旅、55日目 踊りの輪
旅、55日目です。
数日前に、知らない海外の方から、少しぎこちない日本語でメールが届きました。
私の母校に留学し、そこで神楽を学んでいたそうです。
今、東京に住んでいる。また神楽をやりたいと思っていたら踊り仲間の友人からあなたを紹介されました。
練習に参加していいですか?
という内容でした。
踊り仲間の友人というのは、私よりだいぶ年下のハワイアンの女性。
踊りながら、いつも嬉しくてたまらない、というふうにニコニコ笑っていたのがたまらなく可愛かった彼女。
踊りの師匠のお宅で宿泊合宿した時に、うちの子たちと本気でかくれんぼをし、「かくれんぼが上手なお姉さん」と子供達に評価されていましたっけ。
たけのこ舞が上手で、この舞を踊るたびに、ニコニコしながら踊っていた幸せいっぱいの彼女の踊りを思い出します。
原始の踊りって、喜びを表現するものだったんだろうなぁ。
国境と時間を超えて送られてきたメールを読みながら、踊りがつないだ人の輪に、あたたかいものがこみ上げてきました。
私が主催している踊りの練習会は、残念ながら私の体調の関係で開催を中止しているので、メールをくださった方には、踊り仲間がやっている他の練習会を紹介しました。
我々が学んできたのは、祭りで舞われたり神社に奉納されたりしてきた郷土芸能。昔から途絶えず、少しずつ変わりながらも、受け継がれてきた踊りには無理な動きがない。それでいて高度な動きを再現するには、体中の細胞を総動員するような感覚がある。だからこそ、踊ることは体にいい。そして地元の人たちが長い時間をかけて大切にしてきた思いがこめられている。
踊りの師匠が種を蒔き、仲間が育んだ、踊ることの楽しさを、今回私自身でつなぐことができなかったけれど、いつかまた皆一緒に踊れるといいな。
※以前も紹介しましたが、たけのこ舞の動画です。