【続】消化器内科病棟でもブルガリアンジョークはジョークじゃなかった
いわゆるお酒にまつわるブルガリア人のジョークですね。
ブルガリアには旧ソ連時代の建物を取り壊す資金がなく、いたるところに廃墟や廃工場があります。
廃墟化された酒造工場に、エタノールが放置されている事もあるようで、こっそり忍び込んではエタノールを飲んで、アルコール依存症になる人が後を絶たないなんて話もあるほど。
消化器内科という分野は、臓器として細かく分けると、食道、胃、小腸、肝臓、胆嚢、大腸と、幅広い臓器に関する疾患を診る診療科です。
それなのに、うちの病院に入院している患者はアルコール依存症の方ばかりでした。
ブルガリアで入院する場合、入院着の貸し出しがないので、自分で衣服を持参する必要があります。
その日も指導医とグループメンバーと、患者の回診をしていると、あるアルコール依存症患者の服装に目が留まりました。
そのアル中患者の胸元には、デカデカと某有名ウィスキーのロゴが刻印されていました。
おっちゃん...
禁煙でいうニコチンパッチなの?
当のおっちゃんは、ニコニコ笑顔で気さくに問診を取らせてくれました。
『逆に飲みたくならないです?』
という言葉は飲み込んだよね。
このおっちゃん、登場のインパクトが強すぎて、ブルガリアでの病棟実習で出会った患者の一人として、もう何年も経つのに、情景をよく覚えています。
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