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「法」という漢字の起源(狛犬は正義の味方?)

目黒不動尊に通いつめているうちに、狛犬や眷属たちの像の魅力にはまりつつあり、狛犬関係の本を読み漁っています。
それらの本の中で、気になる記述を見つけました。

これらの怪獣の中に獬豸(かいち)と称する猛獣がいる。この獣の字が後世の法律の「法」という字の源になるのであり、したがって獬冠、獬豸冠とは司法官の冠名をいうのである。この獣は頭部にいっかくを有し、人が闘うところを見れば邪悪なる方に挑み、人の論を聞けば不正の方を噛むといい、正邪を分かつ獣であるとされている。

出典:上杉千郷著『狛犬事典』戎光祥出版

獬豸は中国の伝説上の生き物で、日本の狛犬の起源説もあります。
その生き物の字が法という漢字の語源?
諸橋大漢和辞典で「法」を調べてみました。

「法」は、廌(シまたはチ)という名の神獣と水平、公平を表す水(サンズイ)を組み合わせた字。
廌は、漢の時代の文献によると、裁判に係る一角獣。
つまり法とは正しく罪を調べ、正しくない者を去らせること。

なお、獬豸の豸の本字が廌だそうで、先の狛犬事典の記載がようやく理解できました。

さらに、狛犬事典の記述は続きます。

滝川政治次郎法学博士の「日本の狛犬の片方には一本の角があるが、それはこの獬豸が法の番人、邪悪を払う霊獣であるとの思想が、狛犬に角を持たせることになったものだ」との説もある。考えてみれば、獅子にない角がなぜ狛犬にできたのか。この説にはうなずかせるものがある。

出典:上杉千郷著『狛犬事典』戎光祥出版

ようやく狛犬登場。
一本角の生えた狛犬は、(一説によると)正義の味方なんですね。
そして法の字になぜサンズイがつくのかもわかり、一挙両得でした。

(ちなみに本文では、いかにも諸橋大漢和の解字をすらすら読み解いたように書いていますが、ここまで理解するのに四苦八苦でした‥。)

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