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海外医学部卒は大学院に入るのも一苦労

医師国家試験を取得した後の進路はいくつかある。
病院で患者さんの治療をする臨床医、研究室で病気のメカニズムなどの解明をする研究医、企業して他の職種として働くなど様々な働き方がある。
海外医学部に行く人はほとんどが卒後に臨床医として働くことを目標にしているのではないだろうか。

かくゆう私も臨床医希望で日本の国家試験に受かって働き始めたが、先輩に声をかけていただいたことがきっかけで、どちらかと言えば研究よりの臨床研究をしたいと思い始めた。臨床研究が何かというと、私の場合は希少疾患の患者さんの診療・治療にあたりながら、まだ明らかになっていない病気の成り立ちを解明したり、新たな治療法を見つけたりしたいのだ。

そうと決まればやることは1つ。

キャリアプランの作成だ!

先輩に相談しながら、自分がこれから何をすべきか明らかにしていくと、実際に臨床研究をするのであれば大学院を卒業して博士号を取ることが望ましいことが分かった。

大学院入学...

嫌な予感がした。

大学院の入学要項には、他大学の卒業生は卒業大学からの書類が必要と書いてある。

万一の可能性に賭けて入学希望の大学側に海外医学部卒業であることを説明し、書類が必要か聞いてみた。結果は、卒業大学に頼んで英語で作成した書類を送ってもらうようにだった。

当たり前だ!!やっぱり書類作成が必要か!!

ブルガリア医学部卒業時に厚労省に提出用の書類を作ったのだけど、日本人があまりにも精度の高い細かい書類を要求するから、そんなもの作ったことがないブルガリア医学部の事務の方を大層疲弊させてお互いに大変だったことが頭によぎった。あの時は、自分がブルガリアにいて逐一訂正なりを頼めたからよかったけれど、今私は日本にいる。期日までに作成してくれる確約もない。そもそも書類を日本に発送してくれるのだろうか。

大学事務にメールで連絡してみるも返信なし!!

うーん。困った。

そうだ!後輩に連絡してみよう!!

まだブルガリアにいる後輩に事情を説明して助けを乞うたら、快く承諾してくれた。彼女から大学事務にせっついてもらったら初めて大学事務から返事がきた。(と言っても後輩から、事務がDiplomaのコピーをメールで送れって言ってるって伝えられただけなのだけど)Diplomaを送って、そこから書類を作り始めてくれたのだけれど、やはりブルガリアクオリティ、頼んだ書類がいくつか足りず、後輩が何度も頼みに行ってくれたらしい。

そんなこんなで、書類提出期限1週間前にすべての書類が届いた。
ブルガリアの空輸が雑だったのだろう。書類はいくつか穴が開いていた。

そんなこんなで無事、大学院に通うことができている。

もしあの時後輩がいなければ、私のキャリアは終わっていただろう。
(あのタイミングで入学できなかったらこのチャレンジはできなかったという事態が起こっているからだ)

後輩が卒業した暁には、素敵なレストランを予約してお祝いしようと思っているのだけど、私の人生を変えてくれた後輩には感謝してもしつくせません。

海外医学部卒、卒業した後も大学は切っても切り離せません。
やっぱり、日本で働きたくて今から渡航するのはお勧めできないなー。


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