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プレミアリーグ14節【トッテナムvsレスター】〜飛ぶ鳥に噛み付く青い狐〜

今回はプレミアリーグ第14節トッテナムvsレスターの試合を戦術解説します。主にトッテナムを中心に攻撃守備方法について解説します。試合には負けましたが、学ぶことの多い試合となりましたね。

全文無料公開です。面白いと思われた方は是非、投げ銭して頂けましたら幸いです。

ーーーーー前半ーーーーー

この試合のスタメンはこちらになります。今回のキープレイヤーはレスター10番のマディソン、そしてバーディーの抜け出しに注目したいですね。トッテナムはシステムを柔軟に改善できるモウリーニョがいますから選手の修正と対応がどのようにされるのか見ていきましょう

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トッテナム 4-2-3-1  

レスター  4-2-3-1             

1【ロングフィードを使いフリーの状態でゾーン3へ】トッテナム

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前半36秒トッテナムはソンフンミンの抜け出しからレスターのセンターバックを2枚連れ出したところをサイドに開いていたエンドンベレにロングパスを送ります。トッテナムのサイドの選手は大きく幅をとり、保持者のアルデルワイレルデはどちらのサイドでも展開できるボールの持ち方をしています。

1、前半36秒ということもありボールがなかなか落ち着かない状況で、ソンフンミンがマイボールにしたところで最終ラインのダイアーに下げます。

2、ダイアーは片方のセンターバックをアルデルワイレルデにボールをあずけます。両サイドは幅をとり大きくピッチを使える状況で展開、運ぶドリブル、楔も打てる状態

3、前線にいたソンフンミンが中へダイアゴナルランでレスターのディフェンス2枚を連れ出します。そこでサイドにいたホイビュアにロングフィード

★重要ポイント

・ソンフンミンのオフザボールの動き出し。プルアウェイ(膨らんでボールを受ける動き)ではなくダイアゴナル(斜めに動いてボールをもらう動き)でディフェンスを2枚を連れ出す

・ホイビュア前に空いた空間を利用する


2【ホイビュアのダウンスリーからケインの偽9番】トッテナム

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ホイビュアのダウンスリーからケインが2列目まで落ちてきてボールを前向きに受けます。この時のケインの立ち位置はレスターボランチ2枚と右サイドハーフの脇。

1、最終ラインでのボール保持時、もう片方のセンターバックは幅をとります。サイドバックの選手は一列高い位置。

2、空いたセンターバックの間にボランチのホイビュア又はオーリエが落ちてきます。(この状況ではホイビュア)

3、サイドバックが高い位置に上がっているのでサイドトップのソンフンミンはセンタートップの位置。そして高い位置で杭を打つためにトップ下のエンドンベレも高い位置。

4、3に連動してキープ力のあるケインが2列目まで落ちてきます。その時のケインの位置は相手ボランチとサイドハーフの中間ポジション。早いパスを送ると前向きでプレーできる

★重要ポイント

・ビルドアップではレスターのFWが2枚の状態であればボランチが落ちて最終ラインは3枚で攻撃します。

・前の選手がずれて動くことによりレスターの選手はマークが曖昧になり、偽9番の役割をするケインがビルドアップに参加することができます。

・レスターの守備配置と連動性を活かした攻撃となりました。


3前線の守備を利用したショートカウンタートッテナム

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トッテナムは14分、前からの守備により得意のショートカウンター。オーリエの縦のコースをきったプレスが決まり、エンドンベレ、ケインの位置が明確になりました。

1、レスターのカスターニュがオルブライトンへ縦のパスを当てる。パスを出したカスターニュはそのまま縦へ飛び出す。シソコはカスターニュについていくため、ペルムータに入る(カバーリングのカバー)

2、オルブライトンへのパスに対してマークしていたオーリエが縦のカスターニュへのラインをきりながらプレッシャーをかける

3、連動してケイン、エンドンベレの位置が決まる

★重要ポイント

・オーリエのコースをきったプレスがケイン、エンドンベレのポジションを決めた

・後ろ向きの相手に対しては強くプレッシャーをかけることによってロストが多くなる


4【ハーフスペースを利用したサイドチェンジトッテナム

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24分にはソンフンミンのハーフスペース侵入からサイドチェンジの展開が見られました。レギロンのドリブルからソンフンミンが空間を見つけて位置についたところでサポートに入ったエンドンベレがボールを受け、楔のボールを入れる。そこからディフェンスに戻してサイドチェンジへの早い流れ。

