旧暦晩春の出来事 3 次の季節へ
前回の記事の続きです。
職場のビルにたどり着き、エレベーター待ちをしていたら、昼食から帰ってきたらしい後輩とばったり出会いました。午後の会議に一緒に参加する仲間です。普段、中で昼食をとる私が外から帰ってきたらしいことから何かを察したらしく、
「あ、現実逃避に行ってましたか?」
同じ重荷を背負う、運命共同体、さすがです。
午後の会議は案の定、細い道をバランスをとりながら歩くような話し合いでした。牽制、守り、反論を織り交ぜながら、モチベーションをキープできるよう前向き、積極的な姿勢を崩さない。そんなことを意識しながらの時間でした。それでも、同じ目的に向かって進もうと意見を出し合うことで、なんとか着地点を見つけて会議を終わらせることができました。
帰宅後、疲れた神経を休めようと、昼間に見たものを調べてみました。
クスノキの花が咲くのは5月から6月にかけて。ちょうど今の時期。
アスファルトの道路に面してクスノキが生えているような場所では、掃除が大変になるほどの花が降るのだそうです。
そして、白いふわふわ。晩春に柳が実を結び、白い綿毛に覆われた種子が風に乗って飛び立つことがあるのだそうです。柳絮(りゅうじょ)と呼ばれ、雪にもたとえられます。
アジサイの花が色づき始め、雨の季節の到来を感じる景色の中で、少しだけ季節を先取りしたような雨の音。
そして、晩春に種を旅立たせるために飛んだ春の雪。
木々が季節の狭間で見せてくれた二つの景色を思い浮かべながら、今日の会議のことを思い出しました。
いかに切り抜けるか、いかに会議の時間をうまくやり過ごすかに気を取られすぎていましたが、人も体制も一新しての年度のスタートは、いつもと違うやり方に挑戦するのに最高の環境です。まあ、大変さを考えなければ、ですが。
クスノキの花と柳絮を見た日の朝、友人がこんなメールを送ってきてくれていました。
旧暦では晩春、新暦では夏。いつも気づきをくれる友人の言葉。
自然と仕事の両方で、新しい季節の訪れを感じた1日でした。
おまけの話
私が訪れたのは、東京にある林試の森公園です。
この公園に柳絮を飛ばしそうな柳がないか、調べてみたところ、以下のTwitter投稿が見つかりました。
今日時間がとれたら、柳絮の親の木を探しに行こう。
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