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断捨離
目の前にある棚からそこに置いてある物全てを
引きずり出して一つ一つと向き合うんだ。
壊れてしまった目覚まし時計。
誰から貰ったのかさえ忘れてしまった香水や
アクセサリー。
アニメキャラクターのフィギア。
衝動的に買ってしまった可愛らしいペンケース。
要るのか要らないのか。
改めて自分と向き合い取捨選択の判断を下さなければならない。
私はこれらの物に頼らなければ生きていけないのだろうかと
自問自答を繰り返す。
思い出や思い入れが的確な判断を狂わせてしまうけど
この中には確実に私にはもう必要のない物が混じっている。
これまでの私の生き方を象徴しているかのようなこれらの品々はもしかしたら私自身の本質をを映し出している気がしてならない。
沢山の品物に囲まれ見つめられ、責められている。
私達はもう要らないの?
必要とされてないの?
捨てられちゃうの?
私はあなた達に問いかけてしまう。
私はちゃんとあなた達を愛せていたのかな?
私はあなた達には必要とされていたのかな?
そこにあなたがある事に安堵して、満足して嬉しかったけど
ある事に慣れてきて、慣れすぎてしまって
ある事を忘れてしまっていた。
そこにあった事を忘れ去っていても、
私は何も変わらずに過ごしていた。
それなのにあなた達は
私からすっかり忘れ去られてしまっていても
この棚でじっと黙って待っていてくれたのに
そんなあなた達を私は必要のない物として
処分しようとしているなんて。
欲しいと思って、時には衝動的に求めて手に入れた。
私には必要だと思って側に置いた。
あなたも私の元で暮らしたいと願っていたはず。
そう、私は確実に求められていたし、
あなたからも絶対に必要とされていた。
だけど、
もう
要らないんだ。