プレミアリーグ第17節【トッテナムvsリーズ】〜知将同士の戦い見上げた空には雄鳥〜
今回はプレミアリーグ第17節トッテナムvsリーズの試合レビューを書きました。
※より重要なポイントは太文字アンダーラインを引いています。
スターティングメンバー
トッテナム 4-2-3-1
リーズ 4-1-4-1
前半
3分【サイドバックノーオーバーラップから3人目】リーズ
リーズは開始3分、サイドからの攻撃でサイドハーフ、ボランンチ、サイドバックとテンポの速い3人目の動きだしからチャンスをつくりました。
1、サイドにいるラフィーニャにボールが渡るとデイビスが縦のラインを消しながらプレス。サポートの動きをしたクリッヒは横のパスラインを引く
2、クリッヒにボールが入ると同時にアリオスキが空いた空間へスプリント
3、クリッヒは時間を作りオフサイドギリギリでボールを出す
★重要ポイント
クリッヒのポスラインの引き方とサイドバックのスプリント
・ラフィーニャへのプレスにデイビスが縦をきりながら出て行きました。それを見たクリッヒは横のパスラインが空いた瞬間サポートを作ります。もしデイビスが横をきりながらディフェンスをしていた場合クリッヒは縦へスプリントしていたでしょう。そしてクリッヒにボールが渡る寸前にサイドバックのアリオスキが縦へスプリント。狙いとしてはデイビス、ダイアーの後ろのスペースを狙います。クリッヒが時間を作り、オフサイドラインギリギリでアリオスキを使う。リーズの特徴はサイドバックの積極的な攻撃参加です。このシーンではサイドハーフ、ボランチ、サイドバックの得意な連携が出ました。
7分【サリーダデバロン】リーズ
抜け道を探すのが上手いリーズのビルドアップ。7分にはせんたバックのポジショニングとコンドゥクシオンが前進の鍵となりました。
1、エイリングがボールを持つとケインが右のコースをきりながら寄せてきます
2、エイリングは右サイドバックのダラスにボールを渡します。ダラスにはそのまま右のコースをきりながら寄せくるケインと縦のコースをきりながら寄せてくるベルグワインがプレスに来ます。
3、エイリングはケインとベルグワインの間に顔を出しボールを受け、そのまま逆サイドへ展開します。
★重要ポイント
エイリングのサポート位置
・エイリングはケインの寄せとベルグワインの寄せを無効にした動き(トッテナムの1列目と2列目の間)で出口を見つけ出しました。この動きをすることによって、ボールを触らずに相手の2枚を抜ける、前向きの状態で受けれる、サイドチェンジか可能、と言う多くのメリットがあります。後ろからしっかりビルドアップしていくチームにはセンターバックの動き出しや、前進を考える能力が必須になるため、リーズ率いるビエルサ監督は相手の寄せを無効にするサリーダデバロンを徹底していると感じました。
17分50秒【トッテナムの守備配置】トッテナム
トッテナムは基本的にチャレンジアンドカバーを徹底して中央の選手に対しては強くプレッシャーをかけるチームです。それが出ていた17分50秒のシーン
1、リーズのセンターバックにはケインが制限付きのプレッシャーをかけます
2、サイドバックにボールが渡ると、ソンフンミン、ベルグワインがプレッシャーをかけます
3、サイドハーフには、サイドバックがプレスに行き、上からサイドハーフも挟み込むようにプレスします
4、リーズボラインチの飛び出しに対しては基本的にはセンターバックが対応しますが、いける時は2アンカーのウィンクス、ホイビアがついていきます
5、そしてセンターバックが持った時、アンカーにボールを入れさせないためにフィリップスへエンドンベレがマンマークにつきます
★重要ポイント
守備戦術
・トッテナム守備でボールの奪いどころはリーズがサイドハーフへ入れた瞬間です。リーズのサイドハーフにはサイドハーフとサイドバックがサンドし奪いきります。(このシーンではソンフンミンとデイビスのサンド)このトランディションを作り出すためにはトップ下のエンドンベレの徹底したマンマークがあります。リーズのアンカーフィリップスにボールを渡さないことによって縦への速い攻撃やサイドチェンジを阻止し、サイドへボールを送り込むように仕向けています。相手の心臓を潰し、血の巡りを悪くしているリーズはモウリーニョの策にはまっている感じがしました。
40分【サリーダデバロン】リーズ
40分トッテナムの守備が一時的に4-4-2になったところでまたしてもリーズの考え抜かれたサリーダデバロンが発動しました。
1、トランディション後、浮き球をマイボールにしたリーズはストライクがボールを持ちました。
2、ケインとソンフンミンがプレッシャーをかけるがフィリップスは一列前へ
3、前向きでボールを持ったフィリップスはボランチの脇に立っていたクリッヒへ。クリッヒはそのままダイレクトでライン間の立っていたロドリゴへ
★重要ポイント
1列目でのパスラインの構築
・先ほども言いましたリーズのサリーダデバロンですが40分に再び発動しました。フィリップスはケイン、ソンフンミンがいる1列目と2列目の間でボールを受けます。前向きでの状態で受けたフィリップスはウィンクス、エンドンベレの脇で待つクリッヒにボールを渡します。この時のクリッヒの位置はボランチの脇、ボールを受ければファーストタッチで前を向けるポジションとフィリップスからのパスラインがある角度。そこでパスを受けるとダイレクトでロドリゴへ。この時のロドリゴの位置はトッテナムの最終ラインと2列目の間、ディフェンスが1番出にくいポジション。その後ダラスにボールを渡し、前進成功へ。この一連の流れを作る上でフィリップスの動きだし、クリッヒ、ロドリゴの位置といった空間認知力が目立ちました。
前半はここまでとなります。
前半の印象としてはリーズはトッテナムの守備に困惑していた印象がありました。トランディション後や後ろからのビルドアップはしっかりデザインされていて前進もいくつか見られましたが、選手の技術に少し不安があると感じました。選手のミスによりPKを与えてしまっての失点もありました。トッテナムの守備はエンドンベレがリーズアンカーのフィリップスをマンマークでついており縦への速い攻撃を無にしていました。これはモウリーニョの高い分析力にあっぱれといったところでしょうか。
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