
オオイヌノフグリ
オオイヌノフグリの小さな花を見かけると、春が来たな、と思います。
ぽろっと落ちてしまう小さな花を、服につけて遊んだこともあったな、と子供の頃を思い出したり。
4枚あるように見える花びらが、実はつながっていることも、大人になってから知りました。
虫媒花であるこの小さな花は、虫を使うためにいろんな仕組みを用意しています。
行き先案内
縦線が目立つ花びら。この線は、花の奥に蜜があることを虫に伝えます。虫には行き先案内の矢印にみえているのかもしれませんね。
快適な喫茶店
花の内側が湾曲しているため、花の内側は太陽熱により、温度が高くなっており、虫たちに暖かな環境を提供します。
※こちらの記事で紹介されているフクジュソウと似ていますね!
マッサージサービス
花にもぐりこんだ虫が雄しべの基部に触れると、葯(雄しべの先端にある、花粉が入った小さな袋)が動き、虫に花粉をこすりつけます。
花粉で体を汚された、ととるか、おいしい蜜を吸いながらマッサージしてもらっている気分なのかは、虫に聞いてみないとわかりません。
スリル満点
虫たちにとって、オオイヌノフグリは快適な環境を提供するだけではありません。
冒頭で、ぽろっと花が落ちると書きましたが、花が揺れて振り落とされそうになった虫が花にしがみつくと、花粉が虫につく仕組みになっているそうです。
朝に咲き始め、夕方前には落ちる短命な花ですが、虫を使った他家受粉ができなければ、自らの花粉で受粉もします。
何が何でも子孫を残すぞ、との気概に溢れた花です。