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誰に医学部留学を勧めるか

以前ブログを書いていた頃もだけれど、

医学部留学を勧めるか

という記事が必ずと言っていいほどアクセス解析上位に入ってくる。

改めて医学部留学について考えてみたけれど、基本的にはお勧めできないという考えは変わらない。

ただ、例外的に留学を勧める人たちがいる。

2、3浪しても医学部に合格できない20台前半の子達だ。

医師として働いていると、行く先々で出身校を聞かれる。私の出身校のお陰からか医学部受験をしている子を持つ母から相談を受ける機会が多い。

こないだ聞かせてもらったある母の話。

お子さんが医学部受験多浪となってしまった。医師の父は子どもに対してお前は人より頭が悪いんだから人の何倍も勉強しろと朝5時まで勉強させている。子どもの心が休まる時間がなくて見ていられない...仕事に行っている方が楽です...と。

心から受験に受かって欲しいけれど、受からなかったらその子はどうなるのだろう。
そう思った。

私は日本の大学受験をしていないから想像になってしまうけれど、医師になりたくて多浪している子達は、色々なものを我慢して犠牲にしているのではないかと思う。同年代の子が楽しそうに大学生活を送っている中で受験勉強を続ける事の苦しみは医学部に受かってしまえば報われるかもしれないけれど、努力が必ずしも良い結果につながるわけではない。
自分を追い詰めて、苦しみながら勉強して努力が報われなかった時に残るものって何なんだろう。

ブルガリアにいた時に、若い頃に医師になりたかったけどなれなかったからって30〜50代で留学に来た方もいたけど、みな配偶者を日本に残して仕事も辞めて、医学部コンプレックスを拗らせると本当に恐ろしい事は身に染みて知っている。

東欧医学部の入試なんて簡単なんだから、最悪その方法で医師になろうくらいの気持ちで、失敗を恐れずに受験勉強に取り組めたらいいのにと思ったら、つい、医学部留学したらいいんじゃないですかと言っていた。

日本で医師として働きたいのであれば、現役、1、2浪くらいは本気で勉強して日本の医学部受けてダメなら留学。そのくらい気楽でいいと思う。留学に関しては色々問題があるかもしれないけれど、医学部入学できたって事実だけで自分に自信が持てるし、本当に医師になりたいのであれば後の事はいくらでもどうにでも出来るよと言いたい。

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