1、レギロンの縦へ運ぶドリブルでレスターのバーンズを誘き寄せる。

2、サイドにいたソンフンミンは中へポジションを取り直し、エンドンベレはドリブルのサポートにつく。

3、エンドンベレは後ろでボールを受けるとハーフスペースにいるソンフンミンにボールを当てる。

4、ハーフスペースでボールを受けると、四方からプレッシャー来るため、斜め後ろへ少しドリブルをする。

5、パスラインを引いた最終ラインのシソコにボールを預けると4人を置き去りにサイドチェンジができる。一瞬の判断とパススピード、位置取りから密集地帯の打開が可能となる。

★重要ポイント

・ソンフンミンのハーフスペースへの立ち位置と入るタイミング(レギロンからのパスラインがなくてもエンドンベレのサポート位置を見て入る)

・ソンフンミンの引きつけるドリブルからサイドチェンジの意図を持ったパス

5【ケインのダイアゴナルラントッテナム

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39分の、ロチェルソとオーリエのコンビネーションから広い縦のスペースへケインダイアゴナルランで走らせてクロスまで行くシーン。

1、オルブライトンのプレッシャーをダイヤーがファーストタッチでいなす、そして右サイドにいるオーリエへボールを預ける

2、オーリエとロチェルソのコンビネーションでカスターニュとエンディディのプレスをかわす

3、右サイドの狭い空間から抜け出すため、レスターの最終ラインにいるケインがダイアゴナルランでサイドへ抜け出す

★重要ポイント

・ダイアゴナルランでレスターの最終ライン3枚を一気に突破

・ケインの狭い空間を抜け出すための前のサポート


ーーーー後半ーーーー

前半はどちらも縦に速いサッカーを見せてくれましたね。トッテナムはケインを中心に偽9番を活用し、ソンフンミンの抜け出しが多い印象でした。後半のトッテナムはサイドにスピードのあるベイルとルーカスモウラを投入し、システムを変えてきました。

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トッテナム 4-2-3-1  48分4-4-2  

レスター 4-2-3-1

6【サイドの抜け出しとセカンドボールの対応】トッテナム

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後半はベイル、ルーカスモウラが入り、サイドにスピードのある選手が投入されました。そうなるとトッテナムは今までよりも縦に速いサッカーが繰り出されます。

1、ダイアーがボールを持った時にサイドの選手は斜めにゴールへ向かう動き出しをする

2、レスターセンターバックとサイドバックの間へのランニングに対してロングボールを入れます

3、ルーカスモウラのロングボールに対してケインが少し下がりセカンドボールの対応

★重要ポイント

・サイドのルーカスモウラ、ベイルは裏への抜け出しを多く行うとレスターの最終ラインとセカンドラインの間に空間ができる。ロングボールに対してケインが一歩下がることによりセカンドボールをマイボールにできる可能性が増える

7【カウンターから時間を上手く作る】レスター

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後半になっても安定したのレスターは2点ビハインドの状態で前からプレスをかけてくるトッテナムに対して10番のマディソンがライン間へ入って時間を作りカウンターを仕掛ける

1、レスターは4-4-2の守備。ラインを早く揃え距離を保つ

2、ボールを奪った瞬間10番のマディソンがトッテナムの最終ラインとセカンドラインの間でボールを受ける

3、FWバーディは全速力でロングラン

★重要ポイント

・バーディのチームがボールを奪った瞬間のライン間にタイミングよく入る判断の質。空間素早く見つける認知能力

8【ビルドアップの方法を変えた後半】トッテナム

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システムを4-4-2に変えたトッテナムは後半にビルドアップの方法を変えました。

1、センターバックが幅を取りボランチのホイビュアがダウンスリーの形になる

2、サイドバックは高い位置を取り最終ラインに杭を打ちます

3、サイドのルーカスモウラはハーフスペースへ入りボールを受ける

★重要ポイント

ハーフスペースに入ったルーカスモウラですが四方からの寄せが速いため、簡単には前を向くことはできません。シソコのサポートはありますがレスターのバーンズとティールマンスはコースを切りながら寄せていくためパスラインが見つからない状況にありました

ーーーー修正ポイントーーーー

この試合、トッテナムの修正ポイントはマーク、プレッシャーが曖昧にになっていることが多い事だと思います。1失点目のPKはマーク遅れで、慌ててボールに向かうとそれがファールを誘い、選手間での連携やラインの設定が出来ていない気がしました。

ベイルはボールを持てて自分で展開する力を持ってます。そのため速い展開からのサイド攻撃が見られましたがレスターの整った守備により全身が難しい状況にありました。

しかし、センターバックの運ぶドリブルをうまく利用するといくつかチャンスが生まれていたため、前線の選手を餌に空いた空間を埋めていけばゾーン3に簡単に進入でき、レスターのようなラインが綺麗に整っていてマークの距離も適切な場合、ロングボールやショートパスではなかなか前進が難しいので数的優位を作るためにセンターバックのドリブルを使うことが今度のカギとなりそうです。

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