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4P単位で「序破急ビート」
※全体の目次↓
※配信版↓
先にまとめ
・マンガは「1シーン=4p」(アレンジ可)
・1シーンは「序・破・急」の3要素で構成されている
・破には「読者が見たいもの」を入れよう
マンガは「1シーン=4p」
マンガは基本的には4p×Nで構成される
例えば「8P漫画だと大体2シーン」「32P漫画だと大体8シーン」を描くことができる、といった感じ。
上記はあくまで”基本”でしかないので「1シーン2P」とか「1シーン6P」とかのアレンジも全然ありえます。(というか4Pできっちり収まる事の方がまれなのでアレンジ前提と言っても良いかも)
ただ、1シーンが長すぎ/短すぎたりが連続すると読みづらくなりやすいので注意。
そして「じゃあ、その1シーンはどうやって構成すればいいの?」というのが「序・破・急」になります・
「序・破・急」とは?
シーンの中で一番「読者に伝えたい/読者がみたいもの」が『破』にあたり、『序』はその起点、『急』は「さっと」はけて次のシーンへと繋ぐ役割というのが序破急のスタンダードな考え方かなと。
コツとしては、『破』の部分には「読者がみたいもの」つまり「欲求」を配置することを意識すると漫画としての訴求力を強めることができます。
※「欲求って何を入れたらいいの?」については前回の『欲求ピラミッド』を参照。
具体例として、実際の作品で「序・破・急」を分けてみると以下のような感じです。
【ヒロアカ1話:P6~9】
序… 巨大ヴィランが登場
破… 対峙していたシンリンカムイの横からMt.レディの必殺技炸裂!
急… ヴィラン逮捕
【宝石の国1話:P10~16】
序… 月人が出現
破… 月人と戦闘。顔を両断するも、断面からヘリオドールの矢先が。
急… ヘリオドールを取り返す決意を固める二人
あくまでざっくりとですが、こんな感じ。
ちなみに『宝石の国』の方は6P構成になっています。「序・破・破・急」と破を読者にたっぷり見てもらう構成で、6P構成はクライマックスやツカミでよく使われたりします。
他にも、あえて破を入れない「序・急」という2P構成もあったりします。エピローグやターニングポイントに使われたりします。
余談:「面白い!」のための「分かる」と「驚き」
最近思った徒然。
漫画だとかゲームだとかのエンタメ作品は「面白い!」を与えるためという側面が強いので、ぱっと見で目立つ「目を引くアイディア/過激さ/ユーモア/意外な展開」等の「驚き」をどうやったら込められるだろうか?を考えるのは大事だなと思うのですが、もう一つ「分かる」という要素も大事だなぁと思ったりします。
「分かる」というのはマンガで言うと「話の筋が分かる/設定を理解できる/共感できる/コマワリや吹き出しが読みやすい」とかがあたると思います。
要は、多くのエンタメは「驚き」だけで成り立っているわけではなく、前段階/下地として「分かる」に支えられることで初めて「面白い!」に繋がるんじゃないかなぁという話です。
目立たないけど「分かる」って大事。
……っていうのを最近以下を読み返して思いました。
「Wii」の企画担当だった人が書いてて、「直観・驚き・物語」を上手く入れることで人はゲームに夢中になる、みたいな本です。いい本。