeとなっています。
 そんなYouTubeも年代別に見てみると利用者の割合は10代~30代までが96%を超えている状況にあることがわかります。
 10代や20代前半といったZ世代と言われる若者は97%以上が利用者であることがわかり、テレビの代わりにYouTubeを見るという文化が根付いていることがわかります。

YouTubeのトレンド

 YouTubeの活動内容はここ数年で目まぐるしく変化しています。
 ①動画投稿☛LIVE配信☛両方
 ②3次元☛2次元☛2.5次元

 「はじめしゃちょー」や「HIKAKIN」が誰も寄せ付けずに活躍していた時代ともいえる動画投稿最盛期から始まります。当初は10~30分の動画投稿が多かったです。
 その後TikTok等の普及に伴い、非常に短い時間で多くの情報を得ることに重きを置いたshort動画と、流行り病の蔓延に伴いなかなか人とリアルで会えない現状から生まれたリアルタイムで行うLIVE配信の需要が高まってきました。その際にVTuberと言われる2次元キャラクターが頭角を現してきました。少し前に『兎田ぺこら』等が投げ銭で巨額なお金を稼ぐとしてニュースになったことを覚えている人も多いかと思います。
 しかしそれだけでは終わりません。動画投稿やLIVE配信、3次元と2次元等、どこかに極ぶりした活動はマンネリ化してきて視聴者は次のステージを求めるようになりました。
 LIVE配信形式でテレビ番組のようなクオリティーの高い番組を放送すること。そして2次元の動きではなくキャラクターが3次元の動きをする2.5次元のような動きを視聴者は求めるようになりました。

 こうしてYouTuberは徐々にテレビの配信のような質の高い番組制作を求められるようになっていったのです。

有料配信サイトの普及

 この2, 3年程で有料配信サイトの需要も高まりました。
 Abema TVやNetflixなど、サブスク形式等で様々な番組やそこでしか見られないオリジナル番組を見ることの出来る有料配信サイトが普及していきました。
 これはお家時間が増えたことで外出時に使っていたお金が浮いたことと、これまでの移動時間等のちょっとした隙間時間が目に見える形で表面化したことによるものだと考えられます。
 そうした隙間時間と浮いたお金を使った新しいエンターテインメントとして有料配信サイトの利用に繋がったのではないでしょうか。

 こうしてテレビ番組のようなクオリティーの配信を有料とは言え見ているユーザーが増えたことにより配信に対する目が肥えてきたのでしょう。

これからの予測

 先に挙げたように現在のYouTubeはテレビ局のような番組や、テレビで流れている番組を求める視聴者が増えてきました。
 それにより高クオリティーの番組を配信するチャンネルや、テレビと同じアニメーションを配信するチャンネル等が生まれてきました。
 ここから先はこうした番組を作成し配信するチャンネルがYouTube内で乱立していくことが予想されます。(トレンドとなる)
 しかしながらある一定の期間が過ぎるとチャンネルは解体されていくと考えています。
 正確にはただ解体するのではなく、統合されていくという形になると思います。
 似たようなジャンルの番組を投稿している人や会社が集まって1つのチャンネルを運営し、配信する曜日や時間をそれぞれの番組ごとで取り合う形になるでしょう。
 そこから更にその先はYouTubeチャンネルが今のテレビ局のように様々なジャンルの番組をほぼ24時間常に何かしら配信し続けるという形になっていくのではないかと予想しています。

 これはあくまで個人的な予想でしかないので、現実に起こるかどうかはわかりません。
 しかし2024年のYouTubeにおける活動トレンドの1つとして『チャンネルのテレビ局化』というのが入る可能性は極めて高いと言えるでしょう。

 1億総テレビ局の時代は果たしてやってくるのか。
 今後の世間の動きに目が離せません。

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