【配送料無料】ビックカメラとAmazonの大きな違いと、Amazonは実際は配送料無料じゃないお話。
どうもです、ちゃんやまです。
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2024年9月1日からビックカメラで2000円以下の買い物でも送料が無料になると発表がありました(酒類は8000円以上で無料)。
消しゴム1個でも送料負担が無いって凄いことですよね。
送料無料というとAmazonを思い出しますが、実際にはビックカメラとは性質が違うというお話を今回はしようと思います。
実際には「送料当社負担」という表現について豆知識を。
2023年に消費者庁がECサイトにおける「送料無料」表示規制をしようとして見送ったことがあったのですが、しかしビックカメラはそれに自主的に配慮してのことだと思われます。
Amazonは配送料無料の表示のままです。
さて、ビックカメラの「送料当社負担」とAmazonの「配送料無料」にはどんな違いがあのか。
それはAmazonで販売セラーとして活動している人なら分かると思いますが、一般的にはあまり知られていない違いがあります。
ビックカメラの「送料当社負担」は、推測するに自社努力によるものだと思います。
ビックカメラは配送に佐川急便かヤマト運輸を使っているので、ビックカメラ自身が配送料を負担し、原資は分かりませんが業者に支払っている。
Amazonの配送料無料のカラクリ
一方でAmazonはどうか。
Amazonでも消しゴム1個から配送料無料で販売されているので、ビックカメラと同じように見えますが実は全く違います。
Amazonは独自の配送業者を抱えていますが、消しゴム1個を配送するのに彼らが無給でやるわけは無いですよね。
AmazonFLEXといってパートナー登録したドライバーが時給最大1886円で配達しています。
じゃあその原資はどこから出ているのか。
Amazonの収益の全てを知っているわけではないですが、目立ったところでは、
リテール部門(物販)
年会費
出品者月額プラン費用
手数料収入
広告収入
この5つじゃないかと思います。
特に大きいのは2~5の収益。
リテール部門は純粋に物販による売り上げですが、Amazonの価格の安さは尋常じゃないので、恐らくそれほど大きな収益ではないように思えます(とはいえ我々とはレベルが違うとは思いますが)。
会費はAmazonのプライム会員によるもので、2021年の調査によれば、日本だけで1460万人の加入者がいると推定されているそうです。
年会費は5,900円(月会費600円)なので、かなりの収益があります。
そして広告収入と手数料収入というのは、Amazonを販路として販売を行っているセラーから徴収するものになります。
Amazonの出品プランは小口出品で100円/月、大口出品で4,900円/月で、2023年の段階でおよそ22万社がAmazonで販売しているとされているので、それなりの収益になっています。
手数料収入というのは、我々セラーがAmazonに負担している手数料のことですが、これには様々な種類があります。
販売手数料:カテゴリにより5~15%
配送料:自社配送なら自社負担、AmazonFBAを使うと配送代行手数料
他にもありますが、表立って発表されているのは以上の2つになります。
多くの会社がFBAを利用していますので、その手数料収入はそれなりのものになるかなと思います。
ちなみに、Amazon本体が販売している商品はとても安いですが、それ以外の販売セラーの商品はあまり安くないどころか、若干高いものもありますよね。
その理由がFBAを利用するうえでかかる費用です。
Amazonで販売する場合の値付けは以下のようになります。
例えば、400円で仕入れたサプリメントを1,000円で販売した場合。
仕入れ値:400円
販売手数料:100円(販売価格の10%)
配送代行手数料:318円(サイズ区分標準1)
このような内訳になるので、利益として残るのは実は182円です。
よくAmazonの商品カタログにのレビューに「高過ぎる!」とか「お店で買ったら600円だったぞ!」とか書いてありますが、そんな値段でAmazonで売ったら利益なんて出ません。笑
まあその辺をよく理解してないリテラシーの低い人のレビューではありますが、販売セラーの裏側にはそんな事情があります。
決して高く売ってるわけではない。
Amazonがあまりに安いので、僕らがめちゃくちゃ高く見えますが、色んな手数料を負担しているからなんですよね。
さて、話を少し戻すのですが、こういった、物販部門以外の手数料収入が、Amazon本体の商品の配送料の原資になっていることは想像に難くないなと思うわけで、自社努力で配送料負担しているビックカメラとの大きな違いだと考えるわけです。
悪い言い方をすると、我々が犠牲になってる部分はあるわけです。
勿論、Amazon自体、倉庫だったりシステムだったり人件費だったり色々な経費負担はあると思いますが、その原資は純粋な物販売上だけではなく、こういったところにもあるんだということだと思います。
実は配送料無料じゃない商品がある
なので、厳密にいうとAmazon本体は配送料無料かもしれませんが、その他FBAセラーが販売している商品は、販売価格の中に配送代行手数料が含まれていて、その代金は購入者負担になってるんですよね。
だから実際には無料じゃない。
本来なら楽天市場やYahoo!ショッピングみたいに、配送料を負担してもらうのが分かりやすいんですが、Amazonってそうしないんですよね。
実際には「送料込み」とするのが正しいと思います。
システムの問題なのか分かりませんが、かなり嘘があるなと思います。
これは裏話でも暴露話でもなんでもなく、Amazonで販売しませんかという募集ページで料金プランや手数料を冷静に見れば分かることなので、後で怒られる話でもありません。
これについて消費者庁がつっつくか分かりませんが、本noteで主張したいのはそこじゃなくて、ビックカメラの配送料自社負担とAmazonの配送料無料には大きな違いがあるよということです。
Amazonの犯した罪
また、先ほど書いたように、高い!とか実店舗の方が安かった!とかリテラシーの低いレビューが入ってしまうのは、その責任はAmazonにあると思っています。
それは、配送料無料という旨味をユーザーが知ってしまったことです。
100円で売られてるものが配送料無料で手元に届くわけないじゃないですか。
もし無料であるなら、そこには自社努力があったり、誰かが負担しているということが当たり前なのに、そういう思考が出来ないのは、Amazonがそれを当たり前にしちゃったからだと思います。
物流の世界をぶっ壊し、実際には送料を負担させているのに「配送料無料」という嘘の表示を出しているのは、Amazonの罪かなと個人的には思ってます。
送料無料で早ければ翌日には届く。
一見凄いことですが、その裏にはこういうことがあるんだってこと知ってほしいなと思います。
それではまた。
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