
■酒は飲んでも呑まれ…て飲んで、静かに眠って、また仕事■
最近すごく日本酒がおいしい。もともと飲め
るクチではないし、なんでもおいしい幸せな
味覚だから、銘柄へのこだわりは一切ない。
どこでも買える安いワンカップで充分おいし
い。以前はちょっと飲んだらすぐ気持ち悪く
なったりしたものだが、最近は 720mlの小瓶
を飲んでも、まだ飲めるかな、と感じてしま
うから怖い。
最後に吐いたのはいつだったろうか。いつの
まにか量が増えて、少し「アル中」への不安
も感じるが、幸い私は定期的に血液検査を受
け、医師に指導を受けている身だ。
× × ×
「最近はどうです?」
「あ、ついお酒を飲んじゃいます」
「まあ、飲み過ぎないようにね」
「先生、最近すごくお酒がおいしいんです。
すごく飲めちゃいます」
「ああそれね、慣れただけ。身体に耐性がつ
くから。まあいいでしょ。お酒はほどほどに
ね」。
内分泌内科の主治医は検査で数値が悪くなら
ない限りは、わりとあまい。
飲むと顔が赤くなる「紅組」は、生まれつき
アルコール分解能力が低いそうだ。私ももち
ろん「紅組」だ。分解能力を左右する酵素の
有無は遺伝で決まるので、「紅組」は基本は
飲まないほうがいい、と医者はいう。
飲んでいるうちに飲めるようになるのは、強
くなったのではなくアルコールに身体が順応
したからみたいだ。
…とはいいつつ、おいしいからつい飲んでし
まう。酒は旨いし食べ物だって旨い。先日受
けた介護ケア学習では「孤食は健康リスク」
と言っていたけど、私の場合、たとえ「おひ
とり様」の飲食でも充分おいしいんだな。
これが。
仕事上、イベントの司会とか、時には教壇に
立つ機会もあるのだけど、うまく舌が回るよ
うには全然ならない。
まあ、でもこの舌はお酒も食べ物も旨いから
いいか。