葦と桃は名コンビ?
前々回の記事で、諸橋大漢和辞典に掲載されているアシ製品を拾い出しましたが、前回の記事でご紹介しなかったものの中に、葦に超自然的な力を見出している熟語がかなりありました。
葦について最初に書いた記事でも、葦と関係する神事を取り上げましたが、昔の中国や日本では、葦に特別な力があると信じられていたように思えます。
「葦索」の定義に出てくる神荼・鬱壘という神様について調べてみました。
神荼・鬱壘は、鬼を葦縄=葦索で縛って退治した兄弟に由来する2神です。
ネットで画像検索すると、いかにも強そうな2神をみることができます。
神荼・鬱壘の由来となった2人の兄弟は桃の木の下に住んでいたそうです。中国では桃は長寿をあらわす植物で、生薬としても用いられます。魔除けの植物として、神話の中にもよく登場します。
日本の神話でも、イザナギが黄泉の国から逃げてくる際、追っ手に桃を投げて逃げ切っていますね。
諸橋大漢和には、もう1つ、桃と葦のコンビが登場します。
追儺(ついな)は、疫鬼を追い払う行事で、日本でも宮中行事として行われた他、節分の豆まきのことを指すこともあります。
異なる場所に生息する桃と葦がコンビを組んでいるのが不思議な気がしますが、生命力が強く、水をきれいにする葦と、邪気を祓う桃は名コンビなのかもしれません。
いろいろ疑問がでてきます。
少しずつ調べていきたいと思いますが、昔の人は、植物が持つ力をよく理解していたんだな、と感心させられます。
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