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花蘇芳の話

週末に大学時代の恩師のオンライン講義を聴いていて、ええ!と驚いた「ユダの木」の話。

ユダの木

セイヨウハナズオウは、イスカリオテのユダが首を吊った木と言われており、ユダの木と呼ばれているのだそうです。

キリストが十字架にかけられたのは4月と言われており、ハナズオウが咲く季節とちょうど重なりそうです。満開の花が咲き乱れる木の下で?まさか…と思い、調べたところ、ウィキペディアに以下の記述がみつかりました。

セイヨウハナズオウは、キリスト教圏、特に欧米では「ユダの木」(英語: Judas tree, ドイツ語: gewöhnlicher Judasbaum)と俗称されるように、伝統的に、イスカリオテのユダが首吊りに使った樹木であると看做されてきた。このような通念は、フランス語の通称「ユダヤの木(フランス語: arbre de Judée)」からおそらく誤って派生したものであろう(「ユダヤの木」とは、この植物が地中海方面に自生していることに関連した表現である)。

出典:Wikipedia "セイヨウハナズオウ"

情報錯綜で不名誉な名前をつけられてしまったのであれば、セイヨウハナズオウも不本意だと思いますが、ユダの木、という呼び名がとにかく衝撃的でした。

蘇芳の漢字

気を取り直して、「蘇芳」には、素敵な漢字にふさわしい由来があるに違いないと思い、調べてみました。

「蘇芳」は、原産地のマレーの言葉sapangに漢字を当てたものだそうです。
もとは音に漢字を当てたのでしょうが、みやびな雰囲気が漂う漢字を選んだのには、この植物を愛する人々の気持ちが根底にあったのだろうと思いたいです。

スオウと、濃いピンクの花色が美しいハナズオウは違う植物だそうですので、「蘇芳」の漢字がハナズオウの復権回復にはなりそうにもないですが、人間の不幸な歴史を背負わせることなく、花の美しさを素直にめでたいなあと思う次第です。


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