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なぜダウンタウンに熱狂するのか?

昨年末からいろいろと話題のダウンタウン。こういったゴシップが出るとネット上に賛否両論があふれるのが常だが、ダウンタウンについては特に大きな声が聞こえる。そこで登場するのが「ダウンタウンは天才」と語り、全面的にダウンタウン(特に松本人志さん)を支持する人たちである。特徴的なのは批判するものはネットの意見であろうが週刊誌の記事であろうが、汚い言葉を使って批判する、ダウンタウンがいなくなったらどうするんだと騒ぐ人が目立つ点だろうか。ダウンタウンに熱狂する人たちが多いことに昔から興味深いと思っていたので、改めて整理して考えてみたいと思う。

私のお笑い遍歴

本題に入る前に私自身のお笑い遍歴について書いておく。私は50手前の関東出身。ダウンタウン世代から少し下というものの、まだまだダウンタウン全盛期の中過ごしてきた、と思う。思うというのは自分自身がダウンタウンの番組をあまり見なかったし、周りからも「ダウンタウンが面白い」という話を聞いたことがなかったからだ。小さいころはドリフターズ、高校ぐらいからは笑う犬、内村プロデュース、それ以降はレッドカーペットとかお笑いオンエアバトル、エンタの神様とか一通り見ていた。

好きな芸人は、もともとジョビジョバというグループが好きで、ほかにはタイムマシーン3号、バイきんぐ、東京03、ラバーガール、バカリズムといったところだろうか。並べてみるとあまり関西色はなく、漫才よりコントの方が好きなのかもしれない。

ダウンタウンについては彼ら目的で見ることはないし、特別凄いと感じることもあまりない。水曜日のダウンタウンは大好きな番組だが、企画が好きなだけであり、司会がダウンタウンでなくても問題ないと思っている。

ダウンタウンはなぜ天才と言われるのか

ダウンタウンの信者(熱狂的ファンに敬意を表して信者と呼ばせてもらう)がなぜ天才だというのか。ネットを調べても所謂「天才ゆえに天才なのだ」「面白すぎるから天才なのだ」みたいな信者論になっているものが多くなかなか大変だったが、なんとなく読み解いてみたのが以下の点である。

漫才のスタイルを変えた

それまでの漫才と言えばアップテンポで関東の私からすると何を言っているんだか付いていくのが大変というものだったが、スローテンポの客に聞かせる漫才を作り出した。

お笑いに関する用語、お笑いのスタイルをたくさん産みだした

「グダグダ」「逆ギレ」 「空気読む」「さむい」といったお笑い、お笑いの枠を超えた用語をたくさん産みだし流行らせた。またフリップ芸やお題で一言など、新しいお笑いの形をたくさん作り上げたことが評価されているようだ。

トークが面白い

結局行きつくところはこれになるようだ。即興で生み出されるツッコミや例えが秀逸ということのようだ。ただこれに関しては信者だけではなく、多くのお笑い芸人が称賛するところなので、プロから見てもすごいというのは間違いないのだろう。

改めて書き出してみたが、やはり面白いものに理由を求めるのも寒いな(笑)と思った。面白いものは面白いで良いと思う。ただ、なぜかダウンタウンに関してはこれだけ熱狂的になるのかはやはりよく分からない。この後で色々と考えてみたい。

ダウンタウンとは何者なのか

「ダウンタウンが天才なのか」という問いについては、全てがダウンタウンの功績なのかという疑問があるものの、多くの人に広めたという点でまあ理解できるかなとは思った。ただそれが熱狂的になるほどの話なのか。今のお笑い界を見ると、新しいお笑い用語やフォーマットを生み出す芸人や放送作家、プロデューサーはいくらでもいるし、実際生み出されている。

トークセンスについても同様で、ダウンタウンのトークは面白いと思うが天才とまでは感じないのが正直なところである。私としては松本さんの無理やり良い事を言おうとするスタイルには、ちょっと回りくどくて笑えない時まであるし、もっと面白いことを言う芸人さんはたくさんいると思う。ただそんなことを言おうものなら「お笑いを分かっていない」「元々このスタイルを作ったのはダウンタウン」「今の芸人はつまらない」と信者に言われてしまう始末だ。

また意外なのは、嫌いな理由に良く上げられるダウンタウンの暴力的なところ(後輩芸人を殴ったりセクハラをしたり)という点について、信者の方が全く触れないところだ。評価していないのかタブーなのか分からないが、もはやダウンタウンの特徴とも考えられているスタイルであり、これに触れないことにはとても違和感がある。

ダウンタウンに熱狂する理由(仮説)

ここまでいろいろ考えてきたが、ダウンタウンが天才かどうかは別として、熱狂する理由は分からないところだ。ここからは私の仮説だが、以下2つを考えてみた。

サクセスストーリーが斬新すぎた

お笑いはダウンタウン前と後で分かれると言われている。それほどダウンタウンがお笑いを変化させたのだろう。ここからは完全な私の妄想だが、それまでのお笑いに飽き飽きしていた人たちにとってダウンタウンは強烈なインパクトがあったのではないか。そしてテレビ界のスターとなり、さらには関東進出も成功させたことにファンが熱狂したのは想像するに難くない。彼らにとってダウンタウンは永遠のスターであり、何人たりとも超えられない天才となったのではないかと思う。

ダウンタウン自身が天才を演じている

私がいつも思うのは、ダウンタウンを評価している人たちが芸人に多いことだ。他にもさんま、たけし、タモリといったビック3やドリフターズの面々といったレジェンド芸人を評価する声も多いが、声高々に信者だと宣言する芸人は少ない。

話を手繰っていくと「ダウンタウンさんは優しい、愛がある」という声をよく耳にする。おそらくだがダウンタウンのファンだった人が芸人になった際に、声をかけ、目をかけていたため、ファンから妄信する信者へと昇華していったのではないだろうか。

またここでダウンタウンのいじり芸についても述べておきたい。ダウンタウンは「自分たちは世に流されず面白いことをやっているだけ」というが、どう見てもいじり芸は周りからの評価も薄いし、本人たちのキャラにもあっていないような気がする。では誰が評価しているのかというと、テレビを見ている人たちだ。つまりテレビの視聴者に向けて自分たちの評価が高めるための芸を信者芸人と共に演じていると考えている。

以上のことから、実はダウンタウンは天下取りを意識し、天才キャラを演じるための行動をしているのではと妄想しているがいかがだろうか。もちろんこれは悪い事でも何でもないが、信者が他の芸人やそのファンを貶める発言、行動をするのは今後の命取りになるのではとヒヤヒヤしてしまう。

ダウンタウンの行きつく先はどこか

ダウンタウンのお二人も還暦を迎えたが、今後ビック3の後に立つ存在になるのだろうかと考えると頭をかたげてしまう。もちろんダウンタウン自身が何を目指しているのかは分からないので、そんなものは望んでないよと言われるかもしれない。個人的にはダウンタウンは世のコンプラに従い、また漫才などもやっていただいて王道路線をたどってほしいと願っている。

問題なのは熱狂する信者をどのようにコントロールするかにかかっているのではと思う。彼らは何をしてもダウンタウンの味方をしてくれるのはよいのだが、判断を誤ってしまうこともある。彼らと共に今後を生きるのか、王道路線を走るのか、これを書いていてちょっと興味が出てきたところである。

以上、ここまで駄文を読んでいただいた方々には感謝します。
これからのダウンタウンに幸あれ。(ドヤ)

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