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ハシもアシ、ハコもアシ
前回の最後に、アシが人々の生活と深く関係した植物、と、えらそうに書きました。
‥が、アシで作られたものを考えてみても、ヨシズくらいしか思いつきませんでした‥。
あらためてネットで調べてみたところ、本当にいろいろ出てきました。
すだれ、ついたて、屋根材、紙、夏障子(言われてみれば‥)
ヨシ糸、腐葉土(うん、なるほど)
ストロー、筆(へえ!)
ネットで探すと、結構面白いものが見つかります。
アシ、ヨシ、葦…と、表記のゆれがありますので、いろんな表記を試してみてください。
前置きが長くなりましたが、諸橋大漢和辞典を使って、昔のアシ製品を調べてみました。
葦橋(ヰケウ)
葦で作った釣橋。
葦戟(ヰゲキ)
あしでつくったほこ。
葦篋(ヰケウ)
あしでつくったはこ。葦笥。
葦笥(ヰシ)
葦を編んで作ったはこ。
葦席(ヰセキ)
あしで編んだむしろ。葦蓆。
葦船(アシブネ)
葦を組合わせて作った船。伊弉諾・伊弉冉尊が三年を経ても足が立たなかった蛭兒を葦船に入れて流されたといふ。ささぶね。
葦杖(ヰジヤウ)
葦の杖。輕い刑を施す具。
葦苞(ヰハウ)
葦で作ったつと。
葦箔(ヰハク)
葦で編んだすだれ。
葦籥(ヰヤク)
あしで作ったふえ。古の楽器。
葦笠(ヰリフ)
淸代に官吏の冠る夏の笠。葦を編んで造る。
葦丸屋(アシノマロヤ)
葦で葺いた小屋。
さらに葭や蘆までいれると膨大な量になります。
葦、葭、蘆の違いはこちら↓。
上記の項目には、一部中国のものも含まれますが、アシが生活の随所に取り入れられていたことを実感した次第です。
余談ですが、今回、諸橋大漢和を初めて使ってみました。
まさに日本のOED※!と感動しながら、重い本と格闘しました。
今回の記事では、諸橋の難しい漢字を入力するのがとても大変でした。
デジタル辞典を使いたかった‥。
※OED=Oxford English Dictionary
世界で最も権威のある英語辞典と言われています